佐々木敦の作品一覧
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Posted by ブクログ
実は過去に挫折している本。
文章(小説)の表現に悩んでいたので何かのきっかけになればと手に取ったが、当時は哲学書どころか小説しか読んだことがなく、難しく感じて序盤で諦めてしまった。
最近は小説以外のジャンルに興味を持ち読むようになり、今なら読めるかもしれないと再挑戦。
ちゃんと読むと惹かれる講が多く、時間はかかったものの読み切ることができた。
ウィトゲンシュタインの「語りえぬものについては、沈黙せねばならない」を全講において意識しており、そして強く共感した。
哲学から小説から様々なジャンルの本から魅力的な文章が多数引用されている。
有名な言葉や著書を知らない私のような初心者にも丁寧に説明してくれるので有り難かった。
言葉の扱い方、書き方だけでなく読み方にまで言及しており為になる。
読んでいく中で自分はミステリにはロジックを求めるのに、書くことにはレトリックを求めていたことに気付けたのも良かった。
第十二講は私も大切にしていることであり、一度文を書きはじめる前にこの講を読んでから着手してみたい。
これから文章を書いていく中で確実に思い出すであろう本だ。
ただ著者は村上春樹が好きらしく幾度か出てきたが、私はかなり苦手なのでその部分は参考にならなかった。
Posted by ブクログ
浅田彰「構造と力」を起点として2020年代までのニッポンの思想を鳥瞰できる一冊。とはいえ、著者の解釈がふんだんに盛り込まれており淡々と歴史を述べていくだけの解説書とは異なり、熱量を感じさせる。
2025年も年の瀬の現在。果たしてニッポンの思想の行く末はどうなっていくのかと思慮してみる。本書では千葉雅也と國分功一郎という二大スターを終点としているが、彼らはともに70年代生まれ。昨今80-90年代の思想家・批評家・文筆家の台頭が著しいと一種の期待感も込みで感じている。
言わずもがな文芸評論家にしてマルチ活動目覚ましい三宅香帆や谷川嘉浩、戸谷洋志などが頭によぎる。その他人文書を読んでいると同世代の著者が徐々に増えてきて、しかも一定の評価とセールスを記録している。
彼らの共通するポイントは、アカデミックを振りかざすことなく、一般的な事象から現代の特に若者への批評や洞察を繰り広げる。ゼロ年代一人勝ちの東浩紀が展開してきた思想は公共性やつながりといった範囲が広いものであるが、20年代は語るべき対象がより個別具体的になっている、と感じる。かといって「小さな物語」へ収縮しているのではなく、時代を読むというまなざしを有する。
何を言いたいかというと、素人な私にリーチしやすい。かつ、彼らの活動は文筆にとどまらずネットメディアへの露出も積極的。Podcast番組を持っていたりとか。20年代の思想家はその主義主張ではなくアイコンとしての魅力を携えているのだと。他分野の例えばお笑いやスポーツや料理などとある一面同じ土俵で評価されるうる存在なのだな、というのが近頃の実感なのです。
まったく本書の内容に触れていない。素敵な解説や感想が多くあるのでそちらをご覧ください。それでもってぜひ読んでみてください。80年代の衒学的な雰囲気とか異世界感があって逆に新鮮ですよ。