佐々木敦のレビュー一覧

  • ニッポンの音楽

    Posted by ブクログ

    2014年12月初版
    佐々木敦著
    ==
    1970年代以降、日本近代史における音楽の展開と今に至るまでの系譜を、「はっぴいえんど」「YMO」「渋谷系・小室系」「中田ヤスタカ」の、それぞれの10年史の変わり目を創ったアーティストに焦点をあてて整理した一冊。

    面白かった。全ての芸術はすべからく模倣から始まり、一部の天才を除いてはその模倣の量で(それを重ねることも天才だと思いますが)、生み出されるものが方向付けられるのだと改めて。

    しかし細野晴臣さん。やっぱりこのおじさんはすごい人である。もっとその世の中に対するスタンスが知りたい。彼の著作である「分福茶釜」はかなりの名著なので、あわせてオススメし

    0
    2015年07月22日
  • ニッポンの音楽

    Posted by ブクログ

    60年代末から現在に至るまでの日本のポップスの変遷。
    よくある歌謡曲論ではない。「ロック」のありようの話。日本語はロックに載るのか?と言う論争は昔からあった。
    サザンが出てきたときには遂にこの問題にも終止符が打たれるのか!?と思ったが「何言ってるのか判らない」と言う意見も多く(谷村新司も、今何時?そうねだいたいね~、が文脈から繋がらず聴き取るのに苦労した、みたいなことをヤングタウンで言っていた)決着がつかないまま現在に至る、という処かしらん。
    勿論主題はそれだけではなく、如何にロックは日本に取り込まれてきたか?を時代ごとにアーチスト1名にスポットをあてて説明している。
    70年代の「はっぴいえん

    0
    2015年03月31日
  • ニッポンの音楽

    Posted by ブクログ

    シーンの王道ではなかったかもしれないが、「ニッポンの音楽」のパラダイムを紡いできたミュージシャンたちの物語。
    「リスナー型ミュージシャン」の存在を縦糸に、内と外の音との関係を横糸に、また技術の進歩という時間軸を加えて論じていく展開はおもしろかった。

    0
    2015年03月29日
  • ニッポンの音楽

    Posted by ブクログ

    年を取ることは悪いことばかりじゃなくて、自分が知っている時代が増えていくということで、それは語れる歴史が豊かになっていくことなのだな、と本書を一気読みしてしみじみ。「はっぴーえんど」「YMO」「渋谷系と小室系」「中田ヤスタカ」の4つの時代、4つのディケイドを駆け抜けます。Jポップという言葉を境にして前期、後期に区分されますが通底するのは「リスナー型ミュージシャン」というキーワードです。それは浴びるように音楽を吸収することにより生まれるものであり、音楽を作る環境が手に入ることにより生まれるものです。戦後の日本の高度経済成長が作った消費社会とテクノロジーの進展無しには成立しないという点で、サブカル

    0
    2015年01月18日
  • ニッポンの音楽

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    学校で習う歴史と同じように、時代の流れとして日本の音楽史を知ると年代ごとにヒットした曲やグループに一連の流れがあることを知る。

    事の経緯を知ることで全体像が見えてくることは音楽に限ったことではないであろう。

    個人的には80年代~90年代をもう少し掘り下げていきたい。

    【備忘録】
    ・はっぴいえんど(大瀧詠一・細野晴臣・松本隆・鈴木茂)
    ・プロテストフォークからロックというアメリカの流れを日本で踏襲したのが岡林信康
    ・そのバックバンドとしてはっぴいえんど
    ・はっぴいえんどがVS内田裕也の「日本語ロック論争」
    ・はっぴいえんどがいなくなり、日本は4畳半フォーク全盛期
    ・YMO 細野晴臣・坂本龍

    0
    2015年01月18日
  • ニッポンの思想

    Posted by ブクログ

    とてもわかりやすく論点整理されていて面白かったです。
    続編(?)の「未知との遭遇」も読むのが楽しみ。

    0
    2012年12月30日
  • ニッポンの思想

    Posted by ブクログ

    西洋思想も面白いけれど、そういうのに影響をうけても結局日本人なわけだからこういうのも面白いと思った。

    0
    2012年04月20日
  • ニッポンの思想

    Posted by ブクログ

    ここに登場する人たちについて、聞いたことはあるけどちゃんと書物を読んだことはありませんでした。(一部の人はそれなりにかじってた程度。)

    けれど、彼らが「何を語ったか」というよりも「どうやって語ったか」というパフォーマティブに注目して書いた、と前述にある通り、ディティールや文脈を面白くなぞってくれているおかげで、それなりに楽しんで読めました。

    ただ、知っている人にとっては物足りないし、知らない人にとっては省略されすぎている&盛りすぎているのでちょっと疲れる形になってるかも。
    丁度良い前提知識量が難しい本。

    0
    2012年02月27日
  • ニッポンの思想

    Posted by ブクログ

    80年以降この三十年を総括してみたいという欲求があって、良いテキストをさがしているが、まずこれは十分に期待にこたえてくれるものだ。浅田、中沢、ニューアカブームは横目で眺めていたし、蓮実本も途中で投げ出しているので、ここに登場する思想家たちの本は一つも読んでいない。というのは非常に私的だけれど、まあこの時代をもろに生活人、社会人として何とか適応して生きてきた平均的日本人にとって「思想」とは何だったのかということを考える。直接彼らの本にふれていないものにとってもどこかを経由して何らかの意味があったものなのだろうか?
    歴史的な記述も、個別の思想家の読み解きも著者の力量をうかがわせるもので「思想家」の

    0
    2011年12月10日
  • ニッポンの思想

    Posted by ブクログ

    現代思想についてはまったく知識がなかったが、これならば割と初期知識が無くてもすんなりと読める。表面的に各思想論者と歴史・内容をなぞっていくのではなく、筆者の視点でまとめてくれているのでわかりやすい。
    興味を持ったら、浅田彰やデリダ、東浩紀など読んで筆者の意見とどう異なるかを考えてみると面白いかもしれない。

    0
    2011年07月02日
  • ニッポンの思想

    Posted by ブクログ

    80年代の『ニューアカ』ムーブメントの勃興から90年代を経て、ゼロ年代の東浩紀の活躍までに至る日本の思想の歴史を作者目線で切り取り、ひとまとめにした一冊。
    「クラインの壺」「脱コード化」「脱構築化」「ポスト構造主義」「大きな物語/小さな物語」…自分には全く聞きなじみのない単語が飛び交っていますが、
    落ち着いて(平静を装って)読んでいくと、
    なんとなく、ほんの僅かなエッセンスですが、わかるような(わかった気になるような)。

    「ニューアカ以降の現代思想の歴史教科書」として使えるように心がけたと作者はあとがきで書いていますが、
    全く予備知識もない自分ですら、体系的な日本の思想の変遷を(かなりざっく

    0
    2011年01月07日
  • ニッポンの思想

    Posted by ブクログ

    「ニッポン」の思想の総まとめ本。宮台さんとか東さんに興味があって読み始めたら、さらにその前からすごい人いっぱいいたんだなーってわかった。全体的に難しい内容ではあるけど、天才たちの考え方に触れることができておもしろかった。

    0
    2010年10月09日
  • 「批評」とは何か? : 批評家養成ギブス

    Posted by ブクログ

    カルチャー・スクール「BRAINZ」の講義録本。「批評よくわからない」というスタンスで話が進められながら、文体、価値観、引用、ジャンルの横断/通底、語彙、相対評価など、重要な要素を多く取り上げていて気付きも多かった。


    批評に限らず、文系のサブカルくさい学問界隈を楽しむための訓練にもなるような気がする。批評的にモノを見るのが好きな人ならなおさら

    本書を読んで「作品:批評=大作品:小作品」の関係、さらには、「ある批評とそれに対する批評の関係で、作品性が縮小していく現象とその効果」というのに注意が行って、それから頭から離れなくなってしまった。近いうちにパラパラとめくりながら思索せやう。

    0
    2010年09月23日
  • ニッポンの思想

    Posted by ブクログ

    2010.07 著者である佐々木敦氏の深い洞察に基づく約30年間におよぶニッポンの思想とその系譜をざっと理解できた。自分の読解力では、多分30%くらいの理解ではないだろうかと思うが、それでも非常に興味深く、痛快であった。

    0
    2010年08月09日
  • ニッポンの思想

    Posted by ブクログ

    私は正直柄谷行人も東浩紀も理解できていないので(でも知的スノビズムwにより読んでる)、佐々木氏は凄いなと率直に思った。
    現代の視点から80年代の思想を捉えなおすという試みが必要なのではないか、と思わされた。

    0
    2010年05月23日
  • ニッポンの思想

    Posted by ブクログ

    80年代~ゼロ年代にかけての日本思想史が書かれており、純粋に読み物として楽しめる上、歴史資料としても機能するだろう。

    0
    2010年04月02日
  • ニッポンの思想

    Posted by ブクログ

    80年代以降の日本における思想の変遷を、各年代で活躍した人々とともに概観。個々の思想を把握するのにはあまりに簡略化しすぎているとは思うが(本の形態の関係もあるし)、流れを知るのにはいいのでは。ニッポンの思想の特色として、思想そのものの内容よりもそのパフォーマンスに重きが置かれている、という指摘に納得。

    0
    2010年05月16日
  • ニッポンの思想

    Posted by ブクログ

    80年代~00年代の批評の流れを交通整理。
    90年代、00年代を歴史化する評論は、近年けっこうあるが、本書は中でも分かりやすく整理されていて、勉強になった。

    0
    2010年03月06日
  • ニッポンの思想

    Posted by ブクログ

    クラインの壺、物語、制度、不完全性定理、相対主義、…80年台以降ほとんどの思想は、このようなある種の閉塞(すべて同一?あるいは別物?)を見出し、それを克服しようとする試みに見える。その方法は逃走だの表層批評だの命がけの飛躍だのいろいろいわれるが、具体的にどうするのかがわからない。

    0
    2010年05月15日
  • ニッポンの思想

    Posted by ブクログ

    浅田彰や中沢新一以降の日本の論壇を振り返る本。浅田や中沢までは読んでいたが、それ以降の動向についてはまったく関心を失っていたので、いまどんな人たちが活躍しているのかも含めて、新鮮に読めた。しかし、フランス思想の最先端をニホンに紹介し、それを日本の現実にちょっと応用してみせるようなことをやっているのが相変わらす日本の思想界の現実だということがよく分かった。

    0
    2009年11月01日