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Posted by ブクログ
10年以上前、高校生の時に読んだであろう本を引っ張り出して再読した。
雨上がりのグラウンドの土の表現、雨が降りそうな空気の表現、試合後の疲れが混じった気だるさの表現、何気ない日常を鮮やかに切り取る表現。あさのあつこ先生のまるで自分がその場にいるような感覚になる描写に久しぶりに触れた。
32歳になった私が、今も甲子園の試合を見て、流れる汗一粒一粒の背後にある物語を想像して感動できるのも、自分が高校生だった時の日常と重ねることができるのも、母校の水泳部の後輩たちが頑張る姿を見て鮮明に自分が現役だった頃を思い出せるのも、あさのあつこ先生の小説を読み、何気ない日常を切り取ること、切り取った瞬間を言語化する語彙を学んだからこそなのかもしれない。
おかげで私は日常を何気ないとわかっていても、退屈だと思うことはない。
Posted by ブクログ
同作者の「敗者達の季節」を読み終えた後、本屋で手にした一冊。
野球というスポーツを通じて、これだけの人間ドラマが書けるのだということを証明してくれていて、とても励みになる。こうなってくるともう、可能性なんて無限にあるのだと言われているような気さえする。
野球で盛り上がるシーンってのは大体相場が決まってしまっていて、例えば大事な試合の九回裏、ツーアウト満塁……なんて、野球関連の作品でこれまで幾度となく描写されてきたシーンだと思うけど、それでも一つとして全く同じ物語はないのだろう。グラウンドに立つ一人一人に生きてきた人生があり、そんな選手達を見守る家族や恋人、先生といった親しい立場の人達にもまた積み重ねてきたものがある。それらが絡み合うことで紡がれていくドラマは、高校まで野球に身を投じてきた僕からすれば等しく尊くて愛おしい。
全10話ある中で自分が一番印象に残ったのは「ランニング」。これだけなんか、他の作品とは匂いが違うような気がした。
さあ、今年も熱い夏が始まろうとしているぞい。
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