あらすじ
帰省するのはいつぶりだろう。大学進学を機に上京して十四年、忙しさにかまけて実家から足が遠のいていた私は、新幹線で金沢に向かっていた。まもなく旅立つであろうミャアを見送るために(「ミャアの通り道」)。離婚以来、自暴自棄の生活を送っていた女性の家のベランダに現れた茶トラが、生活を思わぬ方向へ変えてゆき……(「運河沿いの使わしめ」)――肉親を亡くした時、家庭のある男を愛した時、離婚して傷ついた時…… ふり返れば、いつもかたわらに猫がいた。人生の様々な場面で猫に救われてきた女性たちの心洗われる七つの物語。「犬を亡くした私を救ってくれたのは猫でした」――著者インタビューも収録!
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Posted by ブクログ
猫を起点にして、機転にして、気転にして、終点にしたり。人生に猫がいることで心が落ち着いたり、猫がよりどころだったりする人達の前向きになれる短編集。決して明るい作品が並んでいるわけではないが、きっとどこかで自分を投影できるはず。少なからず私はほぼ泣きました。世界から猫が消えたならなんて、残酷に過ぎる。
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最近、読書体験が充実に過ぎる。読む本が好みに合う。琴線に触れる。ドストライク。心が洗われる。良い傾向。
Posted by ブクログ
猫好き必読です。
短編なのですが、どのお話も猫への愛が溢れてる。
読んでいて、「分かる分かる!」ということばかり。確かに、猫って気まぐれだけどその分敏感で。
人間が言わなくても、辛い時は察知して寄り添ってくれる生き物。
我が家のニャンズとも、彼らが虹の橋を渡るまで、一日一日を大切に生きようと思いました。
なお、猫好きさんなら100%泣くので、電車の中で読むのはオススメできません。笑
(特に一番最初のお話「ミャアの通り道」は、我が家のニャンズの来る日を想って号泣したし、何なら実家にいる老犬を想って泣いた)
Posted by ブクログ
猫にまつわる7つの短編集。
若い頃によく読んだ唯川恵さんの本は久しぶりでしたが、最高でした。
電車の中で何度も涙が溢れそうに…
悲しい涙ではなくて、全てじんわり切なくて温かい涙という感じ。
我が家も2匹の猫がいるので、
彼らの毛の温もりや匂いに癒される幸せを改めて感じます。
全猫好きに読んでもらいたい。
Posted by ブクログ
どこまでも優しくてあたたかい、猫と一緒に過ごしたお話7編。心にすーっと染み入るような読み心地でした。特に印象に残ったのは「運河沿いの使わしめ」と「約束の橋」です。
ちょっと不思議なお話もあって、とても楽しめました。
Posted by ブクログ
唯川さんの作品を読んだのは十数年ぶりになるだろうか。
若い頃、アラサーと呼ばれる世代に唯川さんの恋愛小説の大ファンだった。
同世代のヒロインの心の動きを繊細かつリアルに描く作風に強く魅力され、深い共感を得た。
本書はたまたま書店店頭で見かけて、タイトルと表紙に惹かれて購入した。
特に印象に残ったのは「祭りの夜に」。
認知症の祖母が今なお待ち続けている男性の正体が実は夫である祖父だったー。地方の田舎でひと夏の休暇を過ごすヒロインの目を通して、幻想的、情緒豊かに祭りの夜が描かれる。
「最期の伝言」。幼い頃に母と自分を捨てて他の女性に走った父。ヒロインは父を恨めしく思ってきたが、父が家庭を捨てた事情の裏には、意外な真実があったー。
全体的な感想としては、相変わらず今も昔も唯川さんは女性の心理描写が秀逸だなと改めて思った。
唯川さんも歳を重ねられ、読む側の自分も歳を取った分、昔とは違う作風なり感じ方なりがあるのは当然かもしれない。
私が唯川さんの作品にハマっていた頃、小説のヒロインは若い女性が多かったが、今は、あらゆる年代の女性たちが生き生きと作品の中で息づいているように思った。また機会があれば、唯川さんの作品を是非読んでみたい。
Posted by ブクログ
猫をテーマにした短編小説集。
猫のいる暮らし、羨ましいなと思いました。
辛い時、苦しい時に猫は寄り添ってくれる。それぞれの物語でそんな安心感がありました。
特に、「運河沿いの使わしめ」での猫ちゃんの行動がとても好きでした。
辛い時には寄り添ってくれ、立ち直ったら次の人を救いに行く。
猫ちゃんの自由気ままなだけではない行動がとても素敵でした。
Posted by ブクログ
ねこがいる人生の様々な場面が描かれた短編集。
「ミャアの通り道」では導き教えられる。
「運河沿いの使わしめ」では心を癒される。
「陽だまりの中」では見守られる。
「祭りの夜に」では神様として。
「最期の伝言」では思いを伝える。
「残秋に満ちゆく」ではぬくもりを届ける。
「約束の橋」では共に暮らす。
そんなねこたちがでてくる素敵な1冊。
Posted by ブクログ
どのお話も愛猫との別れや、
家族とのツラい事情がテーマなんですが、
切なくも読み終わりは温かくなる
素敵なお話ばかりでした。
涙が止まらないお話もありました。
唯川恵さん、初めてでしたが、
他の作品も読んでみたいです。
Posted by ブクログ
ネコが好きな方は勿論、ネコが好きではない方にもお薦めする。ネコをモチーフに、「別れ」をテーマにした短篇集。いづれも女性が主人公。じわーっと心に沁みてくる七編。
自分は最初と最後の話が特に好きだ。うちでもネコを飼っているが、20年も経っているわけではない。やっと1歳だ。
あと、自分も齢を重ねてきたからだろうか。いろいろと思うところがある。
Posted by ブクログ
猫と暮らしていると、一見人間が猫の世話をしているが実は猫に救われ猫に寄り添ってもらっていると感じることが大半だ。この本はまさに猫に救われ寄り添ってもらった7人の生き方がかかれている。胸が苦しくなったり温かくなったり7人の女性の人生に寄り添いながら読むことができた。
Posted by ブクログ
猫が主人公ではないが、猫がいないと成り立たないといった感じの猫にまつわるお話。
本物の猫だったり、ぬいぐるみ お面 と、様々な形で登場する。
女性の主人公たち心の内には悲しみや苦難がある。それを猫を通して静かな感慨 心の安寧を感じることができる。
猫を飼いたい気持ちがさらに膨らんできた。
Posted by ブクログ
猫に関係した7つの短編集だが、どれも良く書き込まれていて、読んでいてすぐに引き込まれた。
出会いがあれば別れがあるという事を考えさせられる物語。
自分が今生きているという事がどれだけ大切かを教えてくれた作品。
色々な人との関わり、いつ別れがくるかわからない疎遠になっている人達と連絡を取ってみようかな?と思わせてくれました。
Posted by ブクログ
様々な日常の中での猫との生活。転機もあればそうでないこともある。大きな悩みも小さなきっかけで解れることもあることを思い出させてくれた作品。特に最後の川沿いを歩く作品が印象的。一言であらわすならば、少しだけ心に風が通る爽やかな短編集でした。
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7つのネコ短編集。
ほわほわするようなおはなしではないけど、
また、がんばろうって思える作品でした。
こんなに泣くとはきいておりません笑
電車の通勤時間に読んでいたので、車内で泣いてしまって
周りの人にみられたかもしれないです。
読む際には、お家がおすすめです。
Posted by ブクログ
猫にまつわる短編集。
優しくて温かいながらも、どこか別れの寂しさや切なさが心に残る素敵な話ばかりだった。
猫飼いとして特に心に残ったのは「運河沿いの使わしめ」と「約束の橋」
生きる気力を無くして汚部屋に住んでいたのを、猫との出会いで変わる江美。紆余曲折の長い人生をさまざまな猫と共に過ごしてきた幸乃。
側から見たら「猫を飼ってる、猫の世話してる」なんだけど、実は生かされてるのは自分の方だったりする。自分にも心当たりあるなぁ。
話として好きなのは「祭りの夜に」
祭りの夜に待ち合わせするそれぞれの思いが切なくて美しくて、ほろりときた
猫のために少しドアを開けておく、とかの細かい猫描写もよくて、「そうそう、猫ってそうだよね」なんて思いながら没入して読めてよかった
Posted by ブクログ
病院の待ち合いで読んでいた、
冒頭の『ミャアの通り道』の最後でいきなり泣けた。
どのお話しも『猫ってそうだよな〜』と納得しながら、
いつもそばにいてくれるウチの猫への愛しさが、
読み進めるごとにどんどん強くなるのがわかるし、
猫と暮らす人はみんな同じ想いなんだなぁと、
改めて実感する。
ストーリーで描かれる猫との別れや死別を
自分の事としても捉えると悲し過ぎて考えたくはない。
でもその時はいつか必ず来る…と教えてもくれている。
Posted by ブクログ
読み終わりました。
様々な女性たちが猫たちに関わる7話の短編集。
ひとつ泣きました。
7話それぞれどこかしらで泣きそうになり、最後は泣いてました。
心あたたまるお話でした。
Posted by ブクログ
温かい涙がこみ上げてくる物語がいっぱい詰まった作品でした。
愛犬を失ったばかりでこの本に出会い、個人的にも込み上げてくる感情がありました。
また、最近自分の想い、相手の想い、に敏感になっている部分があって
親子や、家族や、全く接点なかった方と
繋がったり、秘めていた事や気持ちが通じ合う瞬間がうまれるきっかけになっていく存在だなって、改めて猫もだけど、人ではない愛しい存在を大切にしたいと想えた作品でした
Posted by ブクログ
友人に勧められて読み出したネコ本です。
7つの短編小説集で、各作品のポイントでネコが登場します。
すべての作品の主人公が女性というのも印象的でした。
私は、1作目の「ミャアの通り道」が一番好きです。ネコの最期に家族が全員集合する話ですが、少しうるっときてしまいました。ミャアを飼うことに反対した父親が、一番最初に泣くんです。男泣きには弱い・・・。
それぞれの作品に出るネコたちは、どこか寂しげだったりする人たちや困難を抱える人たちのもとにふらりとやってきます。そんなネコたちを相棒に、人生の旅路を進んでいく人々。
ヒトからみれば、まさに<みちづれの猫>というわけです。
どの作品も、ヒューマンドラマ的要素も強く、人生について考えたりもしました。
読みやすい作品集だと思います。
余談ですが、「祭りの夜に」という作品では、ネコ神社だったり、ネコ神様が出てきます。お祭りもネコの仮面を被るネコ祭りです。
ネコを祀る神社、調べてみると実際にありました。
いつか行ってみたいなと思っています。
Posted by ブクログ
唯川恵作品を読むのが、「肩ごしの恋人」を読んだ以来20年振り
昔から名前はよく聞くのにこんなにも読んでこなかったか
あたたかい短編集で読みやすかったが、次読むのも20年後かも…
Posted by ブクログ
集英社文庫のナツイチフェアで表紙買い。
7編のオムニバス。
何れも猫が登場し、主人公の心を揺らす。
別れがあり、新たな出会いや門出を予感する。
辛い時に猫がいる生活はいい。