石川九楊のレビュー一覧
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文字とは何か、アートとは何か、書とは何か、今までなんとなく持っていた先入観をひっくり返してくれた素晴らしい本。
すみれを菫でなく万葉仮名で表したのは、東アジアという壮大なスケールに拡散させず日本列島に咲くあのすみれという風情を伝えたかったから。
万葉集の舒明天皇の国見の歌がカモメに加萬目を当てて意味が含まれていたように、万葉仮名が漢字をつかっているが故に表音文字になりきらなかった、つまり漢字の意味が浸透して字自体が意味を持ってしまう。そこで女手が生まれた。
寸松庵色紙、秋萩帖、高野切などを題材に、誤字や脱字とされているものが言葉の本質に根ざして生まれたもので、現代の我々こそ言葉の表現がいかなる -
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これはすごい新書です。びっくりしました。恐る恐るでしたが読んでよかったです。ひらがなってずっと文字のひとつだと思っていましたが文字と絵画のあわいにある表現手法であることを知りました。日本人のメンタリティを象徴する芸術だと思いました。書にも和歌にも距離感のあった自分がなぜこの岩波新書を手にしたか?実は上野の森美術館でやっていた展覧会「石川九楊大全【状況篇】」の最終日に駆け込んで来ました。「言葉は雨のように降り注いだ」というサブタイトルになんか感じるものがあったのです。墨地で叫んでいるような初期の作品や河東碧梧桐らの俳句を文字で墨絵のように描いている作品や9•11や3•11から生まれた作品にも心動
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書道家の本ということで、余り期待しないで読んだんですが(失礼)うれしい誤算でした。
日本語はかな、カタカナ、漢字(音読み、訓読みがある)を使い分ける、世界に類を見ない精密な言語である。
文字は、「手」が書く。
今の日本人の感受性、表現能力が落ちてきているのはパソコンによる文字入力のため。例えば、「あき」と入力する時、秋なのか飽きなのか空きなのか、スペースキーを押しながら選ぶことが書くこと、となってしまっている。
これが、「秋」と手で書こうとすると間違って「空き」と書いてしまうということはあり得ない。
日本語においては、上が天、下が地、という位置づけになっている。上から下へ、は自然な流 -
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「私は この小説を書くときに、読んでくださる人が小学六年生までの漢字を読む力があれば読んでもらえるものと思ってこの作品を書き始めました」
と「氷点」を書いた三浦綾子さんがいってらっしゃいました。
この本の中で出張授業をされる先生たちは
もちろん、その道のプロフェッショナルの方たちです
そして、聴いている対象者たちは 中学生、高校生たち
その語り口が そのまま 一冊の本にまとめられました
その「語り口」を読んでいて
冒頭の三浦綾子さんの言葉を思い起こしたのです
本当の専門家は
ただ感心させるだけでなく
それなら 僕も(私も) 何かやってみよう
そんな気にさせてくれる方なのです -
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ものごっつう難しかった
8割くらい何言ってるか分からんかった
もうずっとこのおっさん何言ってんの?状態だった
ある程度自分でも書けないと、こう立体的に浮かび上がってこないというか…
「トン・スー・トン」はなんとなく分かったけど
はい、「書」ですよ「書」!
まぁ、日本人たるもの「書」を目にする機会ってまぁまぁあると思うんですね
でね、前々から疑問に思ってたことがあって、それが本書の前書きにも書いてあったんです
おお!わいに答えをくれるのはこの本かも!と勢い込んで読み始めたわけですな
で、その疑問とは?
本書から引きます
「実際には、いつまでながめていても飽きない書があり、逆に、しばらく -
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・直ちに三浦つとむを思ひ起こさせる書名の石川九楊「日本語とはどういう言語か」(講談社学術文庫)を、 現在読みかけてゐる。正確にはまだ読み始めである。しかし、その最初のあたりだけでもいろいろと感じるところがある。後に書いてあるかもしれないが、そこまで読むことなく、とりあへず自分の感じたことを書いてしまはうといふことで、ここに書くことにした。的外れかもしれない。ご寛恕を乞ふ次第である。
・序章「日本語の輪郭」もおもしろいのだが、書名になつてゐる第一章「日本語とはどういう言語か」は章題通りの内容でやはりおもしろい。その小節題は、例 へば「言葉は乱れるものである」「すべての言(はなしことば、tetu注 -
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懐古主義的本かな、と高をくくって読み始めたが、いきなり殺人の話からである。縦か横か、という話だけではない。「殺す」と「書く」には、相当なエネルギーが求められる。しかし僕も今その文字を「打った」。しかも横書きで。
昔から言われていることだけど、縦書の時のペンの運びと、横書き丸文字のペンの運びなどを見れば、なるほど日本語は縦書用だと少し納得もするけれど、僕は左利きだ。そもそも縦書に対しても、まっとうではない書き方なのだ。さてどうしたものなのか。
縦書には天と地がある、とか、美的な部分では面白いところが多数ある。言葉を綴るときに美意識をもっておけ、ということは心に留めて、今日もパソコンで横書きしよう