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Posted by ブクログ
江戸時代の捕物帖。
シリーズ2作から読んでしまった。
これは、是非とも最初から読まねばなるまい。
現代の警察モノも好みではあるが、昔の方が味があっていい。
足跡が残れど、そこから分かるのは人数とおよそ何があったのかということぐらい。
足跡を証拠に人物を割り出すなんてことはできない。
血痕があれど、それが誰のものかなんて分かりはしない。
指紋も採れない。
とにかく関係のありそうなところを探りに探って情報を集め、そこから推理して犯人を割り出す。
探る側の感覚の鋭さが重要になる。
犯人も、素直だよね。
足が付いたと分かったら、しらばっくれたりしないもんね。
証拠は?とか言わないし。
それにしても、人間は面白い。
その面白さを、すごく分かりやすく書いてくれる作家だな、と思った。
Posted by ブクログ
生きることに飽いて、皮肉な言動しかできない北定町同心信次郎、尋常ならざる過去を持つ小間物問屋「遠野屋」主人清之介、そしてこの二人の緩衝役ともいうべき岡っ引きの伊佐治親分、3人が織りなす「弥勒の月」に続く第2作。
弥勒と夜叉、対をなす二語が文中でも語られる。
「弥勒にも夜叉にも、鬼にも仏にもなれるのが人なのだ。身の内に弥勒を育み、夜叉を飼う。鬼を潜ませ、仏を住まわせる。」
人の抱える底なしの闇に、筆で迫る作者の手練に、冒頭から取り込まれ、たちまちのうちに読み終える。
この作品の主題は「運命と意志」「孤独と希望」だという三浦しをんの、帯の惹句「『読書の楽しみそのもの』といった、贅沢な時間が味わえる」が、けっして誇大広告ではない。
今後も続く、このシリーズから目が離せない。
Posted by ブクログ
因縁の過去が尾を引く、物悲しい話。
「あさのあつこ」さんは、期待にこたえてくれる。どうなるの?と言う疑問には明らかに新しい展開で驚かす。そしてとうとう、終わりまで読ませる。読みやすく楽しい。
これは前作を凌ぐ出来で面白かった。
信次郎は相変わらず、不可解な気質で、その気が無くても周りを振り回し、わざと言葉を選んで他人の弱みをちくちくと刺し、生きることに倦み疲れたように、掴みどころが無い。
だが、清之介の店になぜか拘り愛が出来、頻繁に現れることになる。
伊佐治は彼を好きになれないでいるが、怜悧な切れ味を持つ信次郎の推理を認めて、心底からは憎めないでいる。
そして清之介は「遠野屋」を大店に育て上げ、店は繁盛して活気がある。
そこに女郎の連続殺人が起きる。 最初に殺された女は、「遠野屋」の手代、信三の幼馴染だった。
清之介は、彼を過去から開放してくれた兄に遭った。今、兄も逆境の中にいた。
清之介の過去はまだ兄を追っていた。
殺された女郎たちを調べていくうちに、「遠野屋」との関わりが浮かび上がる。
何か世間を越えたところに住み、すね者のような信次郎と、過去に縛られ、受けた恩義の重さでも自分を縛っているような清之介が、人間らしさを垣間見せる。
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小説・文芸
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