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Posted by ブクログ
有吉佐和子さんの作品は、文字を追うだけで楽しいような硬質な美文で、本当にハズレがない。
今回も、題材の日本舞踊のことなんて全く知らないのに、ぐいぐい読まされてしまった。
それほど長い作品ではないのに、大河ドラマを観たかのような満足感。
あと、青春期までの瑞々しい繊細さを描ける作家は数あれど、酸いも甘いも経験して成熟した大人の女を、こんな見事に描ける作家はそうはいないと思う。
全員単純にいい人でも悪い人でもなく、年を経て変わっていく人格として描かれているのも、人間ってそうだよねと思わされて、凄くいい。
有吉佐和子さん、手当たり次第に読んでいこうかなあ。
続編も楽しみ。
Posted by ブクログ
秋子の母 寿々は日本舞踊梶川流の門弟で若い頃から名の通った踊り手だった。 自ら稽古場と内弟子をもつ彼女は娘である秋子を顧みることはなかった。
秋子が六つの時 寿々は還暦を過ぎた七世家元 梶川猿寿郎の子を産む。
家元が自ら千春と名付けた娘を踊り手として育てあげようと寿々は躍起になった。
必要なのは血筋なのか 天賦の才なのか精進なのか …
終盤 八世猿寿郎の「─踊りの間というのは魔物の魔だ。誰も逃げ出せない。みんな死ぬまで踊り続けるんだ。僕は魔物に首の根っこを押さえられている。だから家元の僕は、門弟の首の根っこを押さえていなきゃならないのさ。─考えてみると、日本舞踊は近頃の新興宗教と似たことを何百年の昔からやっているんだね。家元というのは教祖のことさ。だから面白いよ、やめられないんだよ」という言葉が印象に残った。
戦争を経て不本意ながら確固たる地位を得て 遅まきながら才能を開花させた秋子と 母の反対を押し切ってした結婚が破綻してアメリカから娘を連れて帰ってくる千春のその後は『乱舞』に続く。
Posted by ブクログ
以前に読んだ「乱舞(みだれまい)」以前のお話。ちなみに「れんぶ」ではなく「つれまい」と読む。
やっぱり有吉佐和子の描く女達には粟肌が立つ。いわゆる「女の争い」だとか「女は化物」とかそういう陳腐な概念から想像してもらっては困るのだが、とにかく彼女の描く女は美しく、また怖ろしい。
橋本治が、「昔の女にはすごい抑圧があって、それに耐えてて、時々ふうってなるから美しいんだよ〜ん」みたいなことを言ってたのを思い出した。懐古趣味に走って現代の女がどうこう言うつもりはないが、抑圧がないところに美しさがないというのは分からんでもない。
乱舞を読み返したくなったが、家に見当たらない。残念。
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