佐々木敦のレビュー一覧
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恐らく、それぞれの年代を代表させるのに、YMOやはっぴいえんど、ピチカート・ファイヴを持って来るのに、多くの音楽リスナーは不満を覚えるであろう。
しかし、はっぴいえんどやYMOの項は面白く読んだ。
が、以降、僕が興味がないのを割り引いても明らかにトーンダウンしていると思う。
はっぴいえんどから小室哲哉へのJ-Popを貫く流れは、この本では全く触れられていないが、天才少女と持て囃され、はっぴいえんどらのメンバーらと手作り感漂う良曲を発表しつつ、いつの間にか、売れる曲、ブームになる曲しか興味が無くなった感のあるユーミンこと松任谷由実の歴史と機を一にすることが理解できた。 -
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1970年8月 はっぴいえんど「はっぴいえんど」
1971年11月 はっぴいえんど「風街ろまん」
1972年5月 井上陽水「断絶」
1972年11月 大瀧詠一「大瀧詠一」
1973年2月 はっぴいえんど「HAPPY END」
1973年5月 細野晴臣「HOSONO HOUSE」(バック:キャラメルママ)
1973年11月 荒井由実「ひこうき雲」(バック:キャラメルママ)
1973年12月 井上陽水「氷の世界」
1974 サディスティック・ミカ・バンド「黒船」
1975年4月 シュガー・ベイブ「SONGS」(大瀧詠一プロデュース)
1975年6月 細野晴臣「トロピカル・ダンディー」
1975年1 -
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ネタバレ批評が忘れ去られようとしている世の中で、その忘れ去られようとしている過程を年代ごとに紐解いていき、悲観論で終わるわけでなく、時代の空気と格闘し、「観客=外部のアイデンティティ」の復興を模索する。まさに文中で東さんも述べている通り、スポーツと同じ構造だと思った。当事者性ばかりがクローズアップされるが、周囲にはプロになりたい人、アマチュアリズムでも持続する人(趣味の人とも言える)、熱狂的なファン、テレビなどでそれなりに楽しむ観客まで、さまざまな階層の人が世界を形成している。そういう息の長い哲学・理論で思考すること。それはどの世界に生きていても必要な事だと思う。教育の重要性、関わりの多様性、異質なも
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「私は この小説を書くときに、読んでくださる人が小学六年生までの漢字を読む力があれば読んでもらえるものと思ってこの作品を書き始めました」
と「氷点」を書いた三浦綾子さんがいってらっしゃいました。
この本の中で出張授業をされる先生たちは
もちろん、その道のプロフェッショナルの方たちです
そして、聴いている対象者たちは 中学生、高校生たち
その語り口が そのまま 一冊の本にまとめられました
その「語り口」を読んでいて
冒頭の三浦綾子さんの言葉を思い起こしたのです
本当の専門家は
ただ感心させるだけでなく
それなら 僕も(私も) 何かやってみよう
そんな気にさせてくれる方なのです -
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2014年12月初版
佐々木敦著
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1970年代以降、日本近代史における音楽の展開と今に至るまでの系譜を、「はっぴいえんど」「YMO」「渋谷系・小室系」「中田ヤスタカ」の、それぞれの10年史の変わり目を創ったアーティストに焦点をあてて整理した一冊。
面白かった。全ての芸術はすべからく模倣から始まり、一部の天才を除いてはその模倣の量で(それを重ねることも天才だと思いますが)、生み出されるものが方向付けられるのだと改めて。
しかし細野晴臣さん。やっぱりこのおじさんはすごい人である。もっとその世の中に対するスタンスが知りたい。彼の著作である「分福茶釜」はかなりの名著なので、あわせてオススメし -
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60年代末から現在に至るまでの日本のポップスの変遷。
よくある歌謡曲論ではない。「ロック」のありようの話。日本語はロックに載るのか?と言う論争は昔からあった。
サザンが出てきたときには遂にこの問題にも終止符が打たれるのか!?と思ったが「何言ってるのか判らない」と言う意見も多く(谷村新司も、今何時?そうねだいたいね~、が文脈から繋がらず聴き取るのに苦労した、みたいなことをヤングタウンで言っていた)決着がつかないまま現在に至る、という処かしらん。
勿論主題はそれだけではなく、如何にロックは日本に取り込まれてきたか?を時代ごとにアーチスト1名にスポットをあてて説明している。
70年代の「はっぴいえん -
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年を取ることは悪いことばかりじゃなくて、自分が知っている時代が増えていくということで、それは語れる歴史が豊かになっていくことなのだな、と本書を一気読みしてしみじみ。「はっぴーえんど」「YMO」「渋谷系と小室系」「中田ヤスタカ」の4つの時代、4つのディケイドを駆け抜けます。Jポップという言葉を境にして前期、後期に区分されますが通底するのは「リスナー型ミュージシャン」というキーワードです。それは浴びるように音楽を吸収することにより生まれるものであり、音楽を作る環境が手に入ることにより生まれるものです。戦後の日本の高度経済成長が作った消費社会とテクノロジーの進展無しには成立しないという点で、サブカル
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ネタバレ学校で習う歴史と同じように、時代の流れとして日本の音楽史を知ると年代ごとにヒットした曲やグループに一連の流れがあることを知る。
事の経緯を知ることで全体像が見えてくることは音楽に限ったことではないであろう。
個人的には80年代~90年代をもう少し掘り下げていきたい。
【備忘録】
・はっぴいえんど(大瀧詠一・細野晴臣・松本隆・鈴木茂)
・プロテストフォークからロックというアメリカの流れを日本で踏襲したのが岡林信康
・そのバックバンドとしてはっぴいえんど
・はっぴいえんどがVS内田裕也の「日本語ロック論争」
・はっぴいえんどがいなくなり、日本は4畳半フォーク全盛期
・YMO 細野晴臣・坂本龍 -
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80年以降この三十年を総括してみたいという欲求があって、良いテキストをさがしているが、まずこれは十分に期待にこたえてくれるものだ。浅田、中沢、ニューアカブームは横目で眺めていたし、蓮実本も途中で投げ出しているので、ここに登場する思想家たちの本は一つも読んでいない。というのは非常に私的だけれど、まあこの時代をもろに生活人、社会人として何とか適応して生きてきた平均的日本人にとって「思想」とは何だったのかということを考える。直接彼らの本にふれていないものにとってもどこかを経由して何らかの意味があったものなのだろうか?
歴史的な記述も、個別の思想家の読み解きも著者の力量をうかがわせるもので「思想家」の -
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80年代の『ニューアカ』ムーブメントの勃興から90年代を経て、ゼロ年代の東浩紀の活躍までに至る日本の思想の歴史を作者目線で切り取り、ひとまとめにした一冊。
「クラインの壺」「脱コード化」「脱構築化」「ポスト構造主義」「大きな物語/小さな物語」…自分には全く聞きなじみのない単語が飛び交っていますが、
落ち着いて(平静を装って)読んでいくと、
なんとなく、ほんの僅かなエッセンスですが、わかるような(わかった気になるような)。
「ニューアカ以降の現代思想の歴史教科書」として使えるように心がけたと作者はあとがきで書いていますが、
全く予備知識もない自分ですら、体系的な日本の思想の変遷を(かなりざっく -
- カート
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試し読み
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カルチャー・スクール「BRAINZ」の講義録本。「批評よくわからない」というスタンスで話が進められながら、文体、価値観、引用、ジャンルの横断/通底、語彙、相対評価など、重要な要素を多く取り上げていて気付きも多かった。
批評に限らず、文系のサブカルくさい学問界隈を楽しむための訓練にもなるような気がする。批評的にモノを見るのが好きな人ならなおさら
本書を読んで「作品:批評=大作品:小作品」の関係、さらには、「ある批評とそれに対する批評の関係で、作品性が縮小していく現象とその効果」というのに注意が行って、それから頭から離れなくなってしまった。近いうちにパラパラとめくりながら思索せやう。