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Posted by ブクログ
自信満々に誤った推理を展開する、尊大だがどこか憎めないモース主任警部と、お人好しで翻弄されてばかりな反面、モースの推理をたったひとことで崩してしまう意外な鋭さももつルイス部長刑事。そんなふたりの凸凹コンビぶりが相変らず楽しいシリーズ第5作(前回読んだ『ウッドストック行き最終バス』が第1作とのこと)。
イギリスの郊外が舞台だけに登場人物も限られ事件の内容も地味とはいえ、そういうことだったのか!!と唸らせる仕掛けはなかなか。
作者も訳者も『ウッドストック行き〜』と同じなのに、文章のリズムが異なり読みやすかった反面、モースのとぼけた笑いが薄まっていたのはすこし残念。ルイス部長刑事の登場も後半からでやきもきさせられた。
それにしても、このシリーズに登場する中年男性はなぜこうも揃いに揃ってモテるのか……。
Posted by ブクログ
あるパーティの席で、モース主任警部はアン・スコットという好みの女性に出会い気投合。しかし、再び出会ったとき、彼女は冷たい死体となっていた。状況は明らかに自殺だが、彼には納得できなかった。
しかも困ったことに、管轄違いで捜査権は彼には無い。うっかりすると犯人に間違われかねない状況の中、ひそかに事件の周辺を調べる彼の目前で新たな殺人が・・・
モースというのは、気まぐれで女好きで独身のちょっと変わり者だが有能な警部。ここまでは英国のミステリにはよくある警官像だが、ちょっと違うのは彼が、彼が結構インテリだって事でしょうか。
モースの好きな音楽はワーグナー、趣味はハイレベルなクロスワードパズル、この作品でもオックスフォード読書協会の常連だったりします。捜査の天才といわれるほどの彼が、今回は時には同僚に追われたりしながら、真実にとたどり着く、そのさまが面白い。
一方で、事件に関与するのと交換に、同僚のベルが警視に出世するのを、指をくわえて見ざるを得なくなって。デスクワークや付き合いの下手な自分には出世はむかないことは判りながら、それでもうら寂しいモースが結構可愛いですね。
1980年代ころ、英国本格ものの主流だっただけの事はある重厚さ。読んで損は無い作品だと思います。
以下、ちょっとネタばれですので、未読の方は読まないでください・・・・謎解きは・・・とり○○○○ものがたり。ある意味、イージーな手だけど、行き着くまでのやり取りの面白さで、それなりの厚みはある・・・・
Posted by ブクログ
十年ぶりに書庫から顔を出したコリン・ デクスターの「モース警部シリーズ」十数冊。その中から忘れている話を読み始めました。
いまではオックスフォードまでグーグルのストリートビューであっという間に飛んでいけますが、当時はイギリスの地図を指で追いながら小さなジェリコ街を探していました。隔世の感があります。
「あたしの住所はおわかりでしょう?」彼女はささやいた。
彼はうなずいた。「しかし、お名前を知りません」
「アンよ。アン・スコット」
彼は微笑みをうかべた、ほとんど幸福そうな笑顔だった。
「あなたのお名前は?」
「モースです」警官は言った。(大庭忠男訳)
翻訳がとてもいい名訳です。
モース警部シリーズのなかでも1,2をあらそう傑作です。本作でミステリー界の最高勲章シルヴァー・ダガー賞を受賞しています。シルヴァー・ダガー賞2回、ゴールド・ダガー賞は「オックスフォード運河殺人事件」で受賞していますがイギリス人でなければ分かりにくい作品です。
背後にギリシャ悲劇ソフォクレスの「オイディプス王」が隠れていたり、ラストのどんでん返しで読者にも全てが明瞭になるというミステリーの王道です。
Posted by ブクログ
モース主任警部第五弾。
パーティで偶然会った若い女性に家に招かれ、
半年後にふらりと訪れたモース警部。
もちろんロマンス的な展開にはならず、
鍵が開いていた部屋の1階には誰もいなかった。
だが、その夜に女性が首つり死体で発見される。
女性の部屋を訪れたのを隣の男に目撃されていたモース警部は…。
といっても今風に、警部が犯人だと疑われたり、
内部監査をうけたり、警部を陥れる陰謀だったりはしない。
いつも通り推理が迷走して、
女性の自殺の理由は自分の息子の子供を妊娠してしまったからだ、
とルース刑事に主張していた。
身代わりのトリックは前回も見たような気がするが、
今回のトリックは見事だった。
それと、重要な証拠の指紋が、実はモース警部のものだったということも。
今回はモース警部が女性の家を訪れたのが遅すぎたというほろ苦い最後だったが、
前作の最後で、モース警部が家を訪れた女性とはどうなったのか?
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