深沢潮の作品一覧
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
「緑と赤」
それはパスポートの色をさしている。
実際に差別を受けた世代の
実体験を背景にした気持ちと
昔から持ち続けているイメージ
それぞれが
「◯◯人だから」と
現代においても偏見を生み
人を見ずに国籍だけで判断をしてしまう。
パスポートの色が「赤」であっても
「緑」であっても
◯◯人という属性以前に
自分自身なのである。
変えられない過去は現在につながっている。
けれども その現在に生きる私達の気持ちを
少しずつ変えていけば
未来を変えることができる。
知英、梓、ジュンミン、良美、龍平
その周りの人々の
自分のことでいっぱいになりながらも
自分なりに懸命に考え
互いを思いやり成長していくその姿から
国ではなく 目の前にいる
その人を見ることの大切さを教えられました。
Posted by ブクログ
父親は自分のせいで危害が及ばないようにと
自ら妻と娘の元から姿を消した。
浜田朋美は忽然と姿を消した父親に
いつか会えることを願いながらも
母親と心が通わず
孤独でたくさん淋しい思いをしながら
幼少期を過ごしてきた。
そのためか大人になっても心の中が空洞で
何にも夢中になれずにいた。
長い年月を経て
朋美が黒沢とともに父親に会いに行った時
朋美はとっさに自分のことを
「黒沢の娘」と伝えた。
でも父親は朋美を本当の娘だとわかっていた。
父親が朋美に呟いた言葉
「ミアネ、クレド、サランへ」
その意味は
「ごめん、それでも、愛してる」だから。
朋美は父親に愛されていたんだ。
離れ離れだった父親の心に触れたとき
その温かな愛情が
朋美の空洞だった心に広がっていき
朋美の中の怒りや孤独 淋しさ すべてを
包みこんでいったのだと思う。
読んでいて思わず胸が熱くなった。
Posted by ブクログ
李相周は家族に、特に妻には気持ちを
素直に伝えることがなかなかできず
妻に誤解や辛い思いをさせてしまったけれど
目まぐるしく変わる国の情勢や差別のなかで
愛する祖国と家族を最後まで愛し戦い抜き
オモニの教えの通りに
「雄鶏のように、賢く、耐え、
信頼される強い男」として生きた
強くて優しい人だった。
韓国にあるお墓に相周の骨と
ポクチュモニを埋め、手を合わせている時に
李相周の娘 梨愛の心の中で流れる
「故郷の春」の歌詞を
読みながら私も思わず胸が熱くなった。
愛する国で
自分らしく 誇りを持ち
愛する人たちと共に
幸せに生きられる世の中になるように
私たちが今 何ができるかを
考えることの重要性を強く感じた。
私は小さな存在にすぎないけれど
偏りのない心で世の中を見て
人と接しながら生きていきたいです。
Posted by ブクログ
「知らなければならないことだ」と思う自分が、そのまま主人公の葉奈に重なる。
小説家としてデビューするためのテーマを求め、慰安婦問題に出会って「これを知らなければ、書いて伝えなければ」と思う主人公の、自分自身としては必然でこれしかない!と思う心の動きと、客観的に見れば浅薄、浅慮に過ぎず、立場や視点が当事者性を欠き「どこの目線からそれを言ってるの」と言いたくなるようなあり方。私たち読者は、主人公の旅程を辿りながら、その主観と、「そんな甘いわけがない、そんな覚悟で書いていいものではない」という外側からの目線を同時に体験する。我々は主人公を客観的に見られる立場でありながら、そこに内在する危うさや甘さはそのまま自分自身にあるものだと否応なく自覚させられる。主人公に向ける咎めたい気持ちが、矛盾せず自分自身に向かう、すごい構造だと思う。
まずはきちんと知ることから始めなければならないと気づいていく主人公、その思考をなぞりながら、自分もせめてそうであらなければならない、と思う。