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Posted by ブクログ
浅田彰「構造と力」を起点として2020年代までのニッポンの思想を鳥瞰できる一冊。とはいえ、著者の解釈がふんだんに盛り込まれており淡々と歴史を述べていくだけの解説書とは異なり、熱量を感じさせる。
2025年も年の瀬の現在。果たしてニッポンの思想の行く末はどうなっていくのかと思慮してみる。本書では千葉雅也と國分功一郎という二大スターを終点としているが、彼らはともに70年代生まれ。昨今80-90年代の思想家・批評家・文筆家の台頭が著しいと一種の期待感も込みで感じている。
言わずもがな文芸評論家にしてマルチ活動目覚ましい三宅香帆や谷川嘉浩、戸谷洋志などが頭によぎる。その他人文書を読んでいると同世代の著者が徐々に増えてきて、しかも一定の評価とセールスを記録している。
彼らの共通するポイントは、アカデミックを振りかざすことなく、一般的な事象から現代の特に若者への批評や洞察を繰り広げる。ゼロ年代一人勝ちの東浩紀が展開してきた思想は公共性やつながりといった範囲が広いものであるが、20年代は語るべき対象がより個別具体的になっている、と感じる。かといって「小さな物語」へ収縮しているのではなく、時代を読むというまなざしを有する。
何を言いたいかというと、素人な私にリーチしやすい。かつ、彼らの活動は文筆にとどまらずネットメディアへの露出も積極的。Podcast番組を持っていたりとか。20年代の思想家はその主義主張ではなくアイコンとしての魅力を携えているのだと。他分野の例えばお笑いやスポーツや料理などとある一面同じ土俵で評価されるうる存在なのだな、というのが近頃の実感なのです。
まったく本書の内容に触れていない。素敵な解説や感想が多くあるのでそちらをご覧ください。それでもってぜひ読んでみてください。80年代の衒学的な雰囲気とか異世界感があって逆に新鮮ですよ。
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