本書は、イギリスの作家、コリン・デクスターの「モース警部」シリーズの第一作。このシリーズも、私が好きなシリーズの1つだった。「モース警部」シリーズは、イギリスではTVドラマ化もされており、人気のあるキャラクターであったようだ。
筆者のコリン・デクスターは、1930年生まれ、2017年3月に86歳で亡
...続きを読むくなられている。デビュー作である本書「ウッドストック行最終バス」は、本国では1975年に発表されているが、日本での翻訳の発行は、1988年11月であり、本国での発行から10年以上の年月を経ての翻訳となっている。
本シリーズは、本格推理小説としても高く評価されている。例えば。
■2012年の文藝春秋による、海外ミステリーオールタイムベスト100の中に、シリーズの中から「キドリントンから消えた娘」がランクインしている。
■1990年に英国推理作家協会が選出した「史上最高の推理小説100冊」の中に、シリーズから「ジェリコ街の女」がランクインしている。
■ハヤカワの海外ミステリー・ベスト100の中に、シリーズから「ウッドストック行最終バス」「キドリントンから消えた娘」がランクインしている。
モースは、ひらめき型・天才型の警部。理詰めで謎解きをするよりも、ひらめきでストーリーをつくって、そのストーリーに沿って、捜査を進めていくタイプだったと記憶している。他のシリーズにはないタイプの主人公であり、私はそこが好きだった。