書道家の本ということで、余り期待しないで読んだんですが(失礼)うれしい誤算でした。
日本語はかな、カタカナ、漢字(音読み、訓読みがある)を使い分ける、世界に類を見ない精密な言語である。
文字は、「手」が書く。
今の日本人の感受性、表現能力が落ちてきているのはパソコンによる文字入力のため。例えば
...続きを読む、「あき」と入力する時、秋なのか飽きなのか空きなのか、スペースキーを押しながら選ぶことが書くこと、となってしまっている。
これが、「秋」と手で書こうとすると間違って「空き」と書いてしまうということはあり得ない。
日本語においては、上が天、下が地、という位置づけになっている。上から下へ、は自然な流れである。横書きにしてしまうと表層的で遠近感のない日本語になる。かなは上から下なら続け文字で書けるが横向きに無理やりつなげようとすると字の形にならない。
「選手」「書き手」など、手は人そのものになぞらえることができる。
今の子供たち、若者がペンをしっかり持てないのは、シャープペンシルの普及のため、ペンを不自然に立てて書く習慣がついているから。