ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
故郷を飛び出し、静かに暮らす同窓生夫婦。夫は毎日妻の弁当を食べ、出社せず釣り三昧。行動を共にする後輩は、勤め先がブラック企業だと気づいていた。家事だけが取り柄の妻は、妹に誘われカフェを始めるが。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
山本文緒が2013年に発表した『なぎさ』は、物語を総括するのが難しい。 〈カフェもの〉かといえば、そんな浮ついたものでもないし、ましてや〈恋愛もの〉なわけない。そういう要素もあるんだけど、それは添え物に過ぎず、じゃあメインディッシュは何なの?と読み終わったあとにしばらく考え込んでしまった。 視点...続きを読む人物は2人いて、横須賀市の久里浜を舞台に「私」と「おれ」が交互に語り手となる。 「私」=冬乃は、長野の須坂市から久里浜に移り住んだ垢抜けない中年女性。 「おれ」=川崎君は、しがない営業職のサラリーマン生活に澱を溜まらせる若者。 この2人を中心に、その周辺の人々を巻き込んだ、いくつかの些細な出来事が描かれる。 もし、物語の舞台が横浜や鎌倉だったら〈オサレカフェもの〉まちがいないのに、久里浜だもん!しかしそこに山本文緒の狙いがある。 山本が描いたのは、2010年代の日本に蔓延していた社会の閉塞感だ。久里浜という凡庸な町で生きる人々が、何かから搾取される物語だ。 奪う主体は、いけすかない社長や会社、得体の知れない友人、希望を語って近づく企業、生活保護の毒親、あるいは自分がこじらせた夢、あるいは家族。 ブラック企業にしがみつく人や、家族の絆に縛られる人の不幸は、いったい誰のせいなのだろう? そんなことを考えさせる物語だ。 もちろん閉塞感の中にも救いがあって、飄々と生きる「所さん」や、あっさり飛び立つ「菫」や「百花」、社会に適応できない「紅シャケ君」の存在するこの世界って、捨てたもんじゃないのだ。 ある意味では、世界を肯定する閉じ方で、やっぱり山本文緒が紡ぐ物語はすごい!と思った。
冬乃とそのダンナ、佐々井、川崎とその恋人、百花。この2組のカップルや、その他の人物のつながりが分かりはじめたとき、「あ、これはおもしろい!」と思いました。冬乃と川崎、2人の語りで進行していきます。 冬乃と川崎の心が、丁寧に描かれており、とちゅう目頭が熱くなるところが何ヶ所かありました。思うようにな...続きを読むらない2人のもどかしさが、よく伝わってきます。 冬乃の心の支えとなっていた、年配のおじさまの言葉 「生きていくということはやり過ごすことだよ」 この言葉、刺さりました。私も袋小路に入ったようになっていたとき、似たような言葉を職場の先輩にかけられたことがあったからです。それは、「流れにまかせて」でした。これまでの人生、人に、言葉に助けられていました。 川崎の言葉の中にも、刺さるものがありました。それは、 「巻き込んだり巻き込まれたり、みんなそうやって生きているのだろうか」 はて、私はどっちの方が多かったのだろう。身近な人に迷惑をかけたこと、多かったなあ。反省しきりです。 川崎くん、25才。こんな弟いたら、正直ちょっと大変!(笑)ですが、でも「ガンバ」って言ってあげたいです。 山本文緒さんの作品、好きです。それは本当のことが書いてあるから。受け取り方によっては、キツく感じてしまうかもしれないけれど。でも、突き離されたという感じで終わるのでなく、優しさを感じるのです。 山本文緒さんが他界される(2021年)の少し前、TVで拝見し、気さくな方で「親戚のお姉さんでいてほしい」と思い、いきなりファンになり、さっそく作品を読み始め、ほどなくしての訃報。ショックでした。 これまで5冊ほど読んでいます。その他の作品もゆっくり読んでいきたいです。
久しぶりにジーンときて、人生頑張ろうと思えました。働きすぎで自分が何やってるかわからなくなって似たような状況が小説ほどではない忙しさだったけどやっぱりやばい状況だったんだなって客観視できました。この物語から何もうまく行ってることはないけどそれでも人を大切に自分の意志をもって生きていきたいと思えました...続きを読む。菫ちゃんのことももっと知りたかったな(^^)
姉妹と夫婦と他人と、血の繋がりがなくてもあたたかい関係性を築く様子が描かれている物語。山本さんの小説は話の展開が読者を惹きつけるなぁと思いました。「プラナリア」「恋愛中毒」に引き続き、人間の持つ嫌な面を描写するのが非常に上手だと感じました。 内省しながら読むのが好きでした(^^)
久里浜で、金を無心する両親に苦しめらる冬乃と菫の姉妹、芸人になる夢を挫折して生きる目的を見いだせない川崎くんなどが、日々の暮らしに苦労しながら何かを掴んでいく。落ち着いた文体で読んでいて心地よいしっかりした長編。じんわりと心が暖かくなったりした。
生きていくとはやりすごすということ。 生きるというのは複雑で、自分の望むようにはいかないものだ。 自分が一生懸命頑張ったつもりでも、あっけなく終わりが来てしまって無力感を感じたり、誰かに必要とされるがまま生きてきたら食い物にされることだってある。 そんな生きる難しさの中で、誰かに頼りたくなったり...続きを読む、それがいつの間にかそのうち自分と他人の境界線を超えてしまって人を苦しめてしまったり。 そんな関係性が怖くなり、もう手を伸ばすこと自体をなんとなくやり過ごしてしまったり。 とはいえ、生きるを諦めることも、成層圏から人を見下して楽しむことも愚か。 きっと自分が羨ましいと感じる人にも、自分が想像し得ない苦しみがあり、しがらみがある。 みんな失敗しながらも、未熟ながらも、日々生きる中で重ねる小さな成功体験を希望に生きていくしかない そんな解釈をした。 私も仕事をしていて、他に自分に合う環境がどこかにあるのではと探してしまうこともある。 ただそんな環境はどこにもなくって、やっぱり自分で諦めずに、時々やりすごしながら、誰かに適度に頼りながら やりすごしていくしかないんだな、と思えた
姉妹ではじめた海街のカフェ、 芸人を夢見たけど、家庭をもつためにブラック企業で勤める若者、 一見、夢見がちな人たちの地に足ついてない話のようにみえる。 けれど、逃げられなかった現実の重さや 人生自体を誰かに相乗りして自分を保とうとした弱さをしっかり見つめている。 一見にていない冬乃と川崎は、どこか似...続きを読むている。 背負った生来の重さに向き合ったとき、ようやく自分の人生が動き出す。 人は凹み、傷付き、けれど少しずつ再生する。
頭が良いことと良い人であることは別でありましろ相反する、登場人物を全員ならべるとまさにそのことがグラデーションとなってかんじられる、そんな一冊。
大好きな作者、山本文緒さんの作品に読む前からワクワクしました。 家族の中でおこる一つ一つの出来事に、時には思いやる気持ち、憎む気持ち、支配しようとする気持ち、余裕のなさから相手に切り込んでしまう言葉の数々に作者さんらしい作品だなと。 家族以外の登場人物もどう説明して良いのか、本人にも何故そうしてまう...続きを読むのか分からない所に人ってそうだよねと思ってみたり。 結局最後には相手を思う気持ちがあればそれが正解になるのかな。
様々な事に振り回されながらも生きる人達のお話 メインの視点は、平凡な自分というものと生き方に迷っている女性と、芸人を諦めた男がちゃんとしたところで働けるようにする話 故郷とは違う、海沿いの見知らぬ街で暮らす同郷の夫婦の冬乃と佐々井 そんな中、ここ数年連絡のなかった妹の菫が、住んでいるところがボヤ...続きを読む騒ぎを起こして転がり込んでくる。 菫はすぐに街に馴染み、元スナックを居抜きでカフェをやると言い出し、冬乃も巻き込まれていく。 一方、元お笑い芸人の川崎は、同窓会をきっかけに付き合い始めた彼女のために芸人をやめて働きだし、現在は佐々井の部下。 仕事は暇で佐々井が仕事をサボって釣りをするのに付き合い、冬乃が作る二人分のお弁当を食べるような伸び切った生活。 しかし、仕事が激減する事になった得意先の秋月の許しがあった事から、仕事が激増してブラック会社としての被害を受けていく事になる。 主な登場人物 冬乃、妹の菫、夫の佐々井くん 所さん(仮称) 佐々井の部下の川崎 川崎の彼女の百花、芸人時代に繋がりのあった杏子 得意先でいいように扱き使ってくる秋月 秋月に紹介されたナオミ そして、飽きる事を繰り返すモリ これは夫婦の物語なのか? 家族の物語なのか? 人の自立の物語なのか? 主眼がよくわからない それにしても読み進めるのが辛い物語であった 夫婦のすれ違いもそうだし 途中で事情が明らかになる家族の不和というか両親の依存だったり 川崎のブラック環境だったり、佐々井のメンタルだったり 著者の山本文緒さんもうつ病で苦しんだという話を聞いたので、ご自身の体験が反映されているのだろうなぁと思う 物語を通じてその苦しさやどうしようもなさが読者まで伝わってくるというのも、流石の文章力と言えるかもしれない 冬乃と佐々井の夫婦の絆の一つとして料理がある気がする 毎日お弁当を作って渡す冬乃 「食事の用意をすることでしか私は夫と繋がれないような気がしていた」とも感じていたけど 佐々井が会社を辞めて、自分の食事を用意する事に気を遣わなくて良いと言ったところが関係が断ち切られたように思ったきっかけかなと思う そして、冬乃が帰ってきたときに佐々井が挽き肉と豆のカレーを作っていたところが再び繋がろうとしたきっかけかな あと、二人でカフェをするという提案も、料理を通じて二人で同じ方向を向くという構図になっている気がする 菫もなぁ 最初は胡散臭い存在に思えてたけど 菫なりに冬乃の事を考えていたわけだし ボヤの原因に関しても口を割らなかったというのは、やはりそんな想いがあったという事でしょう そして、引っ越し先を両親に伝えていたというのも、冬乃ほど割り切れていないという家族の情を感じる モリに感化されていそうで、最後までは踏み切れてないんだよなー 特定の家を持たずに友人知人の家を渡り歩き、いつでも身の回りのものを捨てられるようにしてフィービジネスで生きているモリ 何かを始めてもいつか「飽きる」事を考えている このモリという存在がメインの主人公達以上にやたらと目立つ 様々な面で他の人達の対局の存在で、どうも読者の感情をざわつかせる役割 なのに、とある言葉には人生の秘訣の一つが含まれている気がする 「同じ悩みにそろそろ飽きろ。人生の登場人物を変えるんだ」 言われてみれば、人生の悩みは人に付随する事が多い 問題のある人との関わりを絶てば自然と悩みはなくなるのかもしれない まぁ、だからといって実践する気はないけどね そんなモリも最後には 「おれは、お前のようには絶対ならない」 と否定される でも、本人にはまったく響いてないんだろうなぁ
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
なぎさ(角川文庫)
新刊情報をお知らせします。
山本文緒
フォロー機能について
「角川文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
ブラック・ティー
プラナリア
恋愛中毒
アカペラ(新潮文庫)
あなたには帰る家がある
カウントダウン
かなえられない恋のために
紙婚式
「山本文緒」のこれもおすすめ一覧へ
みんなの公開リストをもっと見る
一覧 >>
▲なぎさ ページトップヘ