【感想・ネタバレ】夜叉桜のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年01月01日

弥勒シリーズ第二弾。信次郎は正義感あふれた同心……とは真逆で、常に血に飢えて歪なものを嗅ぎ分ける。主人公は信次郎なのか、あるいは遠野屋か、それとも二人の間に絶妙に入ってくる岡っ引・伊佐治か……3人まとめて主役のような感じで、とても面白いです。女流作家の歴史物が少ないので、長く書き続けてほしい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年01月16日

⬛︎ストーリー⬛︎
江戸の町で女が次々と殺された。北定町廻(きたじょうまちまわ)り同心の木暮信次郎(こぐれしんじろう)は、被害者が挿していた簪(かんざし)が小間物問屋主人・清之介の「遠野屋」で売られていたことを知る。因縁ある二人が再び交差したとき、事件の真相とともに女たちの哀しすぎる過去が浮かび上が...続きを読むった。

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Posted by ブクログ 2016年12月05日

「真の職人とは、いつも爪と牙を隠し持つ
相手を傷つけ倒すためではなく
己を誇るために詰を磨ぎ、牙を剥く」
「人は誰もが夜叉を飼う
弥勒にも夜叉にもなれる…
いや、仏と鬼の真ん中に人はいる
仏にもなれず鬼にもなれず
人として生きねばならぬという…」
くぅーこの文章が残る

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Posted by ブクログ 2015年12月30日

江戸時代の捕物帖。
シリーズ2作から読んでしまった。
これは、是非とも最初から読まねばなるまい。

現代の警察モノも好みではあるが、昔の方が味があっていい。
足跡が残れど、そこから分かるのは人数とおよそ何があったのかということぐらい。
足跡を証拠に人物を割り出すなんてことはできない。
血痕があれど、...続きを読むそれが誰のものかなんて分かりはしない。
指紋も採れない。
とにかく関係のありそうなところを探りに探って情報を集め、そこから推理して犯人を割り出す。
探る側の感覚の鋭さが重要になる。
犯人も、素直だよね。
足が付いたと分かったら、しらばっくれたりしないもんね。
証拠は?とか言わないし。
それにしても、人間は面白い。
その面白さを、すごく分かりやすく書いてくれる作家だな、と思った。

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Posted by ブクログ 2016年06月16日

生きることに飽いて、皮肉な言動しかできない北定町同心信次郎、尋常ならざる過去を持つ小間物問屋「遠野屋」主人清之介、そしてこの二人の緩衝役ともいうべき岡っ引きの伊佐治親分、3人が織りなす「弥勒の月」に続く第2作。
弥勒と夜叉、対をなす二語が文中でも語られる。
「弥勒にも夜叉にも、鬼にも仏にもなれるのが...続きを読む人なのだ。身の内に弥勒を育み、夜叉を飼う。鬼を潜ませ、仏を住まわせる。」
人の抱える底なしの闇に、筆で迫る作者の手練に、冒頭から取り込まれ、たちまちのうちに読み終える。
この作品の主題は「運命と意志」「孤独と希望」だという三浦しをんの、帯の惹句「『読書の楽しみそのもの』といった、贅沢な時間が味わえる」が、けっして誇大広告ではない。
今後も続く、このシリーズから目が離せない。

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Posted by ブクログ 2023年10月13日

メイン3人共が切れ者で推し。
やり取りと心理描写が主だったキャラミスっぽい。殺しや苦界の話の割に爽やか。

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Posted by ブクログ 2023年10月08日

やっぱり清之介がかっこいい。剣を握る清之介が見たくなるけど、そうなるとこの物語は終わってしまう。しかし菊乃の中に夜叉がいるというところは納得がいかない。菊乃の描き方が不足していると感じた。

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Posted by ブクログ 2023年06月12日

弥勒の次は夜叉、月の次は桜。
人の心の奥底に潜むもの、「死そのものより、人間の不可思議さ、暗さ、怪奇さに寒気を覚える」と伊佐治が思う場面が、全てを物語っているかのように感じた。

信次郎と伊佐治が「ほつれ」を解していく。3人の遺体から、読み取る場面は面白い。
清之助は「死」を呼び込むと信次郎は言うが...続きを読む、信次郎もまた同類なのだろう。清之助の周りも俄かに流れていく。面白くなってきた。

弥勒にも夜叉にもなれるのが人だ。内に弥勒を育み、夜叉を飼う。腕の立つ者ほど内を感じ取ることができるのだろう。

清之助の運命が流れるなかで清之助の志は貫けるのか?おりんがなぜ自死したのかが朧げに理解できはじめた。時代ものの背景の中で、人の気持ちを表現する文に引き込まれる作品だった。人の気持ちは時は違えど不変なのだろう。

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Posted by ブクログ 2023年03月05日

「刀なら躱すことができるが、言葉は否応なく降りかかる。」正にその通り。我々人間社会は結局言葉でコミュニケーションをとることで世の中が動くので、言葉に責任を持たなければと思った。

身を売って生きている女の人の世間からのイメージがかなり火の玉ストレートで描かれている。

伊佐次によって、清ノ助と信次郎...続きを読むの関係が絶妙なバランスで保たれている。

今回は儚さや悲しさもあるが、少し清ノ助に希望の光が見えてきた。

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Posted by ブクログ 2022年09月17日

信次郎が主役かと思ったら、遠野屋とのダブル主演ですか。よき。
江戸時代もなかなかいっちゃってる人が多いですなぁ。なかなか事件のコアは切ないお話でした。

2022.9.17
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Posted by ブクログ 2022年06月02日

女郎が立て続けに殺されていく。信次郎達は……って話。
まさか、遠野屋がこんなにもこのシリーズの中心人物になるんだと驚いた。

前作から引き続き読んだのだが、人間関係が分かっているから凄く読みやすく読めた。

遠野屋の過去にも少し触れていくが今後悪く影響する未来しか見えないw幸せにしてあげてよ〜。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年02月09日

清之介がかどわかせた中盤から一気にのめり込んでしまった。清之介の不屈の精神が、どうぞ全うされますようにと祈る思いで、きっとこのシリーズを読み進めていくと思う。

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Posted by ブクログ 2021年08月23日

面白かった。
このシリーズは3作目だが1番だ。主人公は相変わらずのクソ野郎だけど続きを読みたくなった。連続物として未解決のイシューが幾つかあるので多分あと2冊も読む。

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Posted by ブクログ 2020年02月05日

「弥勒の月」が面白かったので、二作目を予約してみたら、すぐに来た。

「音もなく少女」が気になっていたので先に読み、続けてこの本を読んだ。

文庫470ページほどにぎっしり詰まった本の後では、「夜叉桜」は読みやすく、すぐに終わってあっけなかった。

このシリーズは三作目があるという。検索して見つけた...続きを読む「小暮柿」を早速予約した。



これは前作を凌ぐ出来だと思った。

信次郎は相変わらず、不可解な気質で、その気が無くても周りを振り回し、わざと言葉を使って他人の弱みをちくちくと刺し、生きることに倦み疲れたように、掴みどころが無い。
だが、なぜか清之介の店に拘り頻繁に現れる。

伊佐治は彼を好きになれないでいるが、怜悧な切れ味を持つ信次郎の推理を認めて、心底では憎めないでいる。

そして清之介は「遠野屋」を大店に育て上げ、店は繁盛して活気がある。

そこに女郎の連続殺人が起きる。

最初に殺された女は、「遠野屋」の手代、信三の幼馴染だった。

清之介は、彼を過去から開放してくれた兄に遭った。そして今、兄も逆境の中にいた。
清之介の過去はまだ彼を追っていた。

殺された女郎たちを調べていくうちに、「遠野屋」とのかかわりが浮かび上がる。

因縁の過去が尾を引く、物悲しい話になっている。

何か世間を越えた空間に住み、すね者のような信次郎と、過去に縛られ、受けた恩義の重さでも自分を縛っているような清之介が、人間らしさを垣間見せる。

「あさのあつこ」さんは、こうなるのだろうかと言う期待にこたえてくれることもある。
こうなるの?と言う疑問には明らかに新しい展開で驚かす。
うまい。
そしてとうとう、いったいそれでどうなるの?と終わりまで読ませる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年12月05日

遊女の首を裂く連続殺人が発生。誰がなぜー。
小暮信次郎と伊佐治親分が捜査に乗り出す。
一方、商人として商売に励み新しい試みをやろうとする遠野屋。その清之介にも再び過去の闇が手を伸ばす・・・。

ってなお話で、前作「弥勒の月」はやはりシリーズのプロローグ的役割だった模様。こちらを読んでから読むとより味...続きを読むわいが深くなると思われます。
伊佐治親分は相変わらず一服の清涼剤というか、しごく、しごくまっとうで、親分の奥方も息子さんもすごく生真面目でその生真面目が報われている人々でホっとします。
ですが、信次郎さんはひねてますし、遠野屋さんはなかなか前向きにさせてもらえません。反目しながら目が離せない二人の同極の磁石のような関係も張りつめていてよいです。

話の帰結としてはよくある筋かと思いますが(すいません)、キャラクターがたっていて退屈しません。
また次も読みたいです。

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Posted by ブクログ 2016年02月21日

弥勒の月の続巻。
遠野屋清之介にとっての弥勒、おりんが亡くなった後、どう物語が続くのか、続けられるのかと心配したけれど、心配不要でした。

同心の信次郎と若旦那の清之介は、お互いを疎ましく思っていながら、心の底では相手を認めている、その距離感がとても面白い。
シリーズ物なので続きが気になるけれど、1...続きを読む冊で話がきちんと終わっているので、すっきり安心です。

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Posted by ブクログ 2015年02月01日

弥勒の月を暫く前に読んだことは覚えているものの、内容はピンとこないままに購入。
それでも、面白く読めました。
信次郎と清之介の関わりが面白い。

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Posted by ブクログ 2014年12月24日

江戸の同心木暮信次郎と岡っ引きの伊佐治、小間物問屋の遠野屋の清之助
三人のやり取りの何処に真実があるのか気になり物語に引き込まれる
暗いお話でしたが、面白かったです
女郎が次々の惨殺される、下手人は…
江戸時代のミステリー

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Posted by ブクログ 2014年12月15日

夜叉桜、素敵な題名だと思います。字面からくる夜のイメージ、そして、桜の艶やかさの中にある鬼気迫る迫力と儚さと。夜叉とは苦悩するものの表れなのでしょう。夜叉と桜がスパイラル。人間なんて堂々巡りの進歩がないように見せながら、でも、そこはスパイラル。大きく変化していくのがつながりの中にある人なのでしょう。...続きを読む
これは次の展開が期待される。
勿体無いから、ちょっと別の本を読んでから、また読もう。
登場人物が変わっていく。それは小説の醍醐味ですよね。

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Posted by ブクログ 2014年09月14日

ひねくれものの同心と、過去のある小間物屋の主人。全体に暗ーい空気の江戸もので苦手なのに、きれ者の二人が気になって読まずにいられず。続刊は気になるが、ゆっくり読みたい。

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Posted by ブクログ 2014年08月24日

一作目の弥勒の月があまりに暗く、ずっと闇の中を歩かされているような気がして、二作目をどうしようかと思ったが、この二作目はほのかな希望を感じて、ほっとした。
主人公の同心の子どもっぽくてエキセントリックなところも、ちょっと可愛らしく思えてきた。

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Posted by ブクログ 2013年10月24日

じっとりと仄暗いのにズルズルと読まされる。
清之介が人らしくなり、伊佐治の苦言が増えたり、信次郎が飴好きだったりと三者三様ではあるけど結局のところ歪んではいるのね。

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Posted by ブクログ 2013年04月14日

再読。
改めて読むと、このシリーズに出てくる人物たちが密接に関わっているということに気付かされる。
まさに運命というものであろうか。
遠野屋清之介が暗い過去に囚われながらも、必死に足掻いて平穏な暮らしを手に入れようとしているようだ。ついつい応援したくなってしまう。
信次郎も清之介といることで、何か希...続きを読む
望をつかもうとしてるようにも思える。ひねくれているところは伊佐次の目を通せば、めんどくさいながらも可かわいらしい。
清之介の過去の繋がりが今後、どうなっていくのか気になるところ。どうか幸せになってもらいたい。

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Posted by ブクログ 2016年08月05日

「弥勒の月」の続編。
「弥勒の月」の解説に書いてあったのだと思うけど、あさのあつこさんは藤沢周平を敬愛していて、そのために時代小説を書き始めたとか。
帯には「渾身の時代小説」とありますが、まさしく渾身、これでもかこれでもかと言う書き込み方、そして孤高で捻じ曲がった主人公像など、良くも悪くも「バッテリ...続きを読むー」のあさのさんだな、と思います。この辺りは余り前作では気にならなかったのですが、冬枯れの雑木林の陽だまりのような藤沢さんの味わいとは相当違います。
でも、こうれも一つの個性で、なかなか面白い作品です。

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Posted by ブクログ 2024年02月15日

シリーズ2作目。時代小説に衣を借りたミステリー小説。人物描写が長くてくどい。読後感が爽やかではない。言葉と姿形だけでどういった人物かを想像させる文章の方が好み。あまりくどくどしく内面描写をしてほしくない。2点に近い3点。

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Posted by ブクログ 2022年11月13日

弥勒シリーズ第二弾
遠野屋も主役なんですね。
信次郎、遠野屋、伊佐治で物語が続くんですね。
前作よりさらに人物描写の深さを感じます
ぶっちゃけ、遠野屋は好きなキャラですが、信次郎は嫌いなキャラ。そこをバランスとっているのが伊佐治親分という関係性です。

ストーリとしては、
次々と女郎が殺されます。そ...続きを読むのうちの一人は遠野屋の手代の幼馴染。そして、その子が持っていた簪。
この簪から、信次郎は遠野屋とのかかわりを掘り下げていきます。
事件の真相は?

さらに、遠野屋が何者かにさらわれるという事態に
その背景にはまた深い闇がありました。

ラスト、明らかになる女郎殺しの真相
そしてそこにあった闇

しかし、最後の最後、遠野屋に新しい光が!
となって、続きが気になります。

これは、やはり1作目から読まないと面白さが半減です。
必ず、1作目から読みましょう!

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Posted by ブクログ 2022年06月28日

第二弾
今回も遠野屋が係る、過去の因縁と現在の商売仲間
女郎が殺される事件が一人は手代の幼馴染
背景には狂った男女の関係と婿養子に入った真面目な商人の闇、二人が絡まった時、そして遠野屋の過去の曰くも

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Posted by ブクログ 2021年06月05日

2作目になって、ドキドキする、シーンがでてきました。これからどうなるか。
読みたい度合いが加速します、

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Posted by ブクログ 2020年10月24日

弥勒の月のシリーズ第二弾。
信次郎は相変わらず寒気を感じる切れ者だが、親分の伊佐次の真っ当な思考と行動が安心感を与えてくれる。そこに過去に訳ありの遠野屋の清之介が主要キャラとして存在し、今作では新たな人殺しの事件が起こる。
前作より、それぞれの人の情念が伝わってきて、面白かった。
それぞれ一作品とい...続きを読むうより、一巻二巻という続きものとして読む感覚のシリーズで、続きが気になります。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年03月03日

星3つにしたが、本当は3.5くらい。
1巻よりもおもしろかった。
遠野屋、信次郎、伊佐冶、三者三様の心理描写がおもしろい。
そして、殺人鬼と化した人間の心理描写がおそろしくリアルだ。
さらに、ミステリーとしても伏線が張られているにも関わらず、最後まで1本に繋がらない巧妙さ。
ぐぐぐっと惹き込まれる感...続きを読むじではないけれど、無意識の間に続きを読みたくなってしまう、そんな中毒性のある1冊。

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