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ホンネで語り合う白熱の討論! もはや父親として、この国の現状を黙視してはいられない。育児体験の比較から、教育問題や男女のパートナーシップのあり方までを論じ、子ども手当など保育支援策を検討、若者の非婚や少子化をいかに乗り越えるかを語り合う。ツイッターなど新メディアを利用した民主主義の未来まで、今日の知的課題をも浮き上がらせる。
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Posted by ブクログ
自分の感じていたことをきちんと説明してもらえたような気になる。私にとって社会学者や哲学者の本を読む意味は詰まるところそういうところにあるのだろう。 抽象的な思考や概念がどのような私的な体験プラス些細な出来事から生まれてきているのかを語っているので、非常にわかりやすく腑に落ちる。私自身、結婚して家を...続きを読む持とうとして土地を探し始めた時、余りに人工的な空間に息が詰まるような気持ちがして、結局ある程度ごちゃごちゃした一言で言えばいろんな人が住んでいる今の土地を選んだ。 それぞれの年齢や立場に応じて、土地に対する評価も変わってくることをお二人が自分の変化として語っており、人生のライフステージで、均質な空間が心地よい時期もあればそうで無いときもあり、ということ。 あえて、お二人が言葉にしていないことをここで書こうと思うのだが、子育ては何物にも変えがたい経験だということ。そしてそれを語ることの大切さ、。そういう表現は出てこないし、正面切ってそう語っているわけでは無いのだが、言葉の端端から、そしてお二人の思考が複線化していることから、それを伺い知ることができる。 子育ての有意義さについて語ればすぐ子供のいない人生を否定するのかという批判に晒されてしまうのだが、何も言えなくなってしまわずに自分の変化として子育てについてきちんと語っていくことは大切だと思う。それこそが少子化対策への第一歩だと思うのだが...
父として考える P.17 循環する時間と成長する時間 あるステイタスのときに特定のコミュニケーションをし忘れると、そのときに意味があった刺激がそうでなくなるので、「だったら時間を有効に使わなくてはいけない」と思うようになりました。(宮台) おっしゃる通りです。5,6歳までが決定的に重要な時期だと...続きを読む思いますが、結局そのときは一回しかない。取り返しがつかないわけです。この期間を親としてどう過ごすか。 これはじつは、大人と対する時にはない感覚なんですよね。むろん来年の宮台さんはいまの宮台さんとちがう存在ですが、しかしたいていは意識しないでコミュニケートしている。大人にとっては、今年も来年も同じ。仕事の時間は結局は「循環する時間」です。他方で子どもは「成長する時間」を持っている。そういう違う時間性を持つ存在が、同じ家の中に現れた。それがもっとも大きな変化だと感じています。(東) P.25 子どもがいかに勝手に育っていくか たとえば子どもが社交的か非社交的か、明らかに生得的としか言いようのない部分がある。男女の差もある。それは決して能力の高低ということではなく、むしろ人格の総合的な方向性みたいなものなのですが、その差異を全否定するのは不可能です。人間の能力のじつに多くが最初にプリセットされている。だから子供を育てるとは、結局は子どもがいかに勝手に育っていくか、自由にその能力を開花させるか、その環境を整えることに尽きる。それはルソー以来の近代教育学の基本だと思うのですが、なるほどこういうことだったかと意味を体感しました。 P.42 流動性の確保=リスクヘッジ、に挑戦してくる子どもという存在 (住む場所、という要素が子育てに決定的に重要だ、という話のなかで) 子どもにとっては根無し草という概念はありえません。いくら短い期間でも、ある場所にいればそこに根を生やしてしまうし、それは一生の中で特別な経験を構成する。親にとっては流動性だと感覚されているものが、子供にとっては流動性ではない。この「世界観のギャップ」は重要だと思いました。いまの社会では、すべての決定で流動性が前提になっているというか、流動性の確保こそが正解=リスクヘッジだとみなされる傾向がある。しかし子どもの存在はその前提に真っ向から挑戦してくる。
父として、教育、社会、子育てについて対談する。現代社会を鋭くえぐりとって、論議している。つべこべ言わずに読みなさい。
同時代に父なった同世代として共感できる内容が多かった。論壇でもとがった二人が「父」としての表情に照れている感じが好感もてました。
対談が「父として」を超えてその周辺テーマ・領域を広く縦横無尽に語られているのが面白い。しかし、良く読んでみると出発点はやはり「父として」であり、その微妙さ加減が興味深い。対談という形式によって、お二人の特徴も良く表れていると思う。
父になったら、子供の成育環境には嫌でも興味がわきますわな。しかしあの宮台真司がねぇ、と思いながら興味深く読めました。公立小中高を出た公立至上主義としては、共感する点が多かった。
面白かった、といえるほど読みこなせた訳ではない。が、二人が自らの育児から離れて、社会システムや現代若者論に脱線していくさまが面白かった。結局は、「人を幸せにできる人」に導くこと。当たり前で一番難しい、それが父としてやるべきこと。今を生きる子供たちに。ありがとう。
再読。この対談は『東京から考える』くらい好きだ。まえがきにもあるように、戸惑いに満ちている気がする。父として、父になれない者として、父になってしまった者としての。時折見える説明原理(独身者に対する子育て支援のロジックとか)について、宮台さんよりあずまんの方が正しかったんだということが、今読み返せばわ...続きを読むかる。 時代は自分と直接関係のない(ないはずないんだけど、ほんとは)人間に対して、「そんな人間知るか!」「嫌いだ!」「俺のほうが大変だ」「あたしのほうがえらい」……の合唱になっている気がして、息が苦しい。 『ウェブ社会の思想』の脚注にも通じる話だけど。
最初に読んだ時は全く刺さらなかったのに二回目に読んだ時に刺さりすぎてびっくりした。子育てをするようになったインテリ二人の会話という感じで面白かった。
それぞれの子どもを例にあげて対談されているので大変読みやすい。 ニュータウンなど新住民の多い同質性の高い空間での問題、学力低下問題の考証など、すでに書かれていることでもあるが、更に分かりやすく、面白く読めた。 子育て政策に対する非子育て独身世帯のある種の不満に対する答えに納得。
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