【感想・ネタバレ】キドリントンから消えた娘のレビュー

あらすじ

二年前に失踪して以来、行方の知れなかった女子高生バレリーから両親に手紙が届いた。元気だから心配しないで、とだけ書かれた素っ気ないものだった。生きているのなら、なぜ今まで連絡してこなかったのか。失踪の原因はなんだったのか。そして、今はどこでどうしているのか。だが、捜査を引き継いだモース主任警部は、ある直感を抱いていた。「バレリーは死んでいる」……幾重にも張りめぐらされた論理の罠をかいくぐり、試行錯誤のすえにモースが到達した結論とは?アクロバティックな推理が未曾有の興奮を巻き起こす現代本格の最高峰。

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Posted by ブクログ

「ウッドストック行最終バス」に続くモース警部シリーズ2作目。前作に続いてルイス部長刑事とコンビを組んで捜査にあたる。

モース警部が事故死したエインリー警部から引き継いだ仕事は、2年前に失踪した少女の捜索だった。 エインリーは何らかの調査でロンドンを訪れ、その帰りに自動車事故で亡くなったが、その直後失踪したバレリー・テイラーから両親のもとに無事を知らせる手紙が届く。 しかしモース警部の直観は、バレリーは既に死んでいると告げていた。 手紙は本物なのか。 エインリーは何かを掴んでいたのか。 モースはルイス部長刑事とともに捜査を始めた。

モースの独特の推理と、常識的なルイスとの掛け合いとともにストーリーは進んでいく。 明確な読者への挑戦はないのだけど、終盤では謎を解いてみたくなって、前の方のページに戻ったりしながら読んでしまう。 そして真相は想像を超えていて、やられた!という爽快な敗北感が残る。 これぞミステリーを読む喜び。

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2021年04月24日

Posted by ブクログ

「ウッドストック行き最終バス」を読んでから、10年ぶりくらいのモース警部ではないだろうか。長いこと積んでしまった。

モースという人物にイライラしたり、早く解決しろとモヤモヤする方は、肌に合わないだろう。彼の妄想爆発推理、仮説に次ぐ仮説。これを楽しめる読者の私は、この物語を終わらせたくなかった。ずっと彼の推理に寄り添いたかった。もちろん真相は知りたかったですけども…
相棒のルイスが呆れ果てるほどの、モースの変人っぷり。偉大な探偵達に背を向けるアンチ名探偵。

何度もモースの推理に驚かされ、そして笑わせてもらった。バークリー作品にもいえますが、正統な流れから逸れて、意表をつく。これが私は愛おしい。

コロコロかわる推理から導きだされたなれの果て。この真相であって本当によかった。拍手喝采の結末をぜひとも味わってほしい。

ドラマ版モース警部?いつかみますね…

オススメマラソンその⑤
窓辺さんから紹介してもらいました。

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2018年05月31日

Posted by ブクログ

モース警部、二作目。
モース警部の推理爆弾(?!)がいたるところで爆発。
やっぱり笑いながら読む本でした。
そう割り切って読み続ければこのシリーズも納得。

それにしても女好き、酒好きで相棒ルイスにとってはやれやれ(;一_一)な人ですね。

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2013年10月08日

Posted by ブクログ

モース主任警部の2作目。モースは鋭い直感が持ち味だが、今回は推理がことごとく空回りする。読んでいる私でさえ強引過ぎるなあ、と思っていたら、やはり失敗ばかりで、とうとうモースは事件を諦めようと追い詰められたりする。決して警察官として優秀ではないところが、このシリーズの面白さなのだろう。この話では、実はたくさん推理した中のひとつが”当たり”なのだが、ちょっと消化不良だったかな。

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2025年03月20日

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2024.09.21
気長に構えて苦笑いしながら読む一冊。
モースさんがどうやって警部にまで昇任できたのか彼のひととなりが気になる。
現実の捜査もこんなふうに行ったり来たりなのかも。

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2024年09月21日

Posted by ブクログ

ミステリ。モース主任警部。
著者の本を読むのは4冊目。
3冊読んで4冊目に挑戦している訳なので、何かしらの魅力を感じてはいたが、シリーズの面白さを明確に認識できた一冊。
読んでいて連想した作家はアントニイ・バークリー。
個人的に思う作品の魅力は、モース警部の想像力を活かした捜査スタイル。
証拠からストーリーを考える論理的手法ではなく、ストーリーを考えてから証拠を集めるスタイルが特徴的。
このスタイルのおかげで、一冊を通して推理がひっくり返され続ける。
最後の最後まで、事件の輪郭が掴めず、何が起きているのかも分からない。ホワットダニットというやつか?
独特のユーモアもあり。
自分のなかではかなり印象的な作品になりそう。

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2023年12月11日

Posted by ブクログ

これがコリンデクスターの個性か。何度も何度も推理に失敗し、想像力を武器に新たな仮説を組み立てるモースがとてもいい。非常に印象深い作品。

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2019年10月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

掘り出し物ミステリー探しの一環で読んだ作品。
私にとって、コリン・デクスターは初モノ。
本書には、各章の頭に様々な本から引用された寸言が配置されている。
そして、第32章には、コナン・ドイル『四つの署名』の「ありえないことを除去してあとに残ったものは、どんなにありそうにないことでも、真実に違いない」、実はこの作品の骨子となる言葉でもある。
主人公のモース主任警部は、同僚刑事の死によって、2年前に失踪した娘の事件を引き継ぐ。それは、つい最近両親に無事を知らせる手紙が届いたからだが、モースは直感的に「彼女は死んでいる」と推理する。
では、その手紙は誰が何のために書いたのかという疑問を軸に、関係者をあたるモースと相棒のルイス。そして、関係者の中から新たな殺人事件が発生。
モースの無尽蔵に湧き出てくる仮説は、次々と明らかになる事実によってことごとく砕け散る。実はその過程で、本当の真実に近づいていたのだが…
帰納法的推理を重ねながら、モースが最後に到達した真実とは?
新機軸の本格推理小説です。
本書の最後の一文。
「家出娘たちの中のあるものは、決して帰ってこなかった…永久に」
さて、娘は殺されたのか、それとも…

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2025年08月02日

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うーん、ちょっと話の流れが二転三転というより、まわりくどく感じてしまい残念。

ドラマを、特にヤングモースの方を見倒して、なんとなく自分の中で人物造形が出来上がってしまっていたからかも知れない。
「ウッドストック」は読むか考え中…

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2025年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ベイリーがエイカム夫人になっていた
ベインズを殺したのは中等学校のネットワークを伝ってベイリーの醜聞を知ったベインズが夫を強請るのがわかったから

応用科学の成績が良いから車に興味もつはずとモースが気付いた
ベイリーはフランス語を話すのは簡単

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2024年09月20日

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テレビドラマにもなったモース警部シリーズ2作目。同僚の死によって引き継いだ行方不明の若い女性探しが思わぬ複雑な事件になっていて…というストーリー。ただ、モース警部がわりと気分屋っぽいところがあるのと、彼の捜査はミスを積み重ねて可能性を消去していって、最終的に残ったものが正解というパターンで進行する。これが通常みられる小さい正解を積み重ねていって結論に到達するというパターンとは全く異なっている。そのため、モースの行動を味わい深いとみるか、「いやモース、そうじゃないよ。もうちょい考えなよ」と思うか、要は読者の嗜好で評価が大きく分かれるシリーズだ。なお、本作は導入から容疑者が絞られていくところまでは面白いのだが、そのあとモースが延々とハズレを引き続ける様子がちょっと厳しい。

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2023年04月16日

Posted by ブクログ

早川書房の<このミステリがヤバい!>フェアから一冊。妄想で組み立てた仮説に従い猛進し、玉砕しては再トライを繰り返すモース警部と内心辟易しつつも追従するルイス刑事という迷コンビが探偵役。事実確認をせずに突っ走るので、リセットする度に方向転換する推理の応酬が見所と思われる。二転三転どころの話では済まないプロットだが、捜査情報の真偽が曖昧なまま蓄積しては錯綜するので、煩雑さもひとしお。ラスト一頁まで物語をリードする牽引力はあるが、読み甲斐を問われると言葉に詰まる。一連のプロセスを愉しめるか否かが分かれ目の様な。

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2021年02月06日

Posted by ブクログ

これも何年かぶりに読んでみた。
やはりストーリー展開も犯人もすっかり忘れてた。
★★★としたけどまあ★★+。

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2013年03月18日

Posted by ブクログ

『起こった可能性のある事実は多い。起こっただろうと思われる事実もかなりある。しかし、確かな事実はほとんどない。』

ありえそうなこととありえること、考えそうなことと考えられること、の話。何を求めて読むにしろ、隙間時間で読めるような本ではないことはたしか。反転を繰り返しているようで、実はしっかりと指向性をもたせている。一種のサブリミナル効果といっても過言ではない、此の人の作風なのだろう。

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2010年04月17日

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