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剣才ある町娘と、刺繍職人を志す若侍。
一途なふたりの人生が交わったとき、事件が――
深川の縫箔(刺繍)屋丸仙の娘・おちえは、「弟子入りしたい」と丸仙を訪れた若侍・吉澤一居に心を奪われる。娘斬殺事件が江戸を震撼させるなか、新たな事件が――。あでやかな刺繍を生み出す職人技と、その対極にあるような剣術。ふたつの世界に生きるおちえと一居の葛藤と成長をみずみずしい筆致で描く、一気読み必至の時代青春ミステリー!
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Posted by ブクログ
縫箔と表紙の紹介文にあって、思わず手にした本。
とはいえ、あさのさんの作品を読むのは、実はもしかしてはじめてかもしれない。
あの名作『バッテリー』も何も、恥ずかしながら、読んじゃいない。
化政期の江戸。
深川の小規模な縫箔屋、丸仙が舞台だ。
その家の一人娘、おちえは、「今かぐや」と言われるほどの美貌の持ち主。
けれど、女性ながら剣道の道場に通う活発な少女だ。
父の仙助は、名人と呼ばれる縫箔の職人。
その技に魅了され、吉澤一居という武士が弟子入り志願に訪れる。
剣の才に恵まれた吉澤がなぜ身分を捨てて、縫箔職人になろうとするのか。
しかし、この話の中心となる謎は、そちらではなく、連続少女殺人事件の方だ。
そして、仙助に許されて弟子となった一居が、おちえらと下手人を探し出す。
一居が信じられないほど切れ者で、謎をすいすい解いていくのに、驚く。
最初一居が犯人なのかと思ったくらい。
万能すぎる一居は、いささか便利な存在になっていはしないかという気さえする。
もうちょっと、縫箔のことが出てくるとうれしかったな。
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