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四方を中国山地に囲まれた、寂れた温泉町にかかる小さな石橋『かんかん橋』。食堂『ののや』の一人娘真子は、毎日その橋を渡って学校に通っていた。真子と父を残して出て行った母。かつて白無垢をまとい嫁入りしてきた写真館の老婆。町を去り愛する人とともに帰ってきた踊り子。誰もが『かんかん橋』を渡る……。小さな食堂を舞台に、精一杯生きる女たちのたくましさ、しなやかさを鮮やかに描き出した、人気作家の長編傑作!
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Posted by ブクログ
真子ちゃんがお父さんと義理のお母さんになる奈央さんに大事に育まれていく姿がすごく愛おしい。 菊おばあちゃんの婚礼の唄を歌ってくれた国見さん、真子ちゃんの友達の鮎美ちゃん、ののやの常連の和久くん、素敵なキャラが多すぎ!
大好きな、あさのあつこさんの かなり古い作品、とっても優しい気持ちにさせてくれる素晴らしい文章です、ののやのようなステキな居場所が有ったらいいですね、羨ましい!
先に続編を読んでしまったので結末を知っていたりもしたけれど、小学生の真子ちゃんがとても初々しくって愛おしくなる。在りし日の大将はこんな風だったんだあと妙に感慨深くなったり、母じゃない奈央さんに目を見張ったりでいつもと違う気持ちで物語をさかのぼった気がした。 こんな読み方もありかなと思った。 お菊おば...続きを読むあちゃんのお話もとてもよかった。
ほっと一息つけるかんかん橋のような場所が誰の心にもあるだろう。 暖かい日も寒い日も、楽しい日も悲しい日も、周りのものすべてが自分の味方に見える日も逆にすべてが自分の敵に見える日も。 何をしてくれるでもないけれど、いつだって自分のことを見ていてくれているような存在があったことを思い出せた。
田舎町にある小さな食堂「ののや」の真子を主人公とする少女の成長の物語。子供が大人になっていく時に感じる自己嫌悪のような感情を率直な言葉で綴っていく。子供に読ませ感情の起伏の疑似体験をさせたくなる小説だ。圧巻なのは、92歳おばあちゃん菊がまどろみの中で振り返る独白。17の嫁入から4人の子供と夫を見送る...続きを読むまでの過酷な人生に、涙がこぼれそうになる。あさのあつこ作品が重松清と並んで中学受験の国語の試験に引用される理由がわかる。
長編ではあるけれど、複数の語り手による物語だった。小学生や中学生がこんな言葉知らないだろうとツッコミを入れたくなることはあったけど、人物の心情描写が繊細で引き込まれた。ラストは衝撃だった。 続編も出るのね。単行本だから高いけど、余韻を感じられるうちに読みたいな。買ってしまおうか。
菊おばあちゃんの話が好きです。 次に進む力が日常の些細な繰り返しの中にあるのだと伝わってきます。今いる現実を受け止める強さと、未来へ生きる価値が確認できました。
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かんかん橋を渡ったら(角川文庫)
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あさのあつこ
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