あらすじ
端正で知的な顔の背後に地獄の残忍性を忍ばせた恐るべき犯罪貴族グルーナー男爵との対決を描く「高名な依頼人」。等身大の精巧な人形を用いて犯人の心理を攪乱させ、みごと、盗まれた王冠ダイヤを取戻す「マザリンの宝石」。収集狂の孤独な老人がその風変りな姓ゆえに巻込まれた奇妙な遺産相続事件のからくりを解く「三人ガリデブ」。ますます円熟した筆で描く最後の短編集である。
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「高名な依頼人」「白面の兵士」「マザリンの宝石」
「三破風館」「サセックスの吸血鬼」
「三人ガリデブ」「ソア橋」「這う男」
「ライオンのたてがみ」「覆面の下宿人」
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(再読)
ホームズシリーズ正典。ホームズからワトスンへの迷言「都合が良かったら早く来い、悪くても来い。S.H.」や、通常はワトスンが記録するところ、諸事情によりホームズ自身が記録せざるを得なかった物語が楽しめます。面白い!
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ホームズが語り手だったり、探偵業を隠退していたり、ワトスン君による記録を非難したかと思えば、逆に彼の不在を嘆いたり。彼の新しい一面を沢山発見できる魅力的な短編集。
『3人ガリデブ』でワトソン君を撃った犯人にブチギレるホームズが最高なので、是非見てください。
登場人物たちが「貴方があのホームズさんですか!?もちろん存じております!お話、読んでますので!」と表明するシーンが大好きです。
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白画の兵士では、ホームズが語り手として書かれており、より興味を引いたサプライズだった
覆面の下宿人のラスト好き
遂に、次の『シャーロックホームズの叡智』でシリーズ作を読み終わってしまう
コナン作の他作を読むのか、何を読んだらいいのか、、、
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「シャーロック・ホームズ」シリーズ最後の短編集。「シャーロック・ホームズ」シリーズは推理だけでなく、冒険小説の要素もある。『マザリンの宝石』は、シャーロック・ホームズが巧みなトリックを用いて犯人を捕まえる。推理力だけでなく、犯人を騙す演技力も光った。
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新潮文庫の編纂したシャーロックホームズシリーズの、最後から2冊目にあたる。
これまではワトスン博士の視点で描かれていたが、本作はホームズや第三者視点で描かれて事件があり、風変わりで面白く感じた。
また、過去の事件と似たトリックの事件が描かれているが、トリックの被りが面白くないという訳ではなく、むしろホームズの活躍した社会に生きる人間の人間味を引き立たせており、シャーロックホームズをより一層リアリなものへと感じさせるエピソードだと感じた。
次の1冊でシャーロックホームズを読み終えるのが非常にもったいなく感じる。
100年が経ってもなお魅了される探偵小説を読めて幸運だと感じる。
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これまでのシリーズは「ワトソンが書いた」という体裁で書かれていましたが、この『事件簿』にはシャーロック・ホームズ自身が記録した事件が2つありました(「白面の騎士」「ライオンのたてがみ」)。推理を組みたてていくシャーロック・ホームズの考えそのものが読めるのでオススメです。
また、『事件簿』では明確な殺人事件や強盗事件よりも、誰もが「奇妙だ」と感じる出来事が物語の発端になっています。犯罪事件が起こらなくても、推理が展開されていく流れが面白かったです。
一番のお気に入りは「マザリンの宝石」でした。非常にドラマティックな話です。
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今更ながらにホームズを読破してみようと思い立って「緋色の研究」から読み始めたのだが、ついに読み終えてしまった。
舞台はもう1900年代。電話が登場しているし、ロンドンの雰囲気は「緋色の研究」の頃から比べてだいぶ変わった。ホームズも隠退してしまうし。でも彼の頭脳は衰えを見せず、まるで年をとったという感じがしない。同居をやめてあまり会わなくなったとはいえ、ワトスンとの友情も変わらず強固でなんだか嬉しい。「三人ガリデブ」の一幕は胸が熱くなる。
でも、あんなに仕事が大好きだったホームズが何故隠退を夢見ていたのかよくわからない。ドイルがホームズから引退したがっていたことが反映されているのか?笑
この巻で印象に残ったのは「高名な依頼人」。ホームズVS手強い女性の話は面白い。いつもと違って翻弄されるホームズが見れるから。ちょっとアイリーンを思い出した。
悪い意味で印象に残ったのは「這う男」。これはもうファンタジーでは。
ホームズとお別れするのは寂しい。ドイルにホームズを書き続けてくれと懇願したシャーロキアンの気持ち、今ならわかる。
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冒頭の高名な依頼人、
正義のためなら手段を選ばず、というのはホームズシリーズを読んでると結構でてきて、やたらと不法侵入してたりする。まあ、私はホームズのそーゆーとこ結構好きだが。
でも「マントの下にさも大事そうにもっていた小さな包みがあんなものだとはどうして気がつこう?」にはほんとか~っと少々の疑いあり。それが何かさえ分かってしまうのがホームズでは??分かってて放っておいたのでは?というのは穿ちすぎか?
這う男、以外は殆ど初読みの感。
ドラマでもみたことないような・・・。
ライオンのたてがみはホームズが語り手役。
若干、ワトソン語りよりは淡々としているか?でもちゃんとおもしろかった。
なんだがいろんな読み応えがある短編がつまっていて楽しい一冊。
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読みたかった短編(『ソア橋』『サセックスの吸血鬼』)が収録されている本書。この2篇はもちろん、『這う男』や『ライオンのたてがみ』が面白かった。ポーの某作品のように、現代のミステリー小説の感覚でいると騙されてしまう。怖いなぁ、こんなのいるんだ。ホームズが語り手となる珍しい短編もあるが、少し物足りない。やはり『シャーロック・ホームズの凱旋』にあったように「ワトソンなくしてホームズなし」としみじみ思う。『三人ガリデブ』は昔の作品だから蔑称を使った意訳かと思ったら、そのまんまだった。ガリデブさん、本当にいるのかな。
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楽しかった〜。
ホームズ視点の物語が新鮮だった。
個人的には、100分で名著でとりあげられる「サセックスの吸血鬼」と大逆転裁判というゲームで登場した、変な苗字の「三人ガリデブ」を楽しみにしていたけど、想像通りの楽しさだった。
これが世に出たホームズ最後の短編集なのか、と考えて当時の読者の気持ちを想像すると、ちょっと信じられないような…まだまだホームズの話は続くような気がしてならない。学校の卒業式で、もう明日からこの学校には通わないのに、信じられないような気持ちと似ている。
でもわたしとしてはあと一冊、叡智が残っている!読み終わった時はどんな気持ちになるんだろう?
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印象的だったのは高名な依頼人で大暴挙に出たウィンター。ギリシャ語通訳に登場したソフィアに並ぶデンジャラスな女性で終盤あまりにも大暴れしていたのでもはや清々しかった。
過去作品を彷彿とさせる作品が多かった。マザリンの宝石では空家の冒険で大活躍したホームズの蝋人形が再び大活躍したし、三人ガリデブはトリックというか犯人の行動が赤髪組合そのものだった。ただ、二番煎じ感は特になく、やはり元の作品がよく出来ているからこそこれらもよく出来ていた作品だった。
それにしてもソア橋は一本取られた。殺人事件が実はただの自殺だったなんてミステリーではとてもベタなのに思い切り騙されてしまった。誰が犯人なのか?と考察に考察を重ねたものが全てドイルによって一瞬で白紙となってしまった。
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初めてシャーロックホームズを読みましたが、短編集になっており読みやすかったです。
物語の前半で概要説明や伏線を張り、後半で一気に回収するため、最後までドキドキしながら読み進められました。
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Macでマザリンと打ち込むと「マザリンの宝石」が変換候補に出るくらいシャーロック・ホームズシリーズは欧米人にとっては身近な物語なんだな〜。犯人から宝石を取り上げるシーンは、喜劇のようだった。「ライオンのたてがみ」は、一線から退いたホームズの、隠退先での事件である。そろそろホームズを引退させてあげて……という著者の思いが感じられるのだが、如何だろう?
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ホームズ短編集。叙情的だったりせず、ストレートにトリック中心となっているので読みやすく、初心者向けの1冊。
片手間に読んでいたので、すでに結構忘れているところはあれど、多分もう一度読めばすぐ気づきそう。というのも、結構オカルトだの心霊現象で入って、途中でオカルト否定、科学的トリックの解明による解決となるものが多いからだ。ほぼ全作品印象の強い作品群である。
また、もう一つ面白いのが、記述者がワトソンのものとホームズのものが混ざっている点。ワトソンのものは客観的で説明が丁寧なためわかりやすく、ホームズのものは当事者・傍観者として書かれているため、状況判断がやや困難という、スタイルの違いが有る。ドイルはそれを利用して「ワトソンならもっと面白く書いてくれるはずだ」なんて茶目っ気のある記述をしたりする。
それぞれ、馬に蹴られて穴に落ちて死んだ的なトリックそっちのけの話より面白いので、翻訳もののミステリが苦手な人にもおすすめできそうな1冊だ。
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本作は、ワトソン博士視点の物語だけでなく、ホームズ視点での話が数話収録されている。
本作で私が読んだのはシリーズ7冊目であるが、それでも読んでいて面白い。100年近く前でもいいものは色あせないと改めて感じさせるシリーズであると思う。
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Case-Book of Sherlock Holmes(1927年、英)。
ホームズ・シリーズ、短編集。ポーの代表作を彷彿とさせる「ライオンのたてがみ」など。
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ホームズシリーズも終盤になってきた。
本作はこれまでの作品とも違うタッチで描かれているケースも多く、そう言った意味では新鮮さもあった。
三人ガリデブなど聞いたことあるなぁ…というストーリーは大方読み終えてしまったが、ラスト一冊も楽しみたい
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今回の短編集には、全10編のうち2つはホームズの視点で書かれている。目新しくとても面白かった。ワトスン視点の時は、ワトスンの主観的な印象なども多く含まれるが、ホームズは客観的事実に基づいた表現が多く、性格の違いがよく表されていた。
また、3人のガリデブが激アツだった。
負傷したワトスンに狼狽え、怒るホームズにニヤニヤが止まらなかった。普段ワトスンを信頼しているような口ぶりは多いが、今回のように感情的になる場面は少ないため、とても興奮した。
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ホームズシリーズ9冊目にして、コナン・ドイル原作は最終巻。
本作は、ワトソンが書き手ではなく、ホームズ自身が書き手の作品がいくつかある。また、殺人事件は2つほどしかなく、あとは人が亡くならない事件。探偵もの、推理ものといえば殺人事件が定番だが、ホームズシリーズは実は、殺人事件はけっこう少ない。長編では殺人が起きるが、短編ではほとんど殺人は起きないから意外。
本作もホームズとワトソンの名コンビで難事件を解いていくが、やはり短編集ではホームズの冒険が1番面白かったかなあと思う。
本書では、ホームズの名台詞「頭以外は付属品にすぎない、私は頭脳そのもの」というのが登場する。たしか名探偵コナンでも出てきたセリフ。
長かったホームズシリーズも読み終わり、達成感が半端ない。そして、少し寂しくもある。
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初読。このなかだと『白面の兵士』『ライオンのたてがみ』『覆面の下宿人』が良かった。ホームズ視点のものは彼がどこに着目してるかが分かって、興味深かった。そして「私は一人ぼっちだったのである」の一文に衝撃。個人的には『ソア橋』の冒頭に出て来た銀行にあるブリキの文箱の話にとても心ひかれた。
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メモ程度に。
「高名な依頼人」
恋は盲目。ワトソン先生危機一髪。
「白面の兵士」
「死人が出ない話」的な安心感のある読後感。こういうお話は素敵。
「マザリンの宝石」
心理戦
「三破風館」
やり手だからこそ恐ろしいのはゴシップ。
「サセックスの吸血鬼」
美しい後妻、後妻の赤ん坊、前妻の息子、前妻の息子を溺愛する父というお膳たての揃った愛憎劇。
なんだか息子君とパパの関係にドキドキしてしまったよ……
「三人ガリデブ」
ガリデブおじいちゃんかわいそう過ぎでしょう。
ワトソン君の負傷に動揺するホームズという珍しいものが見れて満腹です。
「ソア橋」
南の激しい血ってよく出てくるけれど、それが当時のイギリス人の南米観なのかな。
トリック証明の犠牲となったワトソン君の拳銃……
「這う男」
そんなあほな
「ライオンのたてがみ」
引退後のホームズは田舎で悠々と隠居暮らしか……想像がつくようなつかないような。
キタユウレイクラゲ。
「覆面の下宿人」
ベールで顔を隠した「元」美人ってなんだかロマンだ。
ホームズの観察と思考が発揮された事件ではないけれど、彼の名声と不幸な夫人への同情と優しさが感じ取れる印象的なエピソード。
Posted by ブクログ
ミステリーが少しでも好きであれば、必ず目を通しておかなければならないシリーズだと思い、読み始めました。1つ30頁前後の短編集なので、空いた時間に非常にテンポよく読むことが出来ました。トリックに関しては、かなり古い作品であるということもあり、単純なものであったり、すこし非現実的なものであることが多く、最近のミステリーのような大きなショックのようなものはあまり感じられませんでした。しかし、人物の様子や情景の描写が非常に巧みで、文学作品として十分に楽しむことが出来ると思いました。これからは、短編集を常に持ち歩き、少しの空き時間に読み進めていこうと思います。