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Posted by ブクログ
THE青春小説。
個人的に青春小説が好きだからなのか、
最後は電車の中で泣くのをメチャクチャ我慢しながら読んだ。
チアのことを全く知らなかったけれど、演技の様子を何となく想像しながら読み進めることができた。
全員が同じ価値観、モチベーションではなく、一人一人違った感情や葛藤がしっかり描かれているのが良かった。
学生時代って、自分が世界の中心で、自分が一番悩んでいるように思ってしまう。
でも、周りにいる一人一人にも、それぞれの人生やドラマがあるんだよな…
当時一緒にいた友達やクラスメイトにも、それぞれ自分には見えていなかった悩みや事情があったんだろうな…
とかそんなことを読みながら考えてしまった
Posted by ブクログ
晴希、一馬と少々アクの強い愉快な仲間達で送る男子チアの青春群像劇。代表作『何者』や『イン•ザ•メガチャーチ』とは打て変わって、自分たちの演技を誰かに見て貰いたいや出来なかったことが出来るようになりたいという登場人物たちの正の感情をエネルギーに前へ進んでいく物語です。仲間内で懇意にしている定食屋があったり、メンバーそれぞれが活動に求める意義やレベルに食い違いがあったりなど大学の部活動あるあるも随所で描かれており、朝井リョウならではの学生生活に対する解像度の高さは本作でも健在でした。個人的には無尽蔵の箴言で場をいなしつつも、たまには本当に良いことを言う溝口のキャラクターが好きすぎます。
運動経験やモチベーションもバラバラ、当初は勢いと寄せ集めで始まったBREAKERSでしたが、練習や最後の儀式を通じて互いの過去や背負う想いが解き放たれ、終には全国大会という一つの舞台で結実するという締め方はスポーツもの、群像劇両面で王道と言え、爽やかな読後感が味わえます。
Posted by ブクログ
朝井作品は、だいぶ前に『桐島、部活やめるってよ』を読んだきり。
私にとっての二作目は、朝井さんにとっても、第二作だったとのこと。
本作は2010年に刊行されている。
もう十五年以上前だ。
物語が転がり始めると、語り口も軽やかで、登場人物たちがべらべらしゃべりはじめ、スピード感のある展開になる。
が、この小説、はっとする描写が多い。
一馬のやさしくなった声を聴いた晴希が「心の近くをひっかかれたような気がした」と感じる描写。
水や光の描写が美しい。
夜の屋上でペットボトルの水を投げて渡すシーンの「水が夜の光を受けて自由に波打つ」。
こうしたものがなければ、ただのウォーターボーイズの二番煎じになりかねない。
描写力のたしかさといえば、チアの演技の部分もすばらしい。
どういう動きなのかがよく分かる。
そして、その技をする上で演技者がどんなことを考えているのか、どんな身体感覚を伴うものなのかも伝わってくる。
文庫は最初の「チア辞典」で、それぞれのわざの図解があるのも、チアにまったく知識がない自分のような読者にはありがたい。
チアが「人を応援することで、周囲から応援される」スポーツであり、競う相手でさえ「敵」ではない、というあたりは、より今好まれる考え方なのかもと思う。
欠落を抱えた主人公が、仲間を募ってチームを作り、成長していくというストーリー自体は、青春物の黄金パターン。
映画でも、漫画でも至る所に見られる。
最後は、全国大会で演技をしながら、それぞれの人物がこれまでを振り返っていくという語り方になっていくが、なんとなくそれは漫画や映画っぽい手法だな、と思った。
楽しく一気読みできる作品。
とはいえ、登場人物の多さは、やや負荷が大きかった。チームが16人だというのはこの種目に規定される要素だと思うが、16人の人物を頭に入れて読むのは大変かもしれない。
オリジナルメンバーの溝口、トン、イチロー、弦、翔あたりまでは自分もヨユーであった。
サク、タケル、陳、金、尚史はどんな人物かだいたいイメージできる範囲にいるが、銀、銅となると、かなり怪しい。
それぞれ個性的に描き分けているんだけどね。
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