笹本弥生という資産家の老女が、高級老人ホームで殺害されているのが見つかった。いつもお金をせびっている孫の犯行なのか? そこに生き別れたもう一人の孫という男が名乗りでる。詐欺事件や弁護士の謎の事故死が、複雑に絡まりはじめ――。関東大震災、東京大空襲を生き延び、焦土の中、女ひとりでヤミ市でのし上がり、冷徹な金貸しとなった弥生の人生の結末とは。骨太ミステリーの傑作長編。
Posted by ブクログ 2023年01月05日
先日、「蟻の棲み家」を読んだ後に望月諒子さんの本が家にあったはずだと本棚を見て探し出した一冊。
読んだはずなのに全く記憶になく、再読する。
木部美智子が登場するシリーズだった。
この作品は、高級老人ホームで資産家の笹本弥生が殺害されたことから始まった。
誰が殺したのか?が気になるところだが、それ...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年04月11日
どの作家であれ、文庫書き下ろしなるものはそこそこで、そこそこ以上はほぼないなぁと思っています。しかしこれは大当たり。どうしてこれがまずは単行本で刊行されなかったのだともったいなくなる。なんて、よほどのことがない限り、文庫化されてからしか本を買わない私が言うのもなんですが(^^;。
関東大震災と東京...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年08月31日
いやー 読みごたえありました
その満足度に星5ツです
まず弥生ばあさんの生きざまを知るための関東大震災と東京大空襲の描写がスゴイ。これだけの中を生きてきたんだから、これだけのばあさんになったと納得させらせる。
そしてミステリーとしても、いくつかの事件が上手く絡み合って、それでいて最後にはちゃんと...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月17日
資産家の老女が老人ホームで殺害されているのが見つかり、
いつもお金をせびりに来ていた孫が疑われるのだけれど、
葬儀の時に、もう一人の孫と名乗る人物が現れ、
詐欺事件や、弁護士の謎の事故死など複雑に絡み始め、
女一人でのし上がった老女の生い立ちなども盛り込まれ、
謎に満ちていて、衝撃の真実あ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月01日
資産家の老女、弥生が殺された。犯人は孫か?生き別れたもうひとりの孫か?というお話。
弥生は東京大空襲などを経験しつつ生き延び、闇市で品物を売って商売を始めたのをきっかけに資産家となる。
お金はあっても誰からも愛されない弥生のさみしさに涙し、しかし、闇市で女手ひとつでのし上がっていく商才には感心させら...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月01日
老人ホームで富裕な老女笹本弥生が殺される。祖母に寄生しながらも険悪の仲である孫健文が怪しい。祖母はヘルパー会田に全財産を遺すとした遺言があるかも知れない。2億の借金がある弁護士が2億の現金とともに事故死するという謎の事件。大学の考古学部での詐欺事件。様々な謎が繋がっていて・・・
かなり複雑なストー...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年06月19日
あれこれ盛りだくさんの日常で、近頃読書スピードが落ちている。ま、それはそれでヨシなんだけどね〜。
どこかで読んだよね、この作家さん、と思ったら『フェルメールの憂鬱』だった。ほかにも読んでみたいと思ったということよね、記憶に残っているということは。
資産家女性が老人ホームで殺されたことから、あれやこれ...続きを読む