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Posted by ブクログ
口には出せないけれど、
うっすら自分の中にもあるのかもしれない。
差別は、「あの人よりもまし」と自己防衛のために思う心から生まれているのかもしれない。
日本の中では氏族、家柄、金持ち、貧乏、外国人、黒人、白人。
アメリカでは、黒人、白人。その中にもユダヤやプエルトリコ。アフリカに住む黒人、アメリカの都市部、田舎に住む黒人。
細かく意識しだしたらキリがない。
傍から見たら違いもよくわからない。
だけど、そんな些細なことと当事者以外は思うことでも、優越感に浸ることで自分の置かれた立場や環境が悪くないのかもと思おうとする気持ちは分からなくもない。
Page Turnersでお勧めされていて読んでみたけど、読んで本当に良かった。これが五十年以上前に書かれているなんて。凄すぎる洞察力と執筆力。同じ作家さんの他の本も読んでみたくなった。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ良かった。今年度暫定トップだ。
『Page Turners』で竹下隆一郎さんがお勧めしていたこの作品を手に取って、本当に恵まれていた。
物凄い事実を学び、落とし込み、痛い思いをするが、本の世界線上で抉られていて良かった。
この物語を読まなければきっと、現実世界で痛い思いをしてもっと酷い経験になったかもしれないから。
色の違いじゃなく、階級闘争だということ。
笑子が最終的に、自分を「日本人」ではなく「ニグロ」だと真に受け止めたことにより、現実世界の見方を180度変えるシーンは圧巻だ。
「差別とは何か?」という問いを、日本人目線から、アメリカ白人目線から、白人の中でもイタリア人目線から、黒人目線から、黒人目線の中でもプエルトリコ人目線から…様々な角度から模索していくストーリー展開が、半端じゃなく壮絶な読書体験となる。
世界史を学ぶより、もっと大切なことがここに記されていると思う。
シンプルに、単一民族である日本人が書いたとは思えないほどの解像度である…
Posted by ブクログ
差別や偏見、自分とちがうものと区別したり見下したりすること。余裕がなくて生きるだけで精一杯のとき、人間を支えるもののひとつになり得てしまう。
後半、高学歴、高収入、高階層の日本人とユダヤ人夫婦が登場し、特に奥さんの日本人が、国連職員という色々な人種の人々と仕事したりしている人なのにやっぱり差別的なことを言ってるのを考えると、余裕のありなしも関係なく、だれもが、差別や偏見からは逃れられない。
しかも自分のその考えは差別的なものということに気づいてない。主人公の笑子は差別的な言葉を言われたり、自分が言った時にそれってなんでなのか、どういうことなのか考えている。
差別や偏見から逃れるには、自分が言ったり聞いたりしたことを省みることなのかな。
Posted by ブクログ
こころ揺さぶられた。
主人公の笑子にとても好感もてた。差別主義者ではないけど、自分の中にある優越意識、劣等感を認識して、問いかけている。その姿が自分自身と重なった。
私も人はみな平等と頭では思っているが、実際笑子の様に、差別し自分の方が優位であることに安心を感じている自分がいる。
人間である以上、この感情を全て取り去ることは難しいのかなと実感した。
この本を進めてくれた母は、人間の業だと。かなしいけど腑に落ちる。
つい感情的になって、そういう思考に囚われてしまう時はずっとあると思うけど、笑子のように、その時はなぜそう感じるのか、思うのか、を無視せずに問いかけていきたい。例え答えが出なくても。
他の有吉佐和子さんの作品も読んでみよう。
Posted by ブクログ
人間ってこんなにも差別と序列をつけたがる生き物なんだろうか。国籍、人種、使う人と使われる人、誇り、負い目…などなど、いろいろなことが人と人の関係に序列をつける。
自己認識とは?未来に向けて、主人公の目が急に開かれたような結末は爽快感があり、でもその先にまた、今現在のアメリカがあり、ヨーロッパも日本もあると思うと、人間は少しも進歩していない。
戦後間もない時期の日米の間が舞台と思えないほど、現代的で進歩的なストーリーだった。
気丈で、変わらない笑子に対して、帰国後トムの目の輝きがみるみる失われてしまったことの意味を考えると、希望を持てる社会に暮らすことの意味の大きさに気付かされる。一部のセレブだけでなく、誰もがそれなりの希望を持てる社会を。どの国でも私たちは創っていかなければならないのでは。
初有吉佐和子作品。他の作品も全部読みたくなった。
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