これも何度手放しても買ってしまう本。
他のアリスも読んではみるが、ピンとこない。
結局、自分の中では矢川澄子翻訳版が一番しっくりくる。
例えば
88-89ページ
'Would you tell me, please, which way I ought to go from here?
...続きを読む'
「あのう、わたくし、ここからどの道を行けばいいか、教えていただきたいんですけど」
'That depends a good deal on where you want to get to,' said the Cat.
「そりゃ、あんたがどこへ行きたいかによるわな」とネコのこたえだ。
'I don't much care where—' said Alice.
「どこだっていいんですけど──」
'Then it doesn't matter which way you go,' said the Cat.
「そんなら、どの道だってかまわんだろ」
'—so long as I get SOMEWHERE,' Alice added as an explanation.
'Oh, you're sure to do that,' said the Cat, 'if you only walk long enough.'
「──どっかへ行きつけさえすればね」アリスがいいそえると、ネコはネコで、
「あ、そりゃ行きつけらあ。ちゃんと歩きつづけて行きさえすりゃあね」
こんな具合(と、アリスを読むと言いたくなる笑
少し気取った言い回しと、他の翻訳にはしっかりと全文についてくる「と、アリス」「とネコ」の部分が省略されているのも読み易い。
「らしさ」を求めると、この翻訳が一番自分好み。