蟻の棲み家(新潮文庫)

蟻の棲み家(新潮文庫)

825円 (税込)

4pt

東京都中野区で、若い女性の遺体が相次いで発見された。二人とも射殺だった。フリーの事件記者の木部美智子は、かねてから追っていた企業恐喝事件と、この連続殺人事件の間に意外なつながりがあることに気がつく。やがて、第三の殺人を予告する脅迫状が届き、事件は大きく動き出す……。貧困の連鎖と崩壊した家族、目をそむけたくなる社会の暗部を、周到な仕掛けでえぐり出す傑作ノワール。(解説・大森望)

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蟻の棲み家(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年12月26日

    ずっしりと重い重い内容だったが、先を急がずにはいられない小説だった。初めて望月涼子さんの作品を読んだが、すぐに引き込まれ木部美智子シリーズの1作目も読もうと決めた。
    貧困、格差社会、売春等暗い言葉が飛び交う殺人事件に関する話だが、犯人が捕まってなお最後の最後までどんでん返しが繰り返され目を離せなかっ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月08日

    読後感は良くないけれど、嫌いではない。
    幸せな話はワンパターンだけど、不幸な話は無数にある。末路はまたそれぞれにある。

    物語の最初の方に、木部美智子が書いた記事として語る部分は作者の本音かなと、思った。
    「一般的な」「ひとつ間違えるとどの親にも起こり得ること」という記事。事件には親の特異性だけでは...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月24日

    貧困の連鎖と犯罪。

    育児放棄にあい、それでも貧困の中から抜け出そうと必死にもがいたけれど抜け出せなかった男性の言葉にはっとさせられました。
    「みんなこの空のどこかに書かれている人権とか正義にかしずいて、どこにあるのかわからないのにあると仮定しているものにかしずいて、生きていけばいい。でも空のどこか...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月23日

    なかなか読み応えのあるミステリーだった。物語全体を通して漂う陰鬱な雰囲気が、重厚感を与えている。弱っているとき読むとちょっと凹むかもしれない。

    東京中野区で起きた二件の殺人事件。フリーの記者である主人公木部美智子は、ずっと追っていた企業恐喝事件との関連性に気づき、真相を追いかけていく。その一方で、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月10日

    貧困や格差の連鎖は個人が克服できるのか。殺人事件と食品メーカーへの恐喝事件の取材の過程で、抜け出すことができない、また、抜け出すことを考えることもできない人たちの闇を嫌というほど感じさせる重い作品。ボリュームはあるが非常に読みやすく、結末まで一気に読んでしまった。

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    Posted by ブクログ 2023年12月17日

    射殺事件と企業恐喝事件、貧困の連鎖の話。繋がっていく事件と零れ落ちる過去の欠片、記者と同じように考え足掻くように事件を追う。蟻の棲家のような世界から這い上がろうとする男の目的のために手段を講じ続ける根気に引き込まれる。だからこそ記者の選択が腑に落ちた。

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    Posted by ブクログ 2023年11月18日

    メッセージ性の強い作品
    事件の背景や動機、裏社会を考えさせられる
    現実の事件がちょいちょい話題に出てきたり、メディアのあり方等も問題を感じさせる内容

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    Posted by ブクログ 2023年10月21日

    望月涼子さんの小説は「殺人者」に続いて2冊目。
    最終的な殺害方法に迫ることと並行して登場人物の深層心理に迫っていく流れはとても惹きつけられました。読み応えがありました。

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    Posted by ブクログ 2023年10月02日

    事件は、二人の売春婦の射殺と顔を撃ち抜かれた男の死体の発見。クライムノベル。
    この犯罪に関わったと思われる男女数人を女性フリーライターが、子供時代に遡って丁重に調べる。
    主犯格と思われる青年二人の対比が、面白い。
    一人は、医師の息子で恵まれた家庭生活を過ごして、意義あると思わせる大学生活を送る男。
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月05日

    解説に「ポップで軽い小説がもてはやされがちな昨今の出版界で、望月諒子の反時代的な重量感が一定の読者にこんなにも長く支持されているのは、ほとんど奇跡」とあるが、私もそう思う。
    この小説は非常に重く暗い世界をテーマにした超社会派小説だった。

    貧困と売春。
    貧困家庭で売春婦の母に育てられた子どもたち。
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