逢崎遊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりに心が動いた読書体験だった。これがデビュー作とは。おっちゃんとの関係が凄くよかった。耕一くん自体も凄くいい子だからこそ、良縁にめぐまれるのでしょうね。父との関係については、いつかどこかで何か報いがあるのかなとドキドキしながら読み進めたが、そっか、そう着地するのねと。だからもう謝りたくても謝れない。話もできないから推測するしかない。父もそれができたならどうしてもっと早くできなかったの?とかしょうもない嘘なんでついたの?と思うところもあったけれど、そこも含めて人間なのでしょう。贖罪の意味もあったのかな。人生における正しい地図はきっとない。自分の選んだ道を正解にしていくしかないのだ。タイトル
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Posted by ブクログ
私はどうやら、ゆーき本さんが刺さる本に刺さるらしいです。
この本も雪さんのレビューを読んだ時、すっごい読んでみたいと思ったのですが、前半の苦しさに私は耐えられないだろうなと思い、とりあえず保留にしていました。
の筈なのに(^◇^;)
ゆーき本さんのレビューを読んだ時、やっぱり読む!!!と方向転換。
今日は皮膚科に朝から並びました。
一時間前に家を出て、45分くらい並んだのか!?
もう並び時間が足らないっ!!!って文句言いたくなるくらい本の世界に引きずりこまれちゃってました。
で、手荒れ、足荒れで皮膚科に行ったのですが、顕微鏡で組織とって調べてもらった挙句、『老化ですね』って言われました -
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めっっっさ良かった…
感情がぐちゃぐちゃになりました
ぐちゃぐちゃの感情のまま 最後は主人公の耕一郎と共に涙を流していました( ノД`)。・゚
生まれてすぐに両親は離婚し、父親に育てられた耕一郎。運送会社で真面目に働いていた父は 事故を起こし無職になってから酒に溺れるようになる。
耕一郎は定時制の高校に進みバイトをして生活を支え始める。しかし、働いて得たお金は父親の酒代やギャンブルに消える日々。 そんな毎日から抜け出そうとコツコツ貯めていたお金を ある日 父親のパチンコ代に使われてしまう。
そして、父親から放たれた最悪の一言…。
キレた耕一郎は夜の雪道で父親に暴行を加え 置き去りにし -
Posted by ブクログ
定時制高校に通いながらアルバイトをして、無職の父の代わりに生活費を捻出している耕一郎。
苦労して貯めた八万円を父に使われ、挙げ句の果てに衝撃的なひと言を放ったことに思わず殴り倒し、雪の中に置き去りにして故郷を去る。
殺したであろう父から逃れるようにその日から逃亡生活が始まる。
所持金も底をつき、ホームレス生活になり、そこから人伝に日雇いの仕事をつき、そこで親しくなったおっちゃんと屋台のたこ焼きを…。
そのおっちゃんとの出会いと別れを経験し、新たな仕事も得て、流れるように年月は過ぎたが、将来が見えないのは父のことがあるからだった。
故郷へ帰る決意をした彼を待ち受けていたものは…。
すべての真相 -
Posted by ブクログ
ブク友さんたちが話題にし気になっていた一冊です。著者の逢崎さんはまだ二十代で、本作がデビュー作にして小説すばる新人賞受賞とのことです。
定時制高校に通う耕一郎は、苦労して働き蓄えた金を父に盗られ使われてしまいます。悪びれない態度と別の鬼畜の様な所業に怒りが沸点を超え、殺めてしまうところから物語が始まります。耕一郎が故郷から逃亡し、流転して辿る人生が描かれます。
まずは、筆者の思いの丈、物語の緻密さから熱量がバンバン伝わり、メッセージ性を強く感じます。重い話ながら、一歩一歩階段を登っていくような堅実な成長譚でした。複数のエピソードを一体化させ、章立てのない展開がどんどん先を読ませる吸引 -
Posted by ブクログ
アメリカン・ニューシネマみたいだった。
本書に登場する人々は良くも悪くも「父親」ではある。みっともなく悪い所を見せては「こうなるなよ」と背中で見せるからだ。
主人公が転々とする場所で出会う男たちが皆、魅力的である。ただ、共通しているのは「こうはなりたくない」と思わせてくれる事だ。ホームレスにその日暮らしの労働者。全員悪い人ではない。だが彼らが置かれた立場には行きたくない。
オチに関しては想像がついた。だからと言って本書の評価が云々ではない。
よく出来た話である。どれだけ文学が、文化が、と言っても所詮、小説は娯楽の一つでしかない。言わば夢物語だ。現実にはもっと陰惨な話がゴロゴロしている。これだけ