逝年

逝年

小説・文芸
440円 (税込)

2pt

人生にも恋愛にも退屈していた二十歳の夏、「娼夫」の道に足を踏み入れたリョウ。所属するボーイズクラブのオーナー・御堂静香が摘発され、クラブは解散したが、1年後、リョウは仲間と共に再開する。ほどなく静香も出所するが、彼女はエイズを発症していた。永遠の別れを前に、愛する人に自分は何ができるのか? 性と生の輝きを切なく清澄にうたいあげる、至高の恋愛小説。傑作長編『娼年』続編。

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逝年 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    クライマックス
    静香さんとリョウの最後のセックス
    泣いた。頭がグラグラした。
    生きることと死ぬこと
    何が普通
    罪と許し
    母と子、男と女
    歳をとること
    こんなふうに描けるなんて、、、
    前作を超えてとても良かった

    0
    2025年08月29日

    Posted by ブクログ

    性の多様性、欲望に内包された人間の深みなど、前作を踏襲する内容であるが、それに加え「死」をテーマに構えた作品となっている。
    病と向き合い続ける静香さんやリョウの死生観は、かなり刺さるものがあった!

    0
    2023年04月21日

    Posted by ブクログ

    久しぶりにこんなに美しい文章と小説に出会った。
    さすが石田衣良さん。映画「娼年」では感じられない、言葉の美しさを感じたので、『娼年』も読んでみたい。


    p.27 下側は、鋭い快感で、上側は安心するようなくつろぎ。

    p.34 それは世界中で起きていることだった。ボクたちは自分たちと異質なものを攻撃し排除する。永遠に続く、命がけの間違い探しだ。

    p.40 手放しの褒めようだった。東は女性を褒めるときは、言葉を節約しない。

    p.52 夜はすべての人を包み込む。人の強さと弱さ、病気や傷痕、ねじれた、欲望に叶えられなかった夢。心の影を全て包み込んで、朝の光が世界を借金するまで自由な夢を見せてくれるのだ。

    p.103 誰かが書いた愛の定義を思い出した。相手の幸福が自分にとって不可欠な状態を愛と言う。

    p.115 あゆみは、女の乳房が嫌で、胸をカッターで切ろうとしたことがあった。声が女の子のようになるのが嫌で、塩素系の洗浄剤でうがいをして、喉を焼こうとしたこともあった。華奢な指に馴染めなくて、コンクリートの柱をずっと拳で殴っていたこともあった。

    p.126 退屈を探せば、退屈を、驚異を探せば、驚異を見つける。世界はあまりに豊かな書物なので、必ず望むページに行き当たることになる。それがどれほど正しい指摘だったか、娼夫の仕事を通して、僕は思い知ることになった。この世界にも女性たちにも無限の豊かさがある。だが、冷えた欲望の持ち主には、扉を消して開かれる事は無い。それは大海の上で漂流死するのと同じである。膨大な水に囲まれたまま、渇き死んでいくのだ。僕にとって、欲望の無限の変化を探るのは、そのまま世界の成り立ちの姿をリスペクトすることだった。

    p.149 ここにも人間の不思議があった。肉体は心をのせる器に過ぎない。心の方が体より先にあるのだ。

    p.152 普通に生きているだけでも、人生はかなりの重さだった。その上、さらに障害を抱えて歩いていく。しかも障害が次の障害を呼ぶこともある。僕は目の前の妖精のような少年を見直していた。

    p.189 あなたが今悲しいのなら、その悲しみを私に感じさせて。2人で分け合って、その色をもっと深いものにする。私は私の体を通して、リョウくんの悲しみを感じたい。

    p.216 ずっと忘れていた。生きているって、自分の体を通して誰かを感じて、何かを分け合うってことだったんだね。

    p.226 僕たちは傷つき、渇き、シワを増やし、肉を食べません、歳を重ねていく。肉体の魅力と生き生きとした心の弾みを失っているのは、ほんのわずかな知恵と金銭だけであるように見える。だが、それでも日々何かを失いながら生きている女性の体は、これほど素晴らしかった。

    p.229 大人になると言うのは、「輪郭を淡くしていくこと」かと私は思った。若い頃は、好き嫌いをはっきりさせて、何にでも白黒をつけ、「選び取る」ことで、自分のアイデンティティーを形成していく面がある。しかし歳をとるというのは、いや、正確に言えば、よりよく歳をとるというのは、いろいろなものの境や自分の輪郭さえ薄れさせ、淡くうっすらと空にに漂うことなのかもしれない。

    0
    2023年02月15日

    Posted by ブクログ

    前作に比べて、衝撃的なともいえるシーンがあるように感じる。だが、決して不快ではなく「性」のかたちであり「愛」の形なんだと思った。

    0
    2022年03月03日

    Posted by ブクログ

    娼年を読んだ時、とにかく衝撃を受けて、自分自身の考え方、価値観がとても変わったのを今でも覚えています。1作目ほどの驚きはないけど、やっぱり石田衣良さんの書く文章がとても好き。
    どんな年齢の女性も美しいと思わせてくれる。歳を重ねた女性の表現がいい。1作目よりもよりクラブのメンバーにフォーカスされていてそこもまた良かった。

    0
    2020年12月31日

    購入済み

    素晴らしい愛の形

    泣きました。愛の形は様々です

    0
    2020年09月12日

    Posted by ブクログ

    すごく良かった。
    ラスト泣きました。
    私の年齢が、作品にぴったり当てはまっていたからかもしれない。

    シリーズ物の作品というのは、映画でも小説でも、1番目は続編の「前提」であり、続編にはそれを上回るテーマが入り込んでくる。
    なので、シリーズは続編から益々面白くなってきますよね。

    冒頭は、前作のようにクラブを再建し、お客様を取って若いスタッフで運営して行く、少し「IWGP」を思い出すような軽いスタートだったのだけれども、スカウトした相手がGDI(ジェンダー・アイデンティティ・ディスオーダー)性同一性障害で、FTM(フィーメイル・トゥ・メィル)心が男性なのに、肉体が女性である状態の人であり、彼が娼夫という仕事をするという事と、親との和解、性転換、彼女との結婚など、重めの問題が扱われています。

    さらに増して、元オーナー御堂静香のエイズ発症という、この世界にはついて回る病気の問題。

    そして、最も身近でいて、捉える人によって違う響きをもたらす「死」に対する問題です。

    御堂静香の友人、ヨーコの言葉に共感しました。
    「苦しみも欲望も、簡単に乗り越えられたりはできないものよ。悟ったりなんて、誰もしないの。みんなが傷つきながら、今を生きている。こたえはどこにもなくて、ただそうやって今日を見送るだけ。それが人間にできることなの」

    そして、御堂静香の再期のセックス後の言葉、
    「生きているって、自分の身体をとおして誰かを感じて、なにかを分けあうってことだったんだね」と。

    「生きてる」って、生きてていいって思える事のひとつの心の代弁をされました。

    0
    2020年08月18日

    購入済み

    全ての男性に読んでもらいたい

    歳を重ねていく女性を美しいと感じる大学生の主人公の考え方を見ていると、今を生きる男性に足りないものを感じました。
    皺やたるみが増える女性に罵声を浴びせる男性がたくさんいるこの世界に、この本の主人公のように純粋に人を愛し理解できる男性がたくさんいれば、世の中はもっと幸せになるのだろうなと思いました。

    心に響く素敵な作品でした。

    0
    2018年10月09日

    Posted by ブクログ

    この性や熟年の歳を重ねた良さをこんなにも上品に優雅に語れるのはさすが石田衣良。この人自身の価値観や心情がたまの一文にさらっと凝縮されている。
    娼年よりこちらの方が人間とは、命とはと大きなテーマを主題にしていて、はっと気付かされることが多かった。そもそもの娼夫という設定で避けてしまうのは残念な作品。年齢を重ねてわかる深さと良さが溢れている。

    0
    2026年05月11日

    Posted by ブクログ

    『call boy』シリーズ第2弾❗️性同一性障害やHIV感染等の重いテーマを絡めながら、最愛の人との別れを描いた恋愛小説。

    個人的には、『娼年』よりも心に響く、優しくも哀しい作品でした❗️特に最後のセックスシーンは心に残ります。

    『人は死なない。ただ消え去るだけだ』という台詞がとても印象的でした❗️その後のリョウの生き様を描いた、『爽年』もいつかチャレンジしたいと思います。

    0
    2025年11月13日

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