佐々木敦のレビュー一覧
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ネタバレ#感想
「ブックガイド」と表現している方がいたが言い得ていると思う
普段小説等を読まない自分にとっては、文章表現の図鑑のような純粋な楽しさもあった
「上手い文章」などというハードルから離れて自分の言語表現をしてみようと勇気が持てる一冊
#メモ
「書けなさ」だって書くことができる
「書けない」が書くモチベーションになることだってある
考えるは、(考える)を意識した状態
考えてなくても我々は常に考えているのではないか
考えてると思ってなくても、考えている
様々な文章・文体の提示を通して、「上手い文章」などは存在しないこと
マニュアル化などできない
方法や意識については語られているが
そ -
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書きたい、のに書けない。
書ける気がしなくて、最初の一文目が書けない。
本書を読んで、最近感じている「書くこと」への障害物が明らかになった気がした。
ここのところ、「書くこと」に対峙するといつも、「厳しい批評家」がポワンと頭の中に登場する。たぶん、それはそれで必要なんだけど、最近の批評家くんは厳しすぎてパワハラレベルかもしれない。もうちょい優しくなってもらおう。それと、天使と悪魔じゃないけど、最初の一文目を、「それで、それで??」と先へ先へと促してくれる、面白がりの読者を(頭のなかに)持つこと。
だとしたら、生身のわたしは、とりあえず一文目を書く(考える)だけでいい。2文目からは、面白が -
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ネタバレ2024/6/24
日本のポップミュージックの歴史を、空間的と時間的の『内』と『外』の視点を用いて説明しているのがとても勉強になった。
リスナー型ミュージシャンが日本の音楽の時代を引っ張っていっていたことが、俳句における見立ての文脈から通ずる日本らしさを感じることができた。
この本は昔の音楽を学ぶだけでなく、今ここを認識し、これからの音楽を捉えるきっかけとなる本でもある。必読です。
不満な点は、敢えて?難しい表現を使っているところが多くみられた点。鼻につきました!
まあ、とりあえずなんでもいいから聴きまくる。知識も言葉もいらない。音だけを求めて、音だけを感じましょう。知らんけど。 -
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はっぴいえんど、YMO、渋谷系と小室系、中田ヤスタカを中心に日本のポピュラー・ミュージックの歴史をたどる。
1970年代から2010年代にかけて、「外=洋楽=欧米」と「内=邦楽=日本」の関係がどのように変化していったのかという点に焦点が当てられている。(上記のミュージシャンはみな、まだ聴いたことのない音楽を追い求める「リスナー型ミュージシャン」であった)
本書で引用されているインタビューにおける、「日本では音楽性よりもキャラクターで売れる」という細野晴臣の指摘は核心を突いている。
「多くの人が、音楽ではなく歌詞の方に感情移入していることに還暦近くになって気がついた」という坂本龍一の発言に -
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恐らく、それぞれの年代を代表させるのに、YMOやはっぴいえんど、ピチカート・ファイヴを持って来るのに、多くの音楽リスナーは不満を覚えるであろう。
しかし、はっぴいえんどやYMOの項は面白く読んだ。
が、以降、僕が興味がないのを割り引いても明らかにトーンダウンしていると思う。
はっぴいえんどから小室哲哉へのJ-Popを貫く流れは、この本では全く触れられていないが、天才少女と持て囃され、はっぴいえんどらのメンバーらと手作り感漂う良曲を発表しつつ、いつの間にか、売れる曲、ブームになる曲しか興味が無くなった感のあるユーミンこと松任谷由実の歴史と機を一にすることが理解できた。 -
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1970年8月 はっぴいえんど「はっぴいえんど」
1971年11月 はっぴいえんど「風街ろまん」
1972年5月 井上陽水「断絶」
1972年11月 大瀧詠一「大瀧詠一」
1973年2月 はっぴいえんど「HAPPY END」
1973年5月 細野晴臣「HOSONO HOUSE」(バック:キャラメルママ)
1973年11月 荒井由実「ひこうき雲」(バック:キャラメルママ)
1973年12月 井上陽水「氷の世界」
1974 サディスティック・ミカ・バンド「黒船」
1975年4月 シュガー・ベイブ「SONGS」(大瀧詠一プロデュース)
1975年6月 細野晴臣「トロピカル・ダンディー」
1975年1 -
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ネタバレ批評が忘れ去られようとしている世の中で、その忘れ去られようとしている過程を年代ごとに紐解いていき、悲観論で終わるわけでなく、時代の空気と格闘し、「観客=外部のアイデンティティ」の復興を模索する。まさに文中で東さんも述べている通り、スポーツと同じ構造だと思った。当事者性ばかりがクローズアップされるが、周囲にはプロになりたい人、アマチュアリズムでも持続する人(趣味の人とも言える)、熱狂的なファン、テレビなどでそれなりに楽しむ観客まで、さまざまな階層の人が世界を形成している。そういう息の長い哲学・理論で思考すること。それはどの世界に生きていても必要な事だと思う。教育の重要性、関わりの多様性、異質なも
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「私は この小説を書くときに、読んでくださる人が小学六年生までの漢字を読む力があれば読んでもらえるものと思ってこの作品を書き始めました」
と「氷点」を書いた三浦綾子さんがいってらっしゃいました。
この本の中で出張授業をされる先生たちは
もちろん、その道のプロフェッショナルの方たちです
そして、聴いている対象者たちは 中学生、高校生たち
その語り口が そのまま 一冊の本にまとめられました
その「語り口」を読んでいて
冒頭の三浦綾子さんの言葉を思い起こしたのです
本当の専門家は
ただ感心させるだけでなく
それなら 僕も(私も) 何かやってみよう
そんな気にさせてくれる方なのです