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2015年又吉直樹の芥川賞受賞へと続く、戦後日本における「文学」の流れを「文学以外の小説」とともに語ることで紐解き、いったい「文学」に何が起こっていったのか、これからの「文学」の行方について論じる。取り上げる作家は、村上春樹、村上龍、栗本薫、高橋源一郎、よしもとばなな、阿部和重、小松左京、筒井康隆、綾辻行人、京極夏彦、西尾維新、又吉直樹、ほか多数。
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Posted by ブクログ
文学といいながら、いわゆるエンタメ(ミステリやらSFやら)にまで踏み込んだ内容で、とても読み応えあり。最初に書かれているように、純文学も一つのジャンルと考えての論考で、こういう切り口も断然アリだと思えた。どちらが優れているかっていう不毛なやり取りよりも、どちらも同列に扱う方が、寧ろ双方に対するリスペ...続きを読むクトの証左とも思えるし。何よりも、ジャンル横断的に重要作家が網羅されているのも見どころ。読書ガイドとしても高品質な側面を持つ。他の著作:ニッポンの思想も手に取りたくなりました。
最近小説はSFしか読まなくなってたけど(SFだけでも読まなきゃいけないものがまだまだあるという焦燥!)、「ニッポンの文学」は少年時代にSFに熱を入れつつもあらゆる「文学」を縦断してきた佐々木敦先生による完膚なきまでのブックガイドになっていて あえて避けていた新本格ミステリなどあらゆる小説がめちゃく...続きを読むちゃ読みたくなってしまい、むしろ「ニッポンの文学」読むんじゃなかった、という後悔の念さえ覚えるほどの「熱」があった。これは「ニッポンの思想」や「ニッポンの音楽」でも感じなかった、思い入れのような何かだ、きっと。 (Twitterより)
朝日の書評?に上げられてたから読んだんだけど、おもしろかったー。 春樹の登場を栗本薫などの流れにおいてるのもなるほどー、と。どうも栗本薫取り上げられてるの、あんま見たことなかったんでね・・・。 著者のブンガク?愛があふれてて、この本読みたい!て気にさせられるのがいっぱい。今まで名前は知ってたけども、...続きを読むなんかイメージだけで敬遠してた人もいっぱい紹介されてたので、蒙をひらかさせた気分。ひとつひとつ読んでいこうと思う。
文学史としては、成功していないが、SFや本格ミステリを含めた小説の批評としては成功しているのではなかろうか。
1番良かったのは高橋源一郎論。そしてここ30年ほどのSF史を過不足なくまとめたところである。これは、佐々木敦の講談社現代新書『ニッポンの--』のシリーズの第3弾、順番は《思想》、《音楽》、《文学》。次は《映画》だろうか。そのテキストは評者自信の生(なま)の声(好悪の感情)を抑えて綴られているけれど、...続きを読むそれは若い読者への啓蒙的な使命を胸に秘めているのだろう。
「佐々木敦」という著者を知らなかったのだが、これまで「ニッポンの思想」、「ニッポンの音楽」の2冊を下記連ねてきて、本書は第三弾らしい。 80年代からの(純)文学の系譜を論じながら、その筆はエンタメ系であるはずのミステリーやSFを論じる時に最も熱を帯びる。 それぞれの作者や作品に対するコメントは簡...続きを読むにして要を得、かつ語彙が適切に選択されており、同感できるものが多い。 芥川賞がある限り「文学」は存在すると言いながら、「文学」と「小説」の融合を夢想する著者ではある。(ただ、文学はかつて小説、詩歌を含む上位概念であったような..)
北上次郎さんの書評の対象になる、エンターテイメント小説。時代小説。 そういうものが、多分、70年代とは異なる。
誰かの本紹介から(誰だっけ)、興味がわいて読んだ。 周辺知識が読書をより一層面白くする、というのは実体験があったため、昔では絶対に手を取らないであろう類の本だったが、難なく読めた。 タイトルにある、文学という言葉。 深掘りしたことはなかったが、文学とは何かと言われると全然わからない。 小説とは?文...続きを読む学とは?ミステリーとは?本屋で何度も見るけど、どう違うんだっけ?という感じ。 本書では70年代から2010年までの小説やら文学やらの変遷を紐解く。 火花の話は出てくるだろうなと思っていたら、クライマックスで出てきてテンション上がった。(未読だけど) 直木賞とか、読書家の常識みたいなことが分かって良かった。
『ニッポンの思想』および『ニッポンの音楽』(ともに講談社現代新書)とならぶ三部作の第三弾です。いわゆる日本文学史とは異なり、ミステリやSF、ライトノベルなど「文学」に接するジャンルにも立ち入ることで、日本の「文学」という制度を問いなおし、その境界が溶解しつつある現状を明らかにする試みともいうべき内容...続きを読むになっています。 本書では、各年代ごとの代表的な人物をとりあげて時代的な変遷を大胆にえがきだす試みがおこなわれていた前著とは異なり、ミステリやSFといったジャンルごとにそれぞれの代表的な作家を紹介しています。ただそのぶん、著者自身の独自の観点が示されているわけではなく、比較的簡潔な概要を紹介するにとどまっているのではないかという不満もおぼえました。 同様の問題意識を独特の観点からくり返し論じている批評家に大塚英志がおり、本書でも彼の『サブカルチャー文学論』(朝日文庫)での議論や、笙野頼子とのあいだでなされた論争にも言及されています。ただし大塚のばあい、サブカルチャーが相対するメイン・カルチャーがいまや一つのジャンルにしかすぎなくなってしまった現状に対する彼自身の屈折した批判意識を梃子にして、メイン・カルチャーがいまや放棄してしまった責任のありかを逆説的に浮きあがらせるという、ある意味で悲劇的な試みがなされています。これに対して本書では、「文学」が一つのジャンルにすぎなくなった現状をそのまま受け入れることで、本書のような文学についてのガイド・マップが成立していることに対する反省が欠如しているように感じられます。 そうした批評意識がもはや時代遅れのものになってしまったことを承知しつつも、すくなくとも一度くらいはそのことを顧みておく必要があるのではないでしょうか。
純文学、SF、ミステリ、ラノベと、守備範囲が広い文学論で興味深かった!村上春樹は「日本語で書く英語作家」であり、「日本語で書かれたアメリカ文学」という指摘にはミョ〜に納得!
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ニッポンの文学
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佐々木敦
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