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Posted by ブクログ
犯人の動機やトリックの秀逸さ、とは違った事件自体が奇妙だったり怪奇的だったりする話が短編ならではという感じで良かった。
中でも「這う男」と「ライオンのたてがみ」は不気味で強烈な事件のインパクトに反して、解決後のあっさり穏やかな空気感が独特でなんとも言えず良い。
ホームズ著だったり第三者視点だったり、描かれ方自体の新鮮さが面白かった。
特にホームズが書いたとされる事件の話は、ワトソンが語る通りのホームズ像そのものが執筆上に表れていて思わず嬉しくなってしまった。
また「白面の騎士」で語られるホームズからワトソンへと真っ直ぐな称賛の言葉と強い友情には、嬉しさ越えてなんだか照れ臭くなってくる。こっちが思っていたより遥かに両想いだった。
「這う男」でのホームズからワトソンへ送る傍若無人な電報の内容も、それに対するワトソンの感想が特に無いのにも思わず面食らって笑ってしまった。
「ライオンのたてがみ」にてホームズがこんな平穏な生活に身を置いているのがすごく意外な気持ちだったけど、
実際あのホームズが、一軒家で家政婦とミツバチと共に静かに暮らし、親しい仲の隣人もいる生活を送っている事実は読んでいてホッとする嬉しさもあった。
それでいて奇妙な事件に対する熱意は全く失われていないようで安心もした。
Posted by ブクログ
(再読)
ホームズシリーズ正典。ホームズからワトスンへの迷言「都合が良かったら早く来い、悪くても来い。S.H.」や、通常はワトスンが記録するところ、諸事情によりホームズ自身が記録せざるを得なかった物語が楽しめます。面白い!
***
ホームズが語り手だったり、探偵業を隠退していたり、ワトスン君による記録を非難したかと思えば、逆に彼の不在を嘆いたり。彼の新しい一面を沢山発見できる魅力的な短編集。
『3人ガリデブ』でワトソン君を撃った犯人にブチギレるホームズが最高なので、是非見てください。
登場人物たちが「貴方があのホームズさんですか!?もちろん存じております!お話、読んでますので!」と表明するシーンが大好きです。
Posted by ブクログ
新潮文庫の編纂したシャーロックホームズシリーズの、最後から2冊目にあたる。
これまではワトスン博士の視点で描かれていたが、本作はホームズや第三者視点で描かれて事件があり、風変わりで面白く感じた。
また、過去の事件と似たトリックの事件が描かれているが、トリックの被りが面白くないという訳ではなく、むしろホームズの活躍した社会に生きる人間の人間味を引き立たせており、シャーロックホームズをより一層リアリなものへと感じさせるエピソードだと感じた。
次の1冊でシャーロックホームズを読み終えるのが非常にもったいなく感じる。
100年が経ってもなお魅了される探偵小説を読めて幸運だと感じる。
Posted by ブクログ
今更ながらにホームズを読破してみようと思い立って「緋色の研究」から読み始めたのだが、ついに読み終えてしまった。
舞台はもう1900年代。電話が登場しているし、ロンドンの雰囲気は「緋色の研究」の頃から比べてだいぶ変わった。ホームズも隠退してしまうし。でも彼の頭脳は衰えを見せず、まるで年をとったという感じがしない。同居をやめてあまり会わなくなったとはいえ、ワトスンとの友情も変わらず強固でなんだか嬉しい。「三人ガリデブ」の一幕は胸が熱くなる。
でも、あんなに仕事が大好きだったホームズが何故隠退を夢見ていたのかよくわからない。ドイルがホームズから引退したがっていたことが反映されているのか?笑
この巻で印象に残ったのは「高名な依頼人」。ホームズVS手強い女性の話は面白い。いつもと違って翻弄されるホームズが見れるから。ちょっとアイリーンを思い出した。
悪い意味で印象に残ったのは「這う男」。これはもうファンタジーでは。
ホームズとお別れするのは寂しい。ドイルにホームズを書き続けてくれと懇願したシャーロキアンの気持ち、今ならわかる。
Posted by ブクログ
『冒険』『帰還』『思い出』に次ぐ短編集3冊目。
ホームズの短編集はいつも「これ読んだっけ……?」となりがちなので、次は間違わずに『叡智』を買わねば。
今作は、マンネリ防止のためホームズ自身による語りが入っているのが面白かった!
そして「ワトスンならもっと盛り上げて書くのに……」と不平をもらすあたりも愛おしいですね(^^)
ホームズものに関しては、彼だけが持っている知識が事件解決につながることが多いので、ストーリーやトリックそのものより、ワトスンとの関係性を温かい気持ちで見守るのが何よりの醍醐味だと感じます。
しかしそれでいて、『ライオンのたてがみ』のように重大な伏線がさらっと張られていることもあるのだから決して侮れません。
語感のインパクト大な『三人ガリデブ』、怪奇と論理がコンパクトにまとまった『サセックスの吸血鬼』、教授の奇行が恐ろしい『這う男』が印象的でした。
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