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【語注付】時は平安時代。高名だが傲慢な絵師の良秀は、貴族の大殿様に頼まれた地獄の絵が描けずに苦しんでいた。凄烈な劫火に灼かれ、悶え苦しむ美しい女――。それを自分の眼で実際に見たいと良秀は望む。そこで大殿様は、残酷な方法を思いつき……。芸術のために全てを犠牲にするエゴイズムを凄絶に描いた表題作のほか、「羅生門」、「蜘蛛の糸」、「鼻」、「藪の中」など著者の代表作を収録。
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Posted by ブクログ
地獄変 1.大川の水 彼にとっての愛すべき東京 隅田川の話で良いか?隅田川→東京→生活 哀愁 2.羅生門 高校生ぶりに。意外ととてもシンプルな話だった、当時は老婆の衝撃やばかった気がするけど、下人も大概やべーなwてか狂ってんの人じゃなくて世、世が人を狂わせた説、不可抗力 3.鼻 有名、初めて...続きを読む読んだ。 人は人の不幸を同情する割に、その不幸をどうにか立て直した人を見ると逆に面白くなく思う、みたいなところの段落、読んでて気持ちよかった。この人結構叙情的?暗めの情だけど。 4.芋粥 人生のテーマはなんだっていい、それを笑うやつには笑わせとけば良い でももしかしたらその人生のテーマは、別の人の世界線ではとても簡単に手に入るモノで、施しの対象に勝手に恩を感じたりしつつも、突きつけられる現実(狐にあげるレベルの物を人生のテーマにしてしまった的な) 5.地獄変 良秀とち狂ってるけどまだ首尾一貫で理解できる 大殿普通に何様すぎる、それが世間で人格者とか擁護されてるの違和感 なんの資格があって他人に教訓を与えるためにそういう事できるのか謎 てめーが一番とち狂ってるすぎ 6.蜘蛛の糸 芥川、結構シャバの人間の醜さメインで書いた後に、もう一個カースト上の人間の軽い感想で締めがちじゃねと思った 7.奉教人 古文多めで読みづらすぎたけど、なんか後半泣きそうになった 人がこの世で後世に継がれる事なんてたった一つでいいんだなと、私はなんなんだろう でもやっぱ後世どうかも確かに良いに越したことないけど、普通に人生楽しみたくね 結構くらったこれ、畳み掛け、何段階でくんねんって感じだった 8.蜜柑 夕刊、娘、曇天、電車からこの世の縮図に繋がる文章かなり良かった 9.舞踏会 彼女がlotiを知らなくて良かった 10.秋 意味不明なくらい食らった 心理描写が深すぎて、文章が美しすぎる ここまで哀しさややるせなさをこんなに短い文章で作り上げられるのすごすぎる 泣きそうになった。うまく文字にできない。電車来たけど一本見送った。 11.藪の中 黒澤明で一度食らったため流し見割愛 12.トロッコ やっぱすごい個人的体験からの最後メタで収束してね 最後の書評もどき難しい単語並べすぎ
鼻!やっと読めた 芥川龍之介の〜出世作は〜鼻ぁ〜♪ 内供かわゆす 今昔物語集か何かで読んで大好きになって、芥川の作品でも読めてさらに大好きに 小僧が小憎らしくていい笑 蜜柑と秋もすき 地獄変はおそろしかった トロッコは懐かしい
中村文則著 「去年の冬、君と別れ」の中にこの本のことが出てきたので、オーディブルで聞きました。 私の読んだ芥川作品の中で上位にランクイン。(そんなに読んでないけど)やっぱすごい。 本物を見ないと描けない天才絵師が自分の娘を燃やしちゃうというグロテスクなサイコホラーなお話だけど、芥川龍之介が天才なので...続きを読むグロい気持ちにはならない。そして猿が悲しい。
何十年ぶりに芥川を手に取ってみた。 まずは、芥川龍之介の写真。ここまで印象にのこる作家も珍しいが、それほど、心に残る何かがあるのだともおもう。 羅生門の人の中にある曖昧な善悪の境界、生と死の混在する現実は、妙な納得を強制的にさせられる感じ。 鼻と芋粥も、望んだものが手に入ることが、自分自身の中の何か...続きを読むを失くすことでもあるという矛盾の可能性を見せてくれる。 地獄変は、純粋さと、美しさと、悪意とが、人間臭さのなかに見出される。クライマックスが派手であるが故に、心に残る。 奉教人の死もまた、人の感情や世俗のなかに埋もれる純粋さと、集団の犠牲にはその集団が意味づけしていく不条理さに気付かされる。 舞踏会や秋は、羅生門や地獄変の後に配されると、より際立った、少女達の心の機微が読み取れる心に響く物語となっている。 そして、藪の中。すべての語り主が、嘘であり真実であることを、それぞれの認知と都合でかたるのは、これもまた、人間の姿そのものであり、芥川の人間心理の真に迫る表現なのだと思う。 ともあれ、いずれも、面白い。ただ、ただ、惹かれてしまう。引き込まれてしまう。
恥ずかしながら、国語の授業以来の芥川だった。 当時は感じ得なかったが、こんなに緻密で多彩で表現力豊かだったんだと思わされた。 地獄変は解釈の仕方がさまざま。語られてない余白がある。余白があるからこそ、時代を超えて読み継がれていく物語になるんだろうな。
これは…何度も読んでるんだけど(なんてったって、小学生の時に買ったものだし)、授業で紹介するために、「藪の中」の正確な内容を復習しようと思って。 なんで文学じゃなく、社会学の授業でそれを紹介するかっていうと、質的調査の分野では、「藪の中」は「Rashomon」という名前で世界的に有名な手法となって...続きを読むいるからです (黒澤明が映画「羅生門」で、芥川の「羅生門」と「藪の中」を混ぜちゃったから、海外では、「藪の中」は「羅生門」の一部だと思われているらしい)。 で、「Rashomon」あるいは「羅生門的手法」とは、あるひとつの出来事に対して、複数の語り手からインタビューを得る、という方法、、、なんで、「藪の中」そのものなんですが。 授業の話はまぁいいとして…。 毎回、この話を読むときに思うのは、芥川はこれを書くとき、何を思っていたんだろう、ってこと。 ある出来事が、それぞれの当事者によってまったく別様に語られること、それ自体のおもしろさ、っていうのは確かにある。 けど、ホントにそれだけなのか。。。 …いや、わかないけど。 何があればあんな奇想天外な話を思いつくのか… 何が芥川にああした話を書かせたのか… それが一番気になるんです。 むしろ芥川にインタビュー調査をしたいと思うくらいにはw
私が買ったのは、小畑健の表紙だったのですが。同じ「地獄変」でも随分と雰囲気の違うイラストでした。 久々の文学ものでしたが、やっぱり流石、の一言に尽きると思います。12編の小品が納められていますが、中でも特に心に残ったものたちの感想をば。 「芋粥」読んでいて、悲しくなりました。涙が出るほど、という意味...続きを読むではなくて、ただただ「哀れ」とはこういうことなのか、と。 「地獄変」お殿様の口の端からこぼれていた涎が、ぱっと見えるほどに、業火と呼ぶにふさわしい火の熱さを感じるほどに、生々しいお話でした。終わり方も素晴らしい。 「蜜柑」ここまでの短編で、これほどまでに鮮やかに日常の一瞬を切り取って、なおかつ普遍的なものと絡めながらも不安定な色を残してのけるのは、やっぱり芥川龍之介が文豪だからなのでしょう。ははーと頭を垂れたくなるくらいに、立派な作品だと思います。 「秋」信子の感じた「残酷な喜び」がすべてを物語っていると思います。多くは語らず、でも目を背けたくなるようなことから目を背けず、善と悪のどちらかに傾きたくても傾けない人間の業のようなものを感じました。 「舞踏会」「われわれの生(ヴィ)のような花火のことを」こんなにも悲しくも美しい、儚くもしぶとい言葉に、長い間触れていなかった気がします。 純文学は、たまに触れると精神をゆさぶられて、とても気持ちが良いです。現代作家の中では、数十年後、数世紀後、誰が「純文学」のカテゴリーに名を連ねるのだろうと思ったりもしました。
『近代知識人の苦悩』を主題としてとりあげ、多くの短編小説を残した芥川龍之介の短編集です。 深く没頭して読みたいときにおススメ。いろいろと考えさせられるお話が多く、私自身も「羅生門」は自分のエゴイズムについて深く考えさせられました。自分が人のためにやっていることや我慢していることは実は自分を正当化させ...続きを読むたいがためにやっているのではないか……けれど人間、多少のエゴも必要なのかもしれません。 集英社から出ている短編集の表紙はリメイクされて現在は「BLECH」でおなじみ久保帯人先生が表紙を手掛けています。表紙もかっこいい!
芥川久々に読み返したのですがとっても面白かった!読みやすいのにビリッと繊細で…蜜柑やトロッコがすごく好きです。
読書感想文に、パッと読めて面白い本を僕に薦めて欲しいと息子に言われて手渡したこの本。 どれ私も久々に読むか、と読み出せば止まらない。 100年以上前に書かれたはずなのに読みやすい。 「蜘蛛の糸」:独善的な振る舞いをする人の成れの果てをみた。 「羅生門」:生か、死かの極限の2択を迫られたときの人間...続きを読むが描かれる。そういった極限においては善悪の定義など無意味に等しいのかも。平和を享受してきた私たちには想像し難いものがある。高校の時、何を思いながら読んだんやろ。 「鼻」:自分より常に不幸でいて欲しい存在として、内供は周囲から認識されていたという残酷な真実。人の悪意というか無意識に見下す気持ち、それに翻弄される内供。今も昔も人の本質は変わっていない。後味が悪かった。 「地獄変」:まさに地獄絵図。大殿様と良秀、2人の男のエゴイズムに命を弄ばれた娘が不憫でならなくなった。せめて天国に召してやってくれ。 それにしても娘を丸焼きにされた衝撃や憎しみよりも、それを目に焼き付けてきっちり描きたい欲が勝ってしまうだなんて。何かを究めることは何かを犠牲にしなければ成し得ないのか? きっとラストに良秀が自殺したのも、娘を喪ったからではなく「もう地獄変を超える作品を描けない」からに違いない。 「藪の中」:コナンくんに言わせれば、真実はいつも一つなはずなのに、当事者それぞれに語る内容が違う不思議。見る人によって真実や物事は変わるということ?あるいは自分に都合よく解釈してしまう無意識のフィルターみたいなものが誰しもあるよ、っていう教え? 真相は藪の中、という言葉はこの作品由来の言葉と知った。 「秋」:切な。 これを機に芥川先生の作品をもっと読みたくなった。し、どのような生涯であったかが気になって調べたら、先生の恋文に辿り着いた。 とても素敵な文章を書く方でした。
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