あらすじ
ある昼下がり、アリスが土手で遊んでいると、チョッキを着た兎が時計を取り出しながら、生け垣の下の穴にぴょんと飛び込んで……個性豊かな登場人物たちとユーモア溢れる会話で展開される、児童文学の傑作。
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原作と同じ挿絵を使っているところが良い。妙に大人びていて気が強そうで、不機嫌そうな顔は多いけどアリスが笑ってる絵は一枚もない。異常な世界を冷静に見ていつも通りに振る舞う利口な子供、それが不思議を生む様を見事に描き表していると思う。この挿絵抜きでアリスは味わえない。
大人になるにつれ、この作品に描かれている不思議性は現実に普通にあるように思えてくる。それは恐らく、数学のように自由な思考で考えると、学校で習いもしないごく当たり前のことほど突き詰めれば深遠な謎があり、一方で日常の社会常識は突き詰めるとナンセンスな偏見ばかりだからだ。意識すれば不思議の国はどこにでもあるけど、ただのトランプのくせに!と言ったせいでトランプが襲いかかってきても目は覚めないという究極の不思議がある。
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アリスは集英社の翻訳で読んだことがある。出版当時の1990年代の若者言葉で翻訳されたのが特徴。今回の角川の翻訳は原作の持つ言葉遊びを日本語で再現する試みをもつもので、
ナンセンスと洒落に終始している。集英社のものを読んだときとはまるっきり作品に抱く感想が違った。
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Lewis Carrollの原典を読む上で補足的に読んだ一冊。
ナンセンスの部分が日本語として意味が通るように上手く訳されているが、
やはり是非原典を読んで英語の言葉遊びも楽しんで欲しい。
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すげぇ。
意味のない言葉達に意味が乗る世界。
めちゃくちゃレベルの高いことしてるし前衛的。
かといって変に意識的ではなく、スマートな語り口
シュルレアリスムと通じる不条理や無理解、そして生理的な嫌悪感を感じる奇天烈な生物達。
多様な見方と解釈ができる物語である上に、小説の可能性を広げている。
原書で読みたい。
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ディズニーで映画になっていたり、このアリスを基にしたパロディ作品も多く存在する中、この一番の原点をきちんと読んだことがなかったなと思い、購入。ボートの中で即興で作ったアリスのためのお話。その割にはとても完成度が高いが、即興なのがうかがえる、急展開。不思議の国という言葉がピッタリと当てはまる世界観が見事。言葉遊びも、うまく訳されていて、とても面白い。原本も読んでみたいが、英語は苦手なので辞書片手に奮闘することになりそうである…。続編の鏡の国のアリスを読み進めていこう。
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小さい頃からアリスが大好きで何回も読みました。読んでいくうちにアリスの世界に引き込まれてしまい、あっという間に読み終わります。ディズニーアニメのアリスとはまた違った印象。出てくるキャラクターは曲者揃いです。笑
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アリスの世界に迷い込んできました♪
アリス
『台所にはコショウなんて絶対置かないことにするわ。
スープはコショウがらなくたってじゅうぶんおいしいし―たぶん、人がぴりぴりしてしまうのは、いつだってコショウのせいよ。』
ワタシ
『そうね!!
日本人は、ワサビを食べるからツンツンしやすいのかしら??(人見知りさんが多いのかしら??)
きっとそうよね。
ワサビをたべるとツーーーーーンとするものね!!』
さあ!! アリスはどう返してくれるかな??
なぁんて、想像(妄想)しながら読んでいくのが大好きな『不思議の国のアリス』
もぉ、何十回読んだかな??
毎回不思議な発見があって楽しい♪
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小さい頃に観ていたディズニー作品と原作とでは受ける印象や纏う雰囲気が微妙に違って面白かった。
夢の中にいる様な感覚。へんてこりんな会話の中に言葉遊びがたくさんあって面白い!(自然な翻訳に驚き!)でもそれが唯一無二な世界観を作ってるなと思ったし、チェシャ猫が文学や医療の比喩表現に使われているのを知って、不朽の名作だなと感じた....
へんてこりんすぎてスラスラ読めないけど魅力的なキャラクターばっかりで愛着が湧く!
「みんながよけいなおせっかいを焼かなければ世界は動くって!」
藪をつついて蛇を出す 的なことなのかな?
「鏡の国のアリス」の方も読んで他のキャラクターに会いに行きたいな....
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言わずと知れた不朽の名作ですが、小説として読むのは初めてでした。
元々は、著者が知人の少女(アリス)のために聞かせた即興の物語だったとか。
とにかく奇妙な登場人物が出てきます。
角川版は、原作の言葉遊びを日本語として再現しており、ラップのような表現がたびたび出てきて面白かったです。
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オックスフォードのクライストチャーチを訪れたことをきっかけに読んでみた。どこまで深い意味をルイス・キャロルがこの物語に埋め込んでいるのかは分からないけど、アリスの無邪気な子ども心を追体験しつつ摩訶不思議な出来事を楽しめる物語。
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アリスの世界観は世界で一番完成されている”可愛い”だと思っている。活字のみでも想像力で補える限界の不思議を表現していて、それにキャラクターのビジュアルで肉付けしても、必要以上に解像度が上がらず、不思議のまま完成した唯一無二のもの。いつまでもあの世界を虚構として認識しない少女でありたい。
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支離滅裂、でもなんだかクセになる
ユーモラスな言葉遊びと不思議な世界観に没入
--- この本を読んだ経緯 ---
・言わずと知れた名作であることは認知していつつも未履修だったので、教養のためにもと思い今更ながら一読しました。
--- 感想 ---
・アリスはあっけらかんとした性格だったから良かったですが、自分がこの世界に行ったら打ちのめされてしまうんじゃないかと思うくらい登場人物たちは優しくないです笑
・ただ、そんなおかしな世界でも、韻を踏んだリズミカルな詩があったり、ユーモア溢れる言い回しが多いので、ポップ感と不気味さが混ざりあったなんとも癖になる物語でした。
・台所では怒鳴り散らしていた公爵夫人に対してアリスが言った、
「たぶん、人がぴりぴりしてしまうのは、いつだってコショウのせいなのよ」
というセリフが好きでした。
一見おかしなことを言っているんだけど、なんだか笑えてくるような、日本の小説などではあまり味わうことの無い文章を体験できて新鮮でした。
・意味なんて深く考えずに、ただただ物語の流れに身を委ねて楽しむという読書の仕方もあるんだなと気づくことが出来ました。
・とはいえ、あとがきにあるように、登場する人物や動物たちは実在の人がモチーフになっていたりもするそうなので、それを踏まえて改めてもう一度読み直してみたいなと思いました。
・読む度に見えてくる世界が変わりそうな、そんな不思議な気持ちになる楽しい本でした。
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テンポよく物語が進む上にコロコロと場面が切り替わる。さらには多彩なキャラが出てくる。まるで、ネット小説を読んでるようだと思った。
もともと、少女に話した話(その場で作り上げた)を本にまとめたらしい。少女が退屈しない話をと作っているうちにそうなったのだそうだ。作りもなんだかネット小説に似ているような気がしてしまった。
もちろん、この時代にネット小説なんてものが存在するわけがないのだけれども『退屈しないように』コロコロと話しが変わるのはネット小説の特徴でもあるわけで。
で、知ってるようで知らない。「不思議の国のアリス」のラストってどうなるんだろう?
と思っていたら、夢オチだった。
確かにあれだけ話を広げて、謎だらけにして、回収不能と言うか……その必要がないのかもしれない。
むしろ、「夢でした」の方が納得しやすい。
ここにやたらに変な説明が出てくると『不思議の国のアリス』が壊れてしまうような気さえしてしまう。
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子供の頃読んだアリスよりも、わかりやすい表現だった気がする。
アリスは色んなところから出てるからわからないけど、多分、訳してる方が違うのかな?
ことば遊びの表現が面白くてすいすい読める。
意味わからない。
というか意味は特にない、それがいい。
巻末に解説がついてるのがいいね。
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鏡の国のアリス同様に、実写化された映画などを見ているせいでファンタスティックな世界観をイメージしやすいですが、本の中にはそこまでの詳しい描写はありません。
しかしながら、アリスや出てくる登場人物のセリフ、快いテンポ感からそれらを感じされる名著です。
また、翻訳者の意地と言いますか、日本語の韻に世界観を壊さずに当てはめた凄さも堪能できます。
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ディズニー版は知っていたものの、原作はちゃんと読んだことが無かったので読んでみた。文章やキャラの発言、歌が韻を踏んでいたり、知らないエピソードがあったり、意外とアニメ版と大きく違っているのだなあとびっくりした。帽子屋さんももっと色々出番があるのかと思いきやほとんど無かった。
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支離滅裂で脈絡がなく難しい...
会話も展開も滅茶苦茶で読む度に???となる...。
それでも奇抜なキャラクター達や世界観は童話らしく凄く魅力的!
ライム(韻)についても童話らしさを感じてよい...けれど原書で読んでで見たいな。
あと続編の「鏡の国のアリス」についても読んでみたいな。
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ディズニーでお馴染みの『不思議の国のアリス』。
原作は楽しい言葉遊びが、いっぱい!
これ翻訳するの、大変だっただろうな〜というのが第一印象です(笑)
英単語で韻を踏んだりしているのを、日本語に変えるって大変だったろうと。。
そのおかげで、不思議で楽しい世界を体験することができてます。
楽しかった!
内容はディズニーと、だいたい同じだと思います。
『アリス -へんてこりん、へんてこりんな世界-』展を見に行きたいので予習として読みました。
続編はどうなるのでしょう?
まずはディズニーの方も見直そう。
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初めてきちんと読みました。
絵本やディズニー、映画なんかで簡単なストーリーは知っていたけど、なるほどこうゆうお話だったんですね。そして、韻を踏んだ詩やダジャレのような会話の翻訳がすごい。
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『不思議の国のアリス』は子供の頃にディズニーの絵本で読んだきりで、原作本を読むのは初めて。子供の頃はその絵本が大好きだったけど、白ウサギとハートの女王が出てくるくらいしか覚えてなかったので改めて読んでみました。
登場人物(動物)が多くて、支離滅裂なお話だけど、ずっと読み継がれているってことは面白いのかしら。童心を忘れてしまった今読んだ感想としては、正直なところ、あまり楽しめなかったです。
原作に使われたジョン・テニエルの挿絵がふんだんに使われてて、挿絵を楽しみに読み終えました。
アリスは有名なので、教養として一度読んでおくのは良いことだと思います。
あまり楽しめなかった割には、『鏡の国のアリス』も読んでみようか思案中。
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イギリスの児童文学。
小学生の頃、ディズニーのふしぎの国のアリスを何回も見、スーパーファミコンのアリスのゲームを夢中でプレイしていた。
原作(原文の言葉あそびの楽しさそのままに翻訳した、画期的新訳決定版らしいです)を初めて読みましたが、なんなんだ!なんてつかみどころのない物語なんだ!?と突っ込みつつ、時にアリスやおかしなキャラクターたちにふふふっと笑ってしまう。(青虫とチェシャーネコが好き)まさに不思議の国。でもこれ児童文学ですよね?なかなかダークな会話が繰り広げられていましたし、読み解くのが難しいと感じましたが、子どもの感性で読むほうが純粋に夢の世界の冒険を楽しめるのかもしれないと感じました。
スーパーファミコンのアリスのゲーム、どんなのだったかなー!めちゃくちゃおもしろくてクオリティが高かった記憶があるんですよね。
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詩や本文中の言葉遊びなどを楽しみたいなら英文で読んだ方がいいのかもしれない。翻訳でも楽しめるようになっているが、読みながらきっと英文で読んだ方が面白いんだろうな……と思えてきてしまう。
不思議の国(夢)であるだけあって一貫性や筋道はあまりなく詩や言葉遊びを楽しめないと面白さを見出すのが大変だった。
物語として楽しむには子供向けになっている本の方がいいのかもしれないと思った。
あとがきの制作秘話やモデルは非常に興味深く面白かった。
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今更ながら初めて読みましたが、アリスの思考がぶっとんでてクラクラする。少女だし仕方ないけど同化はできず。夢野久作作品読んだとき以来の混乱。
好きなのはチェシャー猫。安全圏で引っ掻き回す役回り、好きです。
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改めて読むと文学よりは絵本もしくは映像に向いている作品と痛感。登場するコミカルなキャラクターやシニカルなやり取りも文字にすると毒気が強く支離滅裂な印象を受ける。
私が童心を失ったのか単なる想い出補正か、ここまで世界的名作足り得る作品かというとかなり微妙。
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石川澄子の訳を見た
ほんとに不思議の国の住人たち。想像力が欠如したのか概念が固定されてきたのかあまり楽しめなかった。
子供の頃に読んだらどうだったのか、英語版を次はよんでみたい
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『不思議の国のアリス』は、イギリスの数学者チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン(1832~1898年)が、ルイス・キャロルのペンネームで創作した児童小説である。キャロルが、オックスフォード大学在学中に所属していた学寮の学寮長の娘であるアリス・リドルのために即興でつくって聞かせた物語がもとになっており、キャロルはこの物語を手書きの本にして彼女にプレゼントする傍ら、知人たちの好評に後押しされて出版に踏み切ったという(1865年)。
本作品は、聖書やシェイクスピアに次ぐ数の言語に翻訳された、世界で最も読まれた児童小説とも言われており、冒頭の、白ウサギが「たいへんだ!どうしよう!まにあいそうにもないぞ!」とひとりごとを言いながらアリスのそばを通り、チョッキのポケットから取り出した時計を確認して、再び走り出す場面や、不思議の国で出会った、木の上にいるチェシャー・ネコが、しっぽの方から消えていき、にやにや笑いだけが枝の上に浮かんでいる場面など、その後、数多の引用、言及の対象となっている。
ただ、本作品には英語による言葉遊びが満載で、挿入されている詩や歌の多くは当時よく知られていたもののパロディだというが、それらの面白さは、他言語に翻訳され、時代も異なる我々に、十分に楽しめない点は残念である。(訳者は、その点を苦心しており、原文では伝わらない冗談を別の冗談に置き換える工夫をしたりしているという)
また、この角川文庫の挿絵は、出版当初の、当時風刺漫画で有名だったジョン・テニエル(1820~1914年)によるものであるが、1907年に英国で作品の著作権が切れて以降、アーサー・ラッカムなど、世界中の挿絵画家によるものが出ている。
本作品は、松岡正剛氏が有名書評「千夜千冊」(1598夜/2016年1月)で取り上げているのだが、この作品自体の評価はなかなか難しい。松岡氏は、「ルイス・キャロルには、むろん何か格別に天才じみたところがあったにちがいありませんが、この人は全体としてはもともと変な子であり、長じても変な大人だったと思います。まずは、そう思ったほうがいいでしょう。・・・案の定、へんてこ世界のアリスを誕生させた。」と書いているのだが、この作品は、大人の理屈を持ち込んで読むのではなく、子どもが子どもの感性で楽しむ世界なのだろう。そういう意味で、大人にとっては、子どもの感性を一時でも取り戻すために手に取ってみるのもいいのかもしれない。
(2020年4月了)