林檎の樹

林檎の樹

銀婚式の日、妻と共に若い日の思い出の地を訪れた初老のアシャーストの胸に去来するものは、かつて月光を浴びて花咲く林檎の樹の下で愛を誓った、神秘的なまでに美しい、野性の乙女ミーガンのおもかげ、かえらぬ青春の日の悔いだった……。美しく花ひらいた林檎の樹(望んでも到達することはできない理想郷)の眩ゆさを、哀愁をこめて甘美に奏でたロマンの香り高い作品。

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林檎の樹 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2011年12月10日

    まさに傑作!
    現代においても色あせないテーマ設定に主人公の苦悩の描き方が抜群に上手い!
    ラストは山川方夫の『夏の葬列』を思わせる素晴らしい急展開だね~(こう書くとオチがバレてしまいそうだけど)。
    ちなみに国際ペンクラブの初代会長です。

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    Posted by ブクログ 2011年07月19日

    昭和56年のこの新潮文庫(カヴァーは違っていたけれど)を読んだのが初めてだったと思う。月光を浴びて花咲く林檎の樹、その下で愛を誓う……、私にはこれ以上ないほどの愛の誓いに思われた。誓いは悲しくも果たされることがない。そのことがわかってもなお、林檎の樹は、その物語は、私にとって美しいもののように感じら...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月11日

    腹立たしい。なんていうのか、こっちが楽しくなったから、貧乏くさい恋愛をすてる。田舎くさい恋愛をすてるという、そこに後悔もなく幸せいっぱいになる。こいつおかしい。とはいえこれは、ゲーテの〈若きウェルテルの悩み〉の逆をやったものともとれる。小説の中のカタルシスのようなもので、その感情はよく伝わってくる。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年11月12日

    妻との旅行で立ち寄ったとある田舎で、男は若かった頃の恋を思い出す。そのように回想として始まる物語。

    これは…
    なんといっても田舎娘のミーガンが可愛らしい!主人公のシーツをくんかくんかしていた彼女にメロメロです(笑)声を出して笑ってしまいました。
    時に情熱的に、時にいじらしく、
    心を捕らえて話さない...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年06月19日

    美しく、悲しく、甘酸っぱい、林檎の匂いが漂ってくる物語。
    遠くまで主人公を探すミーガン、林檎の木の下でただずむミーガン。

    最期は、ハムレットのオーフィリアのようだった。

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    Posted by ブクログ 2012年11月11日

    身勝手な男と純粋な女性の恋愛小説、と言ってしまえばそれまでですが、風景の描写や気持ちの揺れが細やかに描かれていて、何度となく読みたくなる本です。

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    Posted by ブクログ 2012年09月24日

    若き日の過ちと過ぎ去った青春。
    青年の揺れ動く恋心を描いた作品。
    彼女の最期を聞いて、彼は何を思ったのか。
    淡く切ない悲恋の物語を、詩的な文章が美しさを際立たせている。
    この無常な結末は″飽満と倦怠に苦しむ近代人の悲哀を語っている″という解説の言葉に頷ける。
    この小説のテーマ、シンボルである″黄金な...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年02月01日

    何気にこれがキッカケで私は読書にハマったと言えなくもない。面白いかつまらないかなら面白いんだけど、それ以上に思い入れの方が強いかも…。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    年老いた男の、銀婚式の日の話。
    林檎の木と、過去の自分と、素敵な女性の話。

    神話に描かれるひとつの愛をモチーフとしてそのテーマにそって書かれた作品。
    そんな銀婚式も、あるのかもしれない。

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    Posted by ブクログ 2016年09月11日

    ジョン・ゴールズワージー(1867 -1933)による、美しい一幅の絵のような物語である。
    銀婚式を迎える日、初老のフランク・アシャーストは妻を伴い、思い出の地デヴォンシャーを訪れる。
    目的地の手前の美しい田舎の風景に妻が目を留め、スケッチを始めたとき、アシャーストはふと、若き日の恋を思い出す。そう...続きを読む

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