東京都中野区で、若い女性の遺体が相次いで発見された。二人とも射殺だった。フリーの事件記者の木部美智子は、かねてから追っていた企業恐喝事件と、この連続殺人事件の間に意外なつながりがあることに気がつく。やがて、第三の殺人を予告する脅迫状が届き、事件は大きく動き出す……。貧困の連鎖と崩壊した家族、目をそむけたくなる社会の暗部を、周到な仕掛けでえぐり出す傑作ノワール。(解説・大森望)
Posted by ブクログ 2023年03月28日
他の作品も読みたくなりました。
最近読んだ本の中には、子供の頃の生活が成長して人生の歯車を狂わせている話が多く非常に考えさせられます。
「蟻の棲み家」の吉沢末男もそうです。
ただ、長谷川翼の様に金銭的に恵まれている子供がまっすぐに育つかというとそうでない事も有り子どもが育つ環境が大事なんだと思いまし...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月23日
何か、負のパワーに引き摺り込まれそうになる!
育児放棄とか、暴力とか…
小さい頃にそんな環境で育ったら、どうなるんやろ?…
そういう子どもが、大人になって、常識ないって言われるのも、側から見てるとそうなんやけど、実情を知ってるとね…
本来は、産んだ親の問題なんやろうとは思うけど、ムリなら、国とかが...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月19日
この作家さんの作品は初。
社会的な問題が取り込まれていて興味深かった。
主人公がフリーライターだからか…
この作品はシングルマザー、育児放棄、売春等があげられ、そのシングルマザー2人が射殺されるという衝撃的なもの。
容疑者が浮上してきた時、フリーライターの木部美智子は、その者の生い立ちや過去に徹底的...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月30日
何とも不思議なテイストの作品。物語は恐喝事件から始まり、徐々に犯罪規模が大きくなっていき、やがて連続殺人事件との関わりが見えてきて...
...という話を、会話が少なめの「犯罪ルポ」のような文章で淡々と綴っていく。一応の主人公はいて、それが「フリーの雑誌記者」という立場と人脈を最大限に利用しつ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月03日
悲しく切ない話だった。世間が見ていない、見て見ぬふりをしている社会の底辺で生きる人々。そこから這い出そうとする主人公の末男。でも社会は甘くなく、自分と妹を守るためには手段は選ばない主人公だけど、骨太の作者の文章ですっかり感情移入してしまう。力作。以前読んだ“神の手”から格段に文章も分かりやすくなって...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月03日
2人の女性の射殺遺体が発見される。
フリーの事件記者である木部美智子は、以前から追っていた企業恐喝事件と関連するものがあるのでは…と感じて繋がりを突き詰めていく。
育児放棄のなか妹の面倒を見るために犯罪に手を染める吉沢末男と真逆の医者のドラ息子である大学生の長谷川翼。
この2人に共通すべきことは一...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月02日
みなさん仰る通り、帯に書いてあるような「大どんでん返し」は無いように感じられましたが、作品としては好きです!
普段からちょっとグロめだったり重めなものを読んでいるからか、そんなにイヤミスという感じもなく。
社会的テーマとミステリーが上手く組み合わさった作品で、個人的にはサクサク読めました!
社会...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月14日
大どんでん返しという紹介があったが、そういう訳ではない。
紹介の仕方に問題あり。
何となく予測はつくけど果たして正解はなんなのか。という疑問がどんどん溢れてくる。
それをひとつひとつ解いていく丁寧な作品。
言い回しがくどい部分もあるが、情景が想像出来てそれも良い。
お洒落な言い回しをしたいが為にや...続きを読む