逢崎遊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2023年第36回小説すばる新人賞
無職となりアルコール依存であった父親を
保護されていた警察へ迎えに行き
衝動的的に殴り続けて雪の中放置した
息子の定時高校生
父親は死んだと思いそのまま逃亡者となる
まず社会の底辺へ身を落としそこから遡上していく青年の真摯な生き方が 汚れたおばさんの心に響きました
“寄せ場”の日雇い労働者を描かれた小説としては
木原音瀬さんの「惑星」
西村賢太さんの「苦役列車」
等を読みました
その2作品も好きなのですが
この小説は、社会の下層で思いやれる気持とか助け合う関係とか そこから次に進もうとする意識とか 共感を得る部分が多いのではと思います
地図というアイ -
Posted by ブクログ
中学の頃に父親が職を失い、定時制高校に通いながらバイトを掛け持ちし親子2人の生計を立てている耕一。ある日、父親の行動に我慢の限界を迎え極寒の雪の中で父親の意識がなくなる程の暴力を振るい、見知らぬ土地へ。
身分を隠しながらホームレスになり、その後は日雇い労働者を知り、その日暮らしの生活へ。
行く先々で真面目に働く耕一をみて、いろいろな人が支えてくれる。
大勢の10代の子達が歩む道のり、正しき地図を歩めなかった耕一ではあるが、それでも真面目に働く事で良い出会いに結ばれていったんだなと思う。
父親との件に決着がついた耕一のこの先に、彼の思い描く夢が叶う日がきますように。
父親の思いよ、、気持ちをき -
Posted by ブクログ
ネタバレ⚫︎感想
根が真面目すぎてすれ違う父と子の話。結果、二人はとても似ていた。
やはり、自分の存在意義を他者に求めて生きるのは、いつかは破綻するのだから危うい。
真面目すぎる親が、できた子を持つと、自分の不甲斐なさが人より辛く感じられるのもわかる。真面目な子が、なんとか親を助けたい、恩を返したいと張り切るのもわかる。悲しいすれ違いがあった。
経験や人との出会いで成長していく様を、緊張感を持ちながら一気に読み進められるが、ここまでに比べて、地元に帰り、ことの真相を知るラストは少し物足りないようにも思えた。ただ、父の考えは残された遺品や行動と、真面目ゆえ考えを他者になにも語らなかったそのことそのも -
Posted by ブクログ
読んでいる間ずっと違和感が拭えなかった。内容としては面白かっただけに残念。
定時制高校に通いながら必死にバイトをした金は父親の酒代に変わる。そんな毎日を過ごしながら、ある日我慢の糸が切れた耕一郎は、父親を殴り殺してしまう。そのまま逃げるように故郷を離れ、ホームレスとして生きていく耕一郎。やがて、日雇い労働者となり、そこで知り合ったおっちゃんと屋台のたこ焼き屋をすることになる。
その後、おっちゃんの計らいで東京の金属工場に勤めることになった耕一郎は、父親の生死を確認するために故郷に戻るのだが・・・。
まず、死んだか確認せずに逃亡するなんてことがあるだろうか?そして、何年も経ってから父