深沢潮のレビュー一覧

  • 緑と赤
    最後涙が止まらなくなった。

    韓国と日本の溝は想像より遥かに根深いものだというのことを知った。
    また、自分は差別する側ではないと思っていたが、本当か?韓国人と日本人というだけでなく、日本人でないことや日本人であっても属性、出自の差という違いで無意識に差別するような思いや言動をしていなかったか?自信が...続きを読む
  • 海を抱いて月に眠る
    読書記録68.
    #海を抱いて月に眠る

    本好き友が紹介してくれた作品
    海を越え日本に来た父と
    日本で生まれた息子、娘
    更にはその子らにも繋がる
    家族の物語

    父親の不器用な姿の奥にある真実が一つ一つ見えていく毎に涙が溢れた

    彼らの背負ってきた時代の苦労を、何も知らないでいる自分が
    恥ずかしい

    ...続きを読む
  • 翡翠色の海へうたう
    元従軍慰安婦、沖縄戦といった極めて重い題材だが、表現はわかりやすく、辛いと思いながらぐいぐい引き込まれていった。
    元従軍慰安婦の方達の壮絶な経験者、苦しみ、沖縄の方たちの戦争から今も続いているであろう苦しみ、もどかしさ。沖縄から遠く住んでる私にはまだまだ知らないことがあるのだろう。
    また、そこから続...続きを読む
  • 李の花は散っても
     本作品は、時代背景として元号では大正時代、西暦では1910年に朝鮮併合を行ったあとの日本と朝鮮の歴史について世界史を俯瞰しつつ2人の女性の生涯を丁寧に描く。一人の女性は、朝鮮王朝に嫁いだ日本の皇族の方子。日朝融和の象徴としての政略結婚に五里霧中する気持ちの揺れ、何とか夫である李垠を支え、子孫繁栄と...続きを読む
  • 翡翠色の海へうたう
     沖縄戦時の朝鮮人慰安婦をテーマに据えた小説と知り、さっそく入手。「推し」のK-POPアイドルから朝鮮人慰安婦問題のことを知り、小説の新人賞に応募するための作品を書こうと沖縄に取材に出掛ける、というかなり危うい設定を逆手にとって、視点人物・葉奈の学習過程自体が小説化されている。そのような彼女の姿と、...続きを読む
  • 黒い結婚 白い結婚

    やはり、何事も白い方がいい

    様々な結婚の形を色で表現した短編集。黒組は、あまり気分のいいものではなかった。結婚の意義って、そこにあるの?疑問に思ってしまった。白組も様々ではあるが、心癒されるモノばかりであった。
  • 縁を結うひと
     著者「深沢潮」さんの作品との出会いは、「翡翠色の海へうたう」であった。その後、SNSで情報を得て「かけらのかたち」を購読し、「深沢潮」さんより短編集なら本書とご紹介を受け、「縁を結うひと」を読んだ。
     在日コリアンの縁談を精力的に取り組み、生計を立ててきた「金江のおばさん」。数々の縁談のとりまとめ...続きを読む
  • かけらのかたち(新潮文庫)
    40歳~50歳代の熟年期の男女が、大学生時代のテニスサークル同総会に集まる主役に、そのパートナーもぎこちなく参加する。学生時代に共に過ごした仲間内の人間関係や恋愛関係に、パートナーの過去を知らない同伴者の心の揺れや嫉妬。短編の展開の中で、徐々に明かされていくテニスサークルメンバー達の社会人としての価...続きを読む
  • かけらのかたち(新潮文庫)
    アラサー以降の女性は思わず共感してしまう内容の連作短編集。
    かく言う私もアラサーなので何度頷きながら読んだことか…
    こういう人いるよね、こういう場面あるよね、なんなら私がこういう人になっちゃってるかも(ゾッ)なんて思いながら読みました。

    女性独特の和やかな雰囲気を装いつつピリピリとした探り合いを...続きを読む
  • 翡翠色の海へうたう
    「今も昔も、女をモノ扱いして、自分たちを慰める道具ぐらいにしか考えていない男が多すぎますね」
    という言葉にとても共感しました。
    戦時中よりはるかに平和な現代に生きているはずなのに。
  • 翡翠色の海へうたう
     本作品は、2人の女性の現在と過去が交錯しながら、一本のストーリーに展開する。1人は小説の新人賞に挑戦し、取材のために沖縄に向かった派遣社員河合葉菜の現在進行形の物語。もう1人は、朝鮮で暮らし日本兵のお世話をする仕事と言われて沖縄に連れてこられ慰安婦にされ、無理矢理日本名をつけられた「コハル」の戦中...続きを読む
  • 翡翠色の海へうたう
    好きか嫌いかとか、得意不得意は抜きにして、ものすごい話を読んでしまった感がハンパない。
    慰安婦って言葉はニュースでとてもよく聞くけど、実際のこと深く知らない人が多いのでは?
    なんとなくでしか知らずにいる人に是非読んでもらいたい。
    この作品を書き始めた覚悟、書き切った想い。熱すぎて苦しくなるほど。
    ...続きを読む
  • 緑と赤
    オムニバスで展開しつつ、それぞれの人物がつながり合っている、という構成。緑と赤はパスポートの表紙の色(大韓民国/日本)の違い。その違いが分かつもの、埋め切れない溝、壊せない壁・・・切ない小説です
  • 黒い結婚 白い結婚
    最悪な結婚について書かれた短編が4つと、最高な結婚について書かれた短編3つ。
    黒い結婚の方は、「かっぱーん」と「愛の結晶」はイマイチ。あとは黒も白もとても良かった。黒い結婚の「水際の金魚」と「家猫」は、わかりやすく結婚に向かない人を描いている。自分が一番可愛い、みたいな。
    白い結婚の方は、「シューク...続きを読む
  • 黒い結婚 白い結婚

    楽しく読めました

    いろいろな 結婚、夫婦のストーリーが面白いです。
  • 緑と赤
    ありのままの自分を認めてほしい。理解してほしい。けれども中途半端な理解や同情はしてほしくない。それくらいならば、何もないふりをして暮らしていく方がマシだ。と主人公たちの気持ちは揺れ動きます。

    私には、一見するだけではわかりにくい障害がありますが、重なる部分があるのではないかと思いました。

    重く根...続きを読む
  • 緑と赤
    「正義」をふりかざしてはいけない。でも、無関心でもいけない。どう向き合えばいいのかをひたひた考えたい。
  • 緑と赤
    グアム旅行を前にパスポートを申請した知英の手元にあるのは緑色のハングル文字の書かれたパスポートだった。…

    在日韓国人の知英、韓流アイドル好きの梓、新大久保のカフェで働くジュンミン、ヘイトスピーチに嫌悪する良美、帰化し日本国籍を取得したものの韓国へ留学した龍平。
    それぞれの立場から見た日韓問題が描か...続きを読む
  • 縁を結うひと
    在日コリアンは、なんとなくイメージで、全員韓国籍なんやと思ってたけど、当然朝鮮籍の人もいるということを知った。

    在日コリアンと日本人(特に女性が日本人の場合)の結婚が、差別問題が無くとも、難しい理由がよく分かった。法事が大変というのは良く聞く話で、大変なんやったら簡素化したらええやん、と軽々しく言...続きを読む
  • 伴侶の偏差値
    20160715リクエスト

    真紀、35歳独身、父の他界後に弟が家出、 母親と暮らしているが、母親も再婚。
    学生時代からの友人である二人、
    佳乃(かつて合コンで自分が相手にしなかった男性と結婚し堅実に生きている)
    未央(自由奔放に生きている)をつい意識してしまう。

    無責任男な新宮との関係をぐずぐず...続きを読む