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シャギー・ベイン
デビュー作にして、英国最高の文学賞ブッカー賞を受賞。英語圏で100万部突破の話題作。 1980年代、英国グラスゴー。“男らしさ"を求める時代に馴染めない少年シャギーにとって、自分を認めてくれる母アグネスの存在は彼の全てだった。アグネスは、エリザベス・テイラー似の美女。誇り高く、いつも周囲を魅了していた。貧しさが国全体を覆っていくなか、彼女は家族をまとめようと必死だった。しかし、浮気性の夫がアグネスを捨ててから、彼女は酒に溺れていき、唯一の収入である給付金さえも酒代に費やしてしまう。共に住む姉兄は、母を見限って家を離れていくが、まだ幼いシャギーはひとり必死にアグネスに寄り添い──。 けっして生きる誇りを忘れなかった母子の絆を描く、 デビュー作にして、英米の文学界を席巻したブッカー賞受賞作。 -
捜索者
アイルランドの村に移住してきた元警官は消えた青年を捜すが――緻密な描写で年間ベストミステリに多数入選した重厚なる犯罪小説 -
眠れないほどおもしろい源氏物語
マンガと人物ダイジェストで読む、日本一わかりやすい『源氏物語』の本! 千年の時を超えた、究極の“王朝・ラブストーリー”!日本が世界に誇る『源氏物語』は、平安時代の天才・紫式部による54帖もの長編大作。そこで本書では、『源氏物語』のストーリーを、それぞれの魅力にあふれた“登場人物ごと”に紹介。*“永遠の恋人”を生涯追い求めた「光源氏」*きゃしゃで可憐な一夏の恋人「夕顔」*少女の頃から光源氏に愛された「紫の上」*不器量だけど一途な姫君「末摘花」*低い身分ながら誰より気品ある「明石の君」――きっとあなたも、千年の時を超えて共感する姫君や貴公子と出会えるはずです。また、『源氏物語』のハイライトシーンはマンガ化して収録!印象的なシーンが、ますます頭に残ります。 -
おしゃべりな部屋
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 近藤麻理恵が片づけてきた1000以上の部屋にまつわる実話を基に、 川村元気が紡ぐ7つの部屋の物語。 気鋭の絵本作家・大桃洋祐のカラーイラストを40点以上収載。 読売新聞連載時から話題沸騰の小説がついに単行本化! わたし、橙木ミコには、誰にも言えない秘密がある。 部屋にある、モノの声が聞こえてしまうのだ。服や靴、本や家具がみな、話しかけてくる。 わたしは、依頼された家の“片づけ”を手伝う仕事をしている。 今、わたしの隣にいる片づけの相棒はボクス。おしゃべりな小箱だ。 どうして、片づけが仕事になったのか? どうやって、モノの声が聞こえるのか? そもそも小箱が相棒って、どういうこと? きっとあなたは不思議に思うだろう。けれども、これはどれも本当の話。 わたしが片づけてきた部屋は、千を超えた。 服を手放せない主婦、本を捨てられない新聞記者、なんでも溜め込んでしまう夫婦、好きなものが見つけられない少女、死の間際に片づけを決意する老婦人……。 部屋の数だけ、そこに暮らす人と、おしゃべりなモノたちとの思い出がある。 今からすこしだけ、その話を聞いてもらえたらと思う。 これはわたしが実際に体験した、すこし不思議な七つの部屋にまつわる物語だ。 -
いえ
『ひと』まち』に続く新たな感動作、誕生! 妹が、怪我を負った。 案外面倒な兄なんだな、おれはーー。 家族と、友と、やりきれない想いの行き先を探す物語。 友がいて職場があって、 ひとが築く、まち。 その中に暮らす我が家。 近くて遠い、家族。 社会人三年目の三上傑には、大学生の妹、若緒がいた。 仲は特に良くも悪くもなく、普通。しかし最近、傑は妹のことばかり気にかけている。 傑の友だちであり若緒の恋人でもある城山大河が、ドライブデート中に事故を起こしたのだ。後遺症で、若緒は左足を引きずるようになってしまった。 以来、家族ぐるみの付き合いだった大河を巡って、三上家はどこかぎくしゃくしている。 教員の父は大河に一定の理解を示すが、納得いかない母は突っかかり、喧嘩が絶えない。 ハンデを追いながら、若緒は就活に苦戦中。家族に、友に、どう接すればいいのか。 思い悩む傑は……。 -
甘夏とオリオン
※本書は、角川書店単行本『甘夏とオリオン』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。 人はいつだって、誰かを待っているんやね。 大阪の下町、玉出の銭湯に居候する駆け出しの落語家・甘夏。彼女の師匠はある日、一切の連絡を絶って失踪した。師匠不在の中、一門を守り、師匠を待つことを決めた甘夏と二人の兄弟子。一門のゴシップを楽しむ野次馬、女性落語家への偏見――。苦境を打開するため、甘夏は自身が住んでいる銭湯で、深夜に「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」を行うことを思いつく。寄席にはそれぞれに事情を抱える人々が集まってきて――。 -
怪談を書く怪談
海が怖い。海は死に近いからーー。山では、「この先に行ったら、私は死ぬ」というような直感で足がすくんだこともある。海は、実際恐ろしい目にあったことがないのだけれど、怖い。ある日、友人が海に纏わる怖い話を始めた。話を聞いているうちに、生臭い匂いが立ちこめ……。(「船玉さま」より) 海沿いの温泉ホテル、聖者が魔に取り込まれる様、漁師の習わしの理由、そして生霊……視える&祓える著者でも逃げ切れなかった恐怖が満載。 「”これ本当に実体験! ?”と驚くことばかり。ぞくぞくします。」 高松亮二さんも絶賛の声! (書泉グランデ) 文庫化にあたり、メディアファクトリーから刊行された『怪談を書く怪談』を『船玉さま 怪談を書く怪談』に改題し、書下ろし「魄」を収録。解説:朝宮運河 -
ヒノマル
昭和18年、戦時下の日本。国家のために死ぬことを夢見る軍国少年・勇二が出会ったのは、歴史学者の娘・涼子。 日本が戦争に負けると言い放ち、自由奔放に振る舞う不謹慎な彼女が、大学生の兄の恋人だと知ったのは、学徒出陣が近付く頃だった…。 「どうして俺が生き残っちゃったんだろうな」 「生き残ることは罪じゃないでしょう」 自由が統制され、夢を見ることさえ叶わない社会で、少年少女はどこへたどりつくのか。 秘密の図書館、真夜中の帝都、出征の朝、西へ向かう夜汽車、真っ白な日の丸。 『平成くん、さようなら』の著者による書き下ろし青春小説!! -
旅書簡集 ゆきあってしあさって
「さっきまでいた国の事を書きます。国の中の小さな特別区である町のような自治区には、いわゆる“お金”がありません。貨幣の代わりに“踊り”を踊ります。」「メモを取っている最中に、ボールペンのインクが切れました。カウンターに売り物のボールペンがあったので、ひとつくださいと小銭を渡すと、『この町では文字は残らないよ』と言って手渡されました。」「窓の外に目をやると、周囲の海面にたくさんの黒っぽい動物が集まってきているのが見えました。ラッコです。そのうちの一匹が、手にもった石を飛行機の翼のうえに置きました。『彼らなりの手向けなのよ。この機の運命をさとってるのね』」三人の作家が架空の土地を旅してまわり、手紙や写真、スケッチを送りあう、幻想旅情リレー書簡集。/【目次】一通目の手紙 暗くて暑い国 高山羽根子/二通目の手紙 泥の町 酉島伝法/三通目の手紙 飛行機の街 倉田タカシ/四通目の手紙 城塞都市 高山羽根子/五通目の手紙 未だ泥の町 酉島伝法/六通目の手紙 ほふりの村 倉田タカシ/七通目の手紙 ショッピングモール 高山羽根子/八通目の手紙 墜落の町 酉島伝法/九通目の手紙 着水した飛行機 倉田タカシ/十通目の手紙 島々の話 高山羽根子/十一通目の手紙 高山地帯の村 酉島伝法/十二通目の手紙 川が分かつ街 倉田タカシ/十三通目の手紙 戦争の島 高山羽根子/十四通目の手紙 サンクトペテルブルク−ペトログラード横断鉄道 酉島伝法/十五通目の手紙 基地の中 高山羽根子/十六通目の手紙 暗闇の村 倉田タカシ/十七通目の絵葉書 神の仮面の町 酉島伝法/十八通目の手紙 ッポンの町 酉島伝法/十九通目の手紙 雨とカーフューの国 倉田タカシ/二十通目の手紙 書類申請を待つ間 高山羽根子/二十一通目の手紙 変な通貨の国 高山羽根子/二十二通目の絵葉書 鳥の村 酉島伝法/二十三通目の絵葉書 「出る」ホテル 倉田タカシ/二十四通目のスケッチの紙片 街角の顔出し 高山羽根子/最後の手紙 まちあわせ 倉田タカシ/最後の手紙 まちあわせ 酉島伝法/最後の手紙 まちあわせ 高山羽根子/巻末エッセイ 二〇一三年のゴー・ウエスト 宮内悠介 -
タイム・スリップ芥川賞
小説を読まずにわかる日本文学入門。 芥川賞は、「戦後日本人の歴史」そのものだった。 前代未聞の「文学エンターテインメント」!! たとえばマーケティングや経営戦略の入門書に、「とにかく原典を読んでください」というものは少ないでしょう。しかし、「文学の入門書」だけは「とにかく読みましょう」というものが多い。そりゃそうです。文学は、読まないとわからない。体験しないとわからない。でも、それが文学好きと文学嫌いとの断絶を助長している側面があるのではないでしょうか。 本書は、1冊も小説を読んだことのない少年が、文学好きな科学者と一緒にタイム・マシンに乗って、歴代芥川賞受賞作家に会いに行く設定のストーリー形式で進みます。 主人公は、作品が生まれる瞬間や作者のその後に「実際に立ち会い」、文学への理解を深めていきます。そして、芥川賞とその時代背景にある日本の高度経済成長、民主主義、政治の変遷、都市と辺境、日米関係、ポップカルチャーやインターネットの台頭などを同時に振り返ります。 文学の意義やおもしろさ、日本の戦後史と芥川賞の関係、そして「人間と文学」の関係まで明らかにする「教養としてのエンタメ文学」です。 -
犯人は僕だけが知っている
過疎化する町にある高校の教室で、一人の生徒が消えた。最初は家出と思われたが、失踪者は次々に増え、学校は騒然とする。だけど――僕だけは知っている。姿を消した三人が生きていることを。 それぞれの事情から逃げてきた三人は、僕の部屋でつかの間の休息を得て、日常に戻るはずだった。だが、「四人目」の失踪者が死体で発見されたことで、事態は急変する――僕らは誰かに狙われているのか? 壊れかけた世界で始まる犯人探し。大きなうねりが、後戻りできない僕らをのみこんでゆく。 発売直後から反響を呼び大重版が続き15万部を突破した『15歳のテロリスト』の松村涼哉がおくる、慟哭の衝撃ミステリー最新作! -
忌木のマジナイ 作家・那々木悠志郎、最初の事件
ホラー作家、那々木悠志郎の担当編集となった久瀬古都美は、彼が初めて体験したという怪異譚を題材にした未発表原稿を読むことに。 そこに書かれていたのは、心霊現象に懐疑的な小学6年生、篠宮悟が、流行りの噂話で語られる『崩れ顔の女』を呼び出してしまうという物語だった。 その顔を見てしまった者は視力を奪われ、精神的に追い詰められた末に自殺してしまうという怪異。その真相を調べにやってきた那々木悠志郎の助けを借りて、悟は調査を進めていく。 一方で、原稿を読み進める古都美のもとにも『崩れ顔の女』が現れる。怪異の目的は何なのか、原稿に登場する怪異が自分のもとにやってくるのは何故なのか。 答えは那々木悠志郎の原稿の中にーー。 彼の物語はここから始まった。 異端のホラー作家、那々木悠志郎の原点が描かれる。シリーズ第三弾! -
凍てついた痣
大学で発生した不審な飛び降り自殺。 直後、第一発見者の女子学生も自殺を図り―― 検死官サラ、最大の窮地。奇妙な連続死事件に挑む! 〈グラント郡〉シリーズ最新刊。大学の敷地内で男子学生の遺体が発見された。 遺書を残し飛び降り自殺を図ったかに見えたが、現場に臨場した検死官サラは妙な違和感を覚える。 自殺と他殺、両方の線で調べが進むなか、第一発見者の女子学生が拳銃自殺し、事件は思わぬ様相を呈し始める。 被害者二人に繋がりはなく動機も不明。 捜査は難航を極めるが、男子学生の部屋からサラもよく知る元警察官の指紋が検出され――。 ■カリン・スローターの好評発売中既刊 〈グラント郡〉シリーズ 『開かれた瞳孔』 『ざわめく傷痕』 『凍てついた痣』 〈ウィル・トレント〉シリーズ 『ハンティング 上・下』 『サイレント 上・下』 『血のペナルティ』 『罪人のカルマ』 『ブラック&ホワイト』 『贖いのリミット』 『破滅のループ』 『スクリーム』 一話完結作品 『グッド・ドーター 上・下』 『彼女のかけら 上・下』 『プリティ・ガールズ 上・下』 電子書籍限定短編 リー・チャイルド、カリン・スローター共著『ザ・ゴールド』 -
華に影 令嬢は帝都に謎を追う
明治三十九年、帝都東京。千武男爵家の令嬢・斗輝子は、書生の影森怜司を供に、政府重鎮の黒塚伯爵家で行われた夜会に当主である祖父の名代として出席した。しかし夜会の最中に黒塚伯爵が何者かに毒殺されてしまう。不当な疑いをかけられた千武家の名誉のため、斗輝子と怜司は事件の真相を調べ始める。だが、その裏には身分に縛られ、ままならぬ生き方を余儀なくされる人々の大きな秘密があった。すべての真実を知ったとき、斗輝子は――。勝ち気な華族令嬢と怜悧な書生、対照的な二人による明治謎解き譚。 ※本書は2014年、幻冬舎文庫より刊行された『帝都東京華族少女』を改題し、大幅に加筆修正したものです。 -
トギオ
第8回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。選考委員を驚愕させた衝撃の問題作! 「ブレードランナー」の独創的近未来、「AKIRA」の疾走感、「時計じかけのオレンジ」の暴力。21世紀不良少年はもうひとつのTOKIOを漂流する。 捨て子の「白」を拾ったがために、大きく狂いはじめる主人公の人生。家族は村八分に遭い、主人公はクラスメイトから生々しく執拗ないじめを受ける。村を出た主人公は港町に流れ、やがて大都会・東暁(とうぎょう)を目指すことに。生き抜くために悪事に手を染め、殺伐とした東暁で地べたを這いつくばって生きる主人公が唯一気にかけていたのは、村に置いてきた白のことだった――。 -
女性失格
寂しさを消すことができるなら、私は死んでもいい―― 女が女になり、女でしかなくなる瞬間を描く問題作! わたしの心が「寂しいの、なんとかして」と色目ならぬ物欲しげな瞳を駆使して、受動的に、男を付け狙っているわけです。(中略) 男に付け込まれるように、狙われるように、心がそういう風に巧みに振る舞っているわけです。 これがわたしの本性であるところの「受け身のストーカー」です。(本文より) これは、性にまつわるあらゆる体験を味わい尽くす「女」の物語。 女という性をやめられず、女という性から逃れられない「生」の先には何が見えるのか? 太宰治の『人間失格』を下敷きに、「女性が女性であることで覗きこむ深淵」を照らし出す意欲作! -
はつ恋
南房総の海沿いの町で、古い日本家屋に愛猫と暮らす小説家のハナ。二度の離婚をへて、人生の後半をひとりで生きようとしたときに巡り合ったのは、幼少期を姉弟のように過ごした幼馴染のトキヲだった――。四季のうつくしい巡りのなかで、喪失も挫折も味わったふたりは心も体も寄せ合いながら、かけがえのない時を積み重ねていく。あたたかな祝福に満ちた、大人のための傑作恋愛小説。 -
わざわざゾンビを殺す人間なんていない。
死ねば誰もが活性化死体(ゾンビ)化する世界 密室の中で突然ゾンビ化した研究者 その真相は── 地球上の全ての生物がウイルスに感染し、誰もがいずれ活性化遺体(ゾンビ)になる世界。ゾンビは家畜ゾンビとして施設で管理されるか、野良ゾンビとして徘徊する──そんな中、ある細胞活性化研究者が密室の中でゾンビ化してしまう。彼はいつ死んだのか、どのようにゾンビになったのか、取り調べが行われる現場に探偵・八つ頭瑠璃が現れ、謎に迫っていく── 我孫子武丸・解説/遠田志帆・装画 -
夢を売る男
『永遠の0(ゼロ)』の百田尚樹、大暴走!! 書き下ろしは、出版界を舞台にした掟破りのブラック・コメディ! ◆あらすじ◆ 敏腕編集者・牛河原勘治の働く丸栄社には、本の出版を夢見る人間が集まってくる。 自らの輝かしい人生の記録を残したい団塊世代の男、スティーブ・ジョブズのような大物になりたいフリーター、ベストセラー作家になってママ友たちを見返してやりたい主婦……。 牛河原が彼らに持ちかけるジョイント・プレス方式とは――。 現代人のふくれあがった自意識といびつな欲望を鋭く切り取った問題作。 「知っているか? 現代では、夢を見るには金がいるんだ」 -
アイの歌声を聴かせて
ポンコツAI、約束のうたを届けます。 大反響『イヴの時間』『サカサマのパテナ』の吉浦康裕監督 × 映画化決定『僕が愛したすべての君へ』『君が愛したひとりの僕へ』の乙野四方字 人気クリエイターのタッグでおくる、青春SFアニメーション公式ノベライズ! ☆☆☆ サトミが通う高校に転入してきた、変わった少女・シオン。 彼女が母によって製作されたAIだと知ったサトミは、それを知られまいと大奮闘。 幼馴染みのトウマをはじめとする仲間とともに、 いつしかシオンのひたむきな姿と歌声に心を動かされていく――。 『イヴの時間』『サカサマのパテマ』監督・吉浦康裕の世界を、 乙野四方字が色鮮やかに描き出す、歌って踊れるSF青春小説! -
喋々喃々
「喋々喃々」=男女が楽しげに小声で語り合うさま。東京・谷中の小さなアンティークきもの店を営む栞。ある日店に父親に似た声をした男性客が訪れる――少しずつふくらむ恋心や家族との葛藤が、季節の移ろいやおいしいものの描写を交え丁寧に描かれる。 -
不吉なことは何も
ふたりの探偵の目前にいて、しかも彼らの目に留まらなかった姿なき殺人者とは? 首輪に「われこそは殺されし男の犬なり」というメモが挟まれていた、毛むくじゃらの犬の秘密とは? 身代金誘拐事件に巻き込まれた保険外交員の運命は? 札束をたっぷり蓄えた老人の家に猛犬がいるのを知った悪党の計画とは? 奇抜な発想と意外な結末が光る短編10作と、殺人で終身刑になった男の無実を証明すべく奮闘する刑事を描いた名作中編「踊るサンドイッチ」を収録。『真っ白な嘘』に続く短編ミステリの魅力あふれる傑作集。『復讐の女神』改題新訳版。/【収録作】毛むくじゃらの犬/生命保険と火災保険/ティーカップ騒動/よい勲爵士(グッド・ナイト)によい夜(グッド・ナイト)を/猛犬に注意/さまよえる少年/姿なき殺人者/サタン一・五世/象と道化師/不吉なことは何も/踊るサンドイッチ/解説=村上貴史 -
探偵は教室にいない
わたし、海砂真史(うみすなまふみ)には、ちょっと変わった幼馴染みがいる。幼稚園の頃から妙に大人びていて頭の切れる子供だった彼とは、別々の小学校に入って以来、長いこと会っていなかった。変わった子だと思っていたけど、中学生になってからは、どういう理由からか学校にもあまり行っていないらしい。しかし、ある日わたしの許に届いた差出人不明のラブレターをめぐって、わたしと彼――鳥飼歩(とりかいあゆむ)は、九年ぶりに再会を果たす。日々のなかで出会うささやかな謎を通して、少年少女たちが新たな扉を開く瞬間を切り取った、4つの物語。第28回鮎川哲也賞受賞作。 -
EV
深刻な地球温暖化の前に、欧米では遅くとも2035年までにエンジン車の新車販売が規制される。つまり新車販売は電気のみで動く車に限られるのだ。加えて中国が2030年をめどに、国内の新車販売をすべて環境対応車に変更するという。このような世界情勢を前にしても、既存産業への配慮と圧力から日本政府は有効な手を打てずにいた。経産省の自動車課に籍を置く瀬戸崎啓介は焦りを募らせる。このままでは、日本の自動車関連就業人口534万人のうち多くが路頭に迷う可能性がある。だが、いったいどうすればいいのか……?電気自動車への全面移行に遅れた日本に、起死回生の一手はあるのか?『首都感染』で新型コロナ感染拡大を予言した著者が描く、〝日本経済、予言の書〟解禁! -
恋するラジオ Turn on the radio
70年代、80年代、90年代~行間からヒット曲が聴こえる。 2039年。 今まさに、この世を去ろうとしているラジヲ君は、 音楽の神様から、「恋するラジオ」を渡された。 「恋するラジオ」は、音楽を愛した者だけに手渡されるもので、 人生の中で、とりわけ印象的だった音楽と、その音楽が響き渡った街を、 一つひとつ確かめる時間旅行への操縦桿のようだ。 ―――あの日、あの時に戻れたら…… あなたの「恋するラジオ」からは何が流れるだろう? あなたが、人生の最期に聴きたいのは誰の曲? アリス、サザン、達郎、オザケン、クイーン、そして、ビートルズ・・・ 恋するラジオに誘われて、時空を超えた音楽の旅が今、始まる! 懐かしくも甘ずっぱい、著者初の「音楽私小説」。 -
シークレット・ペイン
はからずも医療刑務所へ期間限定の配属となった精神科医の工藤。矯正医官となった彼が見たのは、罪を犯しながらも民間と同等の医療行為を受けている受刑者たちの姿だった。自身の過去から受刑者に複雑な感情を抱く工藤。さらに彼の気持ちをかき乱したのは、医師を志望するきっかけを作った男との鉄格子越しの邂逅だった……。いま最注目の新鋭が放つ、心揺さぶる傑作社会派エンターテインメント。 -
ある男
【映画化で話題!石川慶監督 × 原作 平野啓一郎】 ★第46回日本アカデミー賞で 作品賞を含む最多の8部門の最優秀賞を受賞 【第70回読売文学賞受賞作】 『マチネの終わりに』『本心』の平野啓一郎による、傑作長編。 人間存在の根源と、この世界の真実に触れる文学作品。 「愛したはずの夫は、まったくの別人でした──」 弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。 宮崎に住んでいる里枝には、2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。長男を引き取って14年ぶりに故郷に戻ったあと、「大祐」と再婚して、新しく生まれた女の子と4人で幸せな家庭を築いていた。 ところがある日突然、「大祐」は、事故で命を落とす。悲しみにうちひしがれた一家に、「大祐」が全くの別人だという衝撃の事実がもたらされる……。 愛にとって過去とは何か? 人はなぜ人を愛するのか。幼少期に深い傷を負っても、人は愛にたどりつけるのか? 「ある男」の人生を探るうちに、過去を変えて生きる男たちの姿が浮かびあがる。 『ある男』特設サイト ▶︎ https://k-hirano.com/a-man -
すぐ死ぬんだから
終活なんて一切しない。それより今を楽しまなきゃ。 78歳の忍ハナは、60代まではまったく身の回りをかまわなかった。だがある日、実年齢より上に見られて目が覚める。「人は中身よりまず外見を磨かねば」と。仲のいい夫と経営してきた酒屋は息子夫婦に譲っているが、問題は息子の嫁である。自分に手をかけず、貧乏くさくて人前に出せたものではない。それだけが不満の幸せな老後だ。ところが夫が倒れたことから、思いがけない裏を知ることになる――。 「定年」小説『終わった人』に続いて30万部超の大ベストセラーとなった人生100年時代の痛快「終活」小説! <読者からの声> 2年前に手術を受け、以後は家の中での生活です。何事にも意欲が失せ『すぐ死ぬんだから』状態でしたが、この本に出会って100歳までの人生を考えています。(70代・男性) 『終わった人』も面白かったですが、こちらも一気に読んでしまいました。毒舌が心地よかったです。(50代・女性) 1ページ目から痛快で息も継げませんでした。(70代・女性) もうすぐ定年ですが、新しい人生への希望と勇気をいただきました。(60代・男性) つい最近80代になりもう物欲はなしにしようと思っていましたが、本書でますます元気になり明日もショッピングに行こうと考えています。(80代・女性) ものの見方に光がさしたように感じます。くすんでいる私のはげみになりました。(50代・女性) 重ねた歳は戻せない。でも見た目は変えられる。今日から自分磨きをしよう。(60代・女性) こんなに楽しい本は久し振りです。(70代・女性) 身につまされるが文句なく面白い!(70代・男性) -
氷獄【電子特典付き】
「私が絞首台に吊されるその時、日本の正義は亡びるのです」 新人弁護士・日高正義が初めて担当する事件は、2年前、手術室での連続殺人として世を震撼させた「バチスタ・スキャンダル」だった。被疑者の黙秘に苦戦し、死刑に追い込めない検察。弁護をも拒み続ける被疑者に日高は、ある提案を持ち掛けた。被疑者と日高、それぞれの戦いの幕が上がる――。(「氷獄」) 『チーム・バチスタの栄光』のその後を描いた表題作を含む全4篇。 有罪率99.9%を誇る検察司法の歪みに正義のメスを入れる、リーガル×メディカル・エンタテインメント! ◆収録作 「双生」……医師・田口公平の元で研修に励むすみれ・小百合の桜宮姉妹。外来患者の夫の異変に気付いたすみれは、ある斬新な治療法を提案する。 「星宿」……十字星を見たい――。看護師の如月翔子は、手術を拒否し続ける少年・村本亮の願いを叶えるため、便利屋・城崎を呼び出す。 「黎明」……末期癌の妻が入所した東城大学医学部付属病院のホスピスは、治る希望を捨て、死を受け入れるという方針だった。夫・章雄は反発するが……。 「氷獄」……新人弁護士・日高正義は「バチスタ・スキャンダル」の被疑者のもとを訪れる。弁護の拒否を続ける被疑者に、日高正義はある提案を持ち掛ける。 ★豪華電子版特典付き! 「小説 野性時代」連載時扉イラスト 電子版共通あとがき 電子版あとがき『氷獄』 付録1【海堂尊・全著作リスト】 付録2【作品相関図】 付録3【桜宮年表】 付録4【「桜宮サーガ」年代順リスト】 付録5【「桜宮サーガ」構造】 付録6【「海堂ラボ」登場人物リスト】 付録7【あとがき索引】 ※本電子書籍は、2021年7月に角川文庫より刊行された『氷獄』を底本とし、電子特典を加えたものです。 -
鬼火
ハリー・ボッシュが新人の殺人事件担当刑事だったころ、パートナーを組んで、殺人事件に関する取り組み方を一から教えてくれた恩師にあたるジョン・ジャック・トンプスン元刑事が亡くなり、ボッシュが葬儀に参列したところ、未亡人から夫が自宅に残していた一冊の殺人事件調書を託される。二十年まえに(2000年1月)ロス市警を引退したトンプスンは、その調書を市警から盗んで、自宅に保管していたらしい。 その事件とは、1990年に起こった元服役囚で麻薬中毒者の白人男性ジョン・ヒルトン(24歳)がハリウッドの路地で後頭部を撃たれて亡くなった未解決事件だった。 恩師の執着していた未解決事件を解決すべく、ボッシュはバラードに協力を求める。 また、ボッシュは、ミッキー・ハラーが担当しているモンゴメリー上級裁判事暗殺事件裁判に被告側調査員として協力もしていた。モンゴメリーは日中に裁判所近くの公園で刺殺され、現場に残されたDNAが一致したことでジェフリー・ハーシュタットが逮捕され、裁判にかけられていた。ハーシュタットは自供もしており、有罪必至の状況だった。 一方、バラードは、ホームレス男性の焼死事件の現場に出向いていた。テントに暮らしていたエディことエディスン・バンクス・ジュニアが、大量のアルコールを摂取して寝ているうちに、うっかり石油ヒーターを倒して、その火が全身に移り、焼死した模様だった。事故死とみて、バラードはロス市消防署に処理を任せた。 これら三つの事件(「元服役囚殺害事件」「裁判所判事暗殺事件」「ホームレス焼死事件」)が複雑に重なり合い、終盤の怒濤の展開は近年屈指の作品に仕上がった。
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