あらすじ
小林秀雄、吉本隆明、柄谷行人らから継承した日本に特異なジャンル「批評」は、ネットの発展とともに大変貌をとげた。ブロガーの登場、ネトウヨ、ザクティ革命、SIELDsを経て、批評はどこへ向かうのか。40年にわたる批評史の検証と、批評=病の恢復を目指す気鋭による白熱討論!
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Posted by ブクログ
批評が忘れ去られようとしている世の中で、その忘れ去られようとしている過程を年代ごとに紐解いていき、悲観論で終わるわけでなく、時代の空気と格闘し、「観客=外部のアイデンティティ」の復興を模索する。まさに文中で東さんも述べている通り、スポーツと同じ構造だと思った。当事者性ばかりがクローズアップされるが、周囲にはプロになりたい人、アマチュアリズムでも持続する人(趣味の人とも言える)、熱狂的なファン、テレビなどでそれなりに楽しむ観客まで、さまざまな階層の人が世界を形成している。そういう息の長い哲学・理論で思考すること。それはどの世界に生きていても必要な事だと思う。教育の重要性、関わりの多様性、異質なものを受け入れる包容力、人間や組織としての器が試される時代である。