「動ポ」の頃の東さんのような文体と、まるで大学で講義を受けているかのような懇切丁寧な脚注。
文系軽視の日本社会を「人文学への信頼の失墜」と自己批判しつつ、著作によって回復させようとする試み。
当時は近しい考えを述べていた、と吐露しつつ徹底されている落合・成田(というか、人工知能民主主義への)批判。
...続きを読むルソー人物伝から繰り出される社会契約論の再解釈。
常に誤り、訂正するのが民主主義であり、ひいては生きていくということであり、理解するのではなく変化させていくのが哲学の役割という明瞭な論旨。
なんの事前情報もなく、ふと東さんの最近の仕事を一気に読みたいと思って手に取ったのですが、コロナ禍以降の取り組みの集大成で、大変労作でした。