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帰省するのはいつぶりだろう。大学進学を機に上京して十四年、忙しさにかまけて実家から足が遠のいていた私は、新幹線で金沢に向かっていた。まもなく旅立つであろうミャアを見送るために(「ミャアの通り道」)。離婚以来、自暴自棄の生活を送っていた女性の家のベランダに現れた茶トラが、生活を思わぬ方向へ変えてゆき……(「運河沿いの使わしめ」)――肉親を亡くした時、家庭のある男を愛した時、離婚して傷ついた時…… ふり返れば、いつもかたわらに猫がいた。人生の様々な場面で猫に救われてきた女性たちの心洗われる七つの物語。「犬を亡くした私を救ってくれたのは猫でした」――著者インタビューも収録!
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年12月03日
猫好き必読です。
短編なのですが、どのお話も猫への愛が溢れてる。
読んでいて、「分かる分かる!」ということばかり。確かに、猫って気まぐれだけどその分敏感で。
人間が言わなくても、辛い時は察知して寄り添ってくれる生き物。
我が家のニャンズとも、彼らが虹の橋を渡るまで、一日一日を大切に生きようと思い...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月10日
猫にまつわる7つの短編集。
若い頃によく読んだ唯川恵さんの本は久しぶりでしたが、最高でした。
電車の中で何度も涙が溢れそうに…
悲しい涙ではなくて、全てじんわり切なくて温かい涙という感じ。
我が家も2匹の猫がいるので、
彼らの毛の温もりや匂いに癒される幸せを改めて感じます。
全猫好きに読んでもら...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月18日
猫をテーマにした短編小説集。
猫のいる暮らし、羨ましいなと思いました。
辛い時、苦しい時に猫は寄り添ってくれる。それぞれの物語でそんな安心感がありました。
特に、「運河沿いの使わしめ」での猫ちゃんの行動がとても好きでした。
辛い時には寄り添ってくれ、立ち直ったら次の人を救いに行く。
猫ちゃんの自...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月05日
ねこがいる人生の様々な場面が描かれた短編集。
「ミャアの通り道」では導き教えられる。
「運河沿いの使わしめ」では心を癒される。
「陽だまりの中」では見守られる。
「祭りの夜に」では神様として。
「最期の伝言」では思いを伝える。
「残秋に満ちゆく」ではぬくもりを届ける。
「約束の橋」では共に暮らす。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月26日
ネコが好きな方は勿論、ネコが好きではない方にもお薦めする。ネコをモチーフに、「別れ」をテーマにした短篇集。いづれも女性が主人公。じわーっと心に沁みてくる七編。
自分は最初と最後の話が特に好きだ。うちでもネコを飼っているが、20年も経っているわけではない。やっと1歳だ。
あと、自分も齢を重ねて...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月09日
猫に関係した7つの短編集だが、どれも良く書き込まれていて、読んでいてすぐに引き込まれた。
出会いがあれば別れがあるという事を考えさせられる物語。
自分が今生きているという事がどれだけ大切かを教えてくれた作品。
色々な人との関わり、いつ別れがくるかわからない疎遠になっている人達と連絡を取ってみよう...続きを読む
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