佐々木敦のレビュー一覧

  • ニッポンの思想 増補新版

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    浅田彰「構造と力」を起点として2020年代までのニッポンの思想を鳥瞰できる一冊。とはいえ、著者の解釈がふんだんに盛り込まれており淡々と歴史を述べていくだけの解説書とは異なり、熱量を感じさせる。

    2025年も年の瀬の現在。果たしてニッポンの思想の行く末はどうなっていくのかと思慮してみる。本書では千葉雅也と國分功一郎という二大スターを終点としているが、彼らはともに70年代生まれ。昨今80-90年代の思想家・批評家・文筆家の台頭が著しいと一種の期待感も込みで感じている。

    言わずもがな文芸評論家にしてマルチ活動目覚ましい三宅香帆や谷川嘉浩、戸谷洋志などが頭によぎる。その他人文書を読んでいると同世代

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    2025年12月05日
  • 「書くこと」の哲学 ことばの再履修

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    様々な例が挙げられており、また一つ読みのポイントを見つけられた。
    とりわけ「第七講 話し言葉と書き言葉」が興味深い内容だった。

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    2025年09月30日
  • 公式トリビュートブック 『チ。 -地球の運動について-』 第Q集

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    よすぎ!!!!!!!!!!
    チ。から広がってしらない界隈の人の話がきけるのまじ心に栄養。朝井リョウの小説泣くて

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    2025年09月13日
  • 「書くこと」の哲学 ことばの再履修

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    良質なブックガイドである。
    参照される作家たちの書くことへの向き合い方、そこから生み出される唯一無二の作品。通り一辺倒のビジネスライティングでは感じられない、滲み出てくるその人らしさを味わうこと、さらには本書の読者である私たちにもその独自性はすでに備わっているのだよ、という。

    著者の執筆スタイルである「書きながら読み返す、修正を行う」は、自分の文章の初めての読者としての書き手との共同作業。さらには想定読者たちとも作品のその先を紡ぎつづけていく。書くこととは、始まりから終わりがある一過性のものではない。そのような感じ。

    直近で三宅香帆『「好き」を言語化する技術』を読んで、本書との親和性を感じ

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    2025年08月25日
  • 「書くこと」の哲学 ことばの再履修

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    文章を書くということについて、特に「表現」について、章ごとに異なるテーマで編まれている。
    最初の数章はいかにも哲学という趣で、新書ながらやや敷居の高さを感じたが、具体的な文章作法がテーマとなる中盤は読みやすくなる。
    最初の数章は決して読者を篩い落とすためのものではなく、この書のスタンスを明らかにするためのものだったりするので、確かに最初に読むのが適当ではある(こうした議論が好物の読者もいるだろう。私も実は好み)が、気になる章だけ読んでも良いだろう。

    ビジネスに必要とされる「伝達」のための文章の書き方ではなく、表現するための文章の書き方が主題。
    ここ最近の「言語化」ブームの流れを一部汲んでいる

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    2025年08月25日
  • ニッポンの思想 増補新版

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    非常に重要で役に立つ本。
    人文系の本を推薦図書として何か1冊選ぶとするならこの本になるでしょう。
    無数にある本の海に溺れないためには、知のベースとなる領域・人物・思想が整理された、見晴らしの良いマップが必要となる。そのためのマップとして、これほど最適な本はなかなかないでしょう。
    これ1冊で重要な情報がよく纏まっていて、幅広い射程を押さえることができるので、必携で持っておきたい本である。

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    2025年08月10日
  • 「書くこと」の哲学 ことばの再履修

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    書店で目に留まり、帯の推薦文で購入に至ったもの。著者については、以前、文学史や思想史についての新書を読んだことはあるけど、そんなにはっきりした好悪などは印象に残っていなかった。でも本作は素敵。何か書きたいことがあって手に取ったものではないけど、それでも、モノを書くことに対する気構えみたいなのは変わった気になっちゃう。そんな簡単なものではないけど。主題からは離れるけど思わず首肯してしまったのは、同じものは基本的に読まず、多少なりとも違った別のものを読んでしまう、ってところ。基本的に、同じものを繰り返し丁寧に、っていう考えが大勢を占める中、確実に少数派であろうこの意見を目にすると、俄然嬉しくなっち

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    2025年06月30日
  • ニッポンの思想 増補新版

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    途中よく分からなくて斜め読みしたところもあるけどゼロから学ぶにはめっちゃ良い本でした〜
    メモをとって読んだ

    これを軸にしていろんな本行ったり戻ってきたりして日本の八○年代からの現代までの批評、思想の理解を深めたいって思えた

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    2024年03月14日
  • ニッポンの思想 増補新版

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    80年代→(文庫版化の際に増補されたものを加えると)2020年代までの日本思想を客観的に論じる

    敢えて指針が提示されず、ぼくらはどう生きるかを問われる

    この本自体としておもしろいというよりかは、思想を立ち上げてきたプレイヤー達を俯瞰的に論じてくれたおかげでこれから自分が読んでいく人たちの〈位置〉が分かるなという

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    2023年12月24日
  • キャベツになれ 数楽教師が教える数学よりも大切なこと ~人生のテストにはこれが出る~

    購入済み

    現役の数楽教師さすがです!

    数学かと思って堅い本かと思いきや、現役中学校の教師が世の中をバッサリ切り裂きながら、今を生きる子どもたちに全身全霊で伝えたいことを書き記しているかなりの力作。最近の教育本では1番インパクトがあり、何より深い。教育関係者でなくても『なるほど』と納得する言葉が多数。正直みんなが一度は読んだほうがいいと思う本。

    #深い #アツい #タメになる

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    2022年02月28日
  • ニッポンの文学

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    文学といいながら、いわゆるエンタメ(ミステリやらSFやら)にまで踏み込んだ内容で、とても読み応えあり。最初に書かれているように、純文学も一つのジャンルと考えての論考で、こういう切り口も断然アリだと思えた。どちらが優れているかっていう不毛なやり取りよりも、どちらも同列に扱う方が、寧ろ双方に対するリスペクトの証左とも思えるし。何よりも、ジャンル横断的に重要作家が網羅されているのも見どころ。読書ガイドとしても高品質な側面を持つ。他の著作:ニッポンの思想も手に取りたくなりました。

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    2018年11月26日
  • ニッポンの文学

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    最近小説はSFしか読まなくなってたけど(SFだけでも読まなきゃいけないものがまだまだあるという焦燥!)、「ニッポンの文学」は少年時代にSFに熱を入れつつもあらゆる「文学」を縦断してきた佐々木敦先生による完膚なきまでのブックガイドになっていて

    あえて避けていた新本格ミステリなどあらゆる小説がめちゃくちゃ読みたくなってしまい、むしろ「ニッポンの文学」読むんじゃなかった、という後悔の念さえ覚えるほどの「熱」があった。これは「ニッポンの思想」や「ニッポンの音楽」でも感じなかった、思い入れのような何かだ、きっと。

    (Twitterより)

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    2016年06月21日
  • ニッポンの文学

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    朝日の書評?に上げられてたから読んだんだけど、おもしろかったー。
    春樹の登場を栗本薫などの流れにおいてるのもなるほどー、と。どうも栗本薫取り上げられてるの、あんま見たことなかったんでね・・・。
    著者のブンガク?愛があふれてて、この本読みたい!て気にさせられるのがいっぱい。今まで名前は知ってたけども、なんかイメージだけで敬遠してた人もいっぱい紹介されてたので、蒙をひらかさせた気分。ひとつひとつ読んでいこうと思う。

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    2016年04月02日
  • ニッポンの音楽

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    はっぴいえんど、YMO、渋谷系・小室系、中田ヤスタカと日本のポップミュージック史を4つの時代に区切って論じている本。僕自身の音楽史観と同じなので、内容には全く同意。

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    2015年04月05日
  • ニッポンの音楽

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    70年代からゼロ年代にかけて、それぞれのディケイドにはっぴいえんど、YMO、渋谷系と小室系、中田ヤスタカといった「主人公」を置き追いかけていくので非常に分かりやすくすらすらと読み進めることができる一冊。

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    2015年01月17日
  • シチュエーションズ 「以後」をめぐって

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    凄く良かった。東日本大震災という未曾有の事態にそれぞれに衝撃を受け、以後、それぞれの立場や距離から何かを成そうとしてきた表現者たち。その数多ある表現の中から特に、必ずしも「以後」に自覚的ではない作品の中に、「以後」の徴を見出そうとした批評集。挙げられている小説や演劇のほとんどが未読・未見だが、作品やインタビュー等から「以後」の徴を読み取ろうとする著者の想像力の真摯さ、深さ、優しさのようなものに感動した。そして私も私なりに相応の衝撃を受けたのに、三年半が経ち、以前とほぼ同じように日々を送っていることに驚く。

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    2014年11月20日
  • ニッポンの思想

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    時代感覚と主客の距離感が絶妙。
    思想家をマンガのキャラのように要所に配置し、思想ファンへの配慮も事欠かない。
    続編『未知との遭遇』にも期待。

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    2009年12月09日
  • ニッポンの思想

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    うーん。内容は日本の思想界の変容がまさに変容してるようで、本質的なところをグルグルしてたところが日本的だよね。っていう感じなのかな?だから、そんなゲームボードを降りて、東浩紀は一人ゲームボードのルールを組み立て直してる←今ここっていう風に捉えた。
    これを読みながら、佐々木敦と東浩紀の火花が論壇では散っていたので、妙なタイムリーさと生々しい批評界の現場も見え隠れした。
    さて、これを書いたあとの著者の動きに注目だな。

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    2009年11月07日
  • 増補・決定版 ニッポンの音楽

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    口語体と文体が混じっていて読みにくい箇所がしばしば

    10年ごとに主人公を立てて論じるのは読みやすかった。普段聴いている曲にも、どういった文脈背景があるのか考えるきっかけになった。

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    2025年11月24日
  • 「書くこと」の哲学 ことばの再履修

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    批評家による書くためのマインドセット。独特の視点を感じる。スティーヴン・キングの影響か,小説は一気に書き切って1割削るというイメージが強かったので,行きつ戻りつ書くというのは記述論的には新鮮な方法。

    多和田葉子,磯﨑憲一郎,レーモン・クノー『文体練習』,佐藤信夫『レトリック感覚』,R・F・クァン『バベル オックスフォード翻訳家革命秘史』

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    2025年10月02日