深沢潮のレビュー一覧

  • はざまのわたし(集英社インターナショナル)

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    辛かった、悲しかった思い出の鮮明さたるや。
    在日コリアンへの日本人からの差別ももちろんだが、家族の繋がりが読んでて苦しい。断ち切ってしまえと叫びたくなる。

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    2025年09月24日
  • 海を抱いて月に眠る

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    ストーリーがスリリングだが暖かく感動的。在日朝鮮人の苦悩がリアルに描かれている。国政選挙の場で日本人ファーストという言葉が安易に行き交う今、多くの人に読んで欲しい。

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    2025年09月21日
  • 緑と赤

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     本作は、YA向けのような読みやすさと、中身の深さを兼ね備えた良作でした。若い方を中心にどなたにもおすすめしたい一冊です。
     深沢潮さんまだ2冊目ですが、日韓関係や在日コリアンなどの重いテーマを、とても丁寧に取り上げて作品に落とし込んでいる印象です。

     タイトルの「緑と赤」は、ズバリそれぞれ大韓民国と日本のパスポートの色を示しています。
     大学生の知英は、自分が在日韓国人だと親から聞かされていたものの、あまり深く考えずに過ごしてきました。パスポート取得を機に、2つの国を巡る状況やそこに渦巻く憎悪感情を知り、それらに向き合わざるをえない状況になっていきます。

     6章構成で、知英をはじめ、韓流

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    2025年08月28日
  • 翡翠色の海へうたう

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     読み進めるのにとてつもない痛みを伴う作品でした。繊細で重い「慰安婦」と「沖縄」をテーマとし、過酷で悲惨な内容は衝撃的ですが、目を背けずに読み切る覚悟も必要と思いました。それでも、久々に強く心揺さぶられる一冊との出会いでした。

     物語は、現在パートで作家を目指してもがく契約社員の「私」と、戦時中パートで朝鮮半島から連れて来られ、沖縄本島や離島で"慰安婦"として軍に搾取された「わたし」の2人が語り手です。交互に視点が変わり、時代を越えて交差します。

     深沢さんの、2人の女性に込めた想いがひしひしと伝わります。とりわけ、慰安婦について表面的にしか理解していなかった作家志望の

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    2025年08月26日
  • はざまのわたし(集英社インターナショナル)

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    著者である深沢潮さんとの出会いは、アジア・太平洋戦争中の沖縄戦と慰安婦問題を巡って2人の女性を綴った「翡翠色の海へうたう」であり、とても感銘を受けた。著者からのお薦めも頂き、複数の書籍を読ませて頂いた。今回は、著者のエッセーであり、在日コリアンとして、また両親の民族意識や家父長制による価値観の押しつけ体験と葛藤を「食」を通じて振り返ります。恋愛観などの葛藤と人としての成長、人生観の変化などを韓日の「食」文化を手がかりに、韓日のかかわりを紐解き、想像を巡らせます。また、韓国への来訪を中心に、アメリカへの留学体験や様々な国々への訪問・旅行を通じて諸外国の方々との人間関係や交流など、世界の食文化と韓

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    2025年08月07日
  • はざまのわたし(集英社インターナショナル)

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    このエッセイは深沢潮さんの人生の棚卸しだと終わりに語っている。独裁的な父と支配的な母の元、厳しく暴力的に育てられたそうだ。学校では自分のアイデンティティに苦しみ、ルッキズムに支配され続け、恋愛願望と過度な他人への奉仕、両親の束縛から解放されるために見合いを繰り返したことなど、赤裸々に「食の思い出」と共に語られている。いろいろな食べ物が美味しそうに描かれていて僕も食べたくなった。特に豚肉を白菜で包んで食べるポッサムをさっき妻にリクエストしたばかりだ。

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    2025年08月06日
  • はざまのわたし(集英社インターナショナル)

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    ネットで連載されていたタイトルが「李東愛(イドンエ)が食べるとき」なのだが、その冒頭で、自分を偽らないで書きたいと書かれていた。李東愛とは、深澤潮さんが日本国籍を取る前の本名。そもそも、日本国籍を取ったのも、就職や結婚などで、大変な苦労をしたからだそうだ。

    本書は、食を軸にして、自分の越し方を書いているが、現在ではともかく、在日であるというだけで、相当な差別があったということだ。
    たぶん、朝鮮半島が日本の植民地であったことで、日本人が朝鮮人を見下していたことに加え、日本とは違う風習や文化に眉をひそめる日本人が多かったからではないだろうか。

    韓国人であることがばれないように、ビクビクしながら

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    2025年07月01日
  • 翡翠色の海へうたう

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    ネタバレ

    とても読みやすい文章で、綺麗な終わり方だった。でも読んでいてずっと苦しくて、途中で何度か読むのをやめようかと思うほど残酷で覚悟のいる作品だった。悪い意味ではなく、それほどテーマが重く、真剣に受け止めなければいけないものだから。
    知ること、向き合うことは軽い気持ちで出来ることではないけど、それでもなかったことにしてはいけない。
    彼女の心が段々とすり減っていく姿や、死を願い、死を拒む気持ちが胸に突き刺さった。
    彼女の最期に、少しでも良い思い出が巡ることを願う。
    ずっと、アリランの歌声が響いている。

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    2025年05月05日
  • 李の花は散っても

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    面白かったー!朝鮮王家に嫁いだ皇族の方子、朝鮮人の夫についていって韓国で暮らしたマサの人生が描かれている。
    こんな人がいたなんて知らなかった。国や戦争に翻弄されて散々な目に遭って気の毒だった。今の日本は個人が自分の選んだ相手と結婚できるし兵隊に取られることもない、平和な世の中になった。

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    2025年03月29日
  • はざまのわたし(集英社インターナショナル)

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    作者の書いた本のエピソードや子ども時代や子育てのエッセイで性格が似ているので同調しながら他作品も読んでみたくなる。
    読みやすい文章で回りくどくないのはすごくいい。
    当たり前と思っていたのは国が違えば不思議となる。ブラジルから来ている同僚のキツさや考え方の違いもブラジルでは当たり前なんだろうなぁと自分の生活に置き換えて考えてしまった。

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    2025年03月20日
  • 翡翠色の海へうたう

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    プロの小説家デビューを目指す女性と朝鮮慰安婦の二つの物語が同時進行する。自分の存在価値を認めさせたい小説家の卵と一方は死ぬことも出来ずにただ「あな」として生かされる女性。場所が移動するたびに日本名が与えられて、決して本名は誰にも言わない。小説家の卵が内面的に成長していく中で、やがて二つの物語は…。慰安所の表現はかなりキツく心を抉られそうだった。深沢潮さんの本はこれで4冊目だが、読むたびにハマっていく。

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    2024年08月10日
  • 海を抱いて月に眠る

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    ずしんと心が揺さぶられる物語だった。密航して日本にたどり着いた在日1世の物語。祖国の統一や民主化を願って運動に関わっていくが、家族にはなぜかコミュニュケーション障害のように、うまく気持ちや愛情、行動の意味を伝えることができず、つい怒鳴ってしまう。亡くなってから日記を読むことで息子や娘たちは初めて理解できる過程が悲しいけれど感動的だった。

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    2024年07月28日
  • 李の花は散っても

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    "自分で道を選べない"の重さが桁違いだった方々…
    皇族という、国を背負う一員だったはずが、数々の戦争によってかわってしまう。
    ただ最後は自分の道をしっかりと掴まれた。
    史実が元のお話故に、救いがない箇所も多いが、だからこそ没入して読んでしまった。
    フィクション部分も上手く絡んで、よりいろんな立場の人から見たその時代を感じられた。

    この間パレスチナ問題について学んだばかりで、韓国との関係は余計に考えてしまった。
    島根県出身の自分としては竹島問題が気になるところではあるが、過去に韓国にした仕打ちはなかなか…
    正直日本を嫌う人の事も否定できないなと思ってしまう。
    戦争で得たもの

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    2024年07月18日
  • 緑と赤

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    最後涙が止まらなくなった。

    韓国と日本の溝は想像より遥かに根深いものだというのことを知った。
    また、自分は差別する側ではないと思っていたが、本当か?韓国人と日本人というだけでなく、日本人でないことや日本人であっても属性、出自の差という違いで無意識に差別するような思いや言動をしていなかったか?自信がない。
    良美のようにヘイトスピーチを反対するような運動に直接関わることができなくても、自分の周りで起きていることや人たちに思いを寄せていくことが、せめての第一歩なのではないかと思った。

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    2024年02月10日
  • 海を抱いて月に眠る

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    読書記録68.
    #海を抱いて月に眠る

    本好き友が紹介してくれた作品
    海を越え日本に来た父と
    日本で生まれた息子、娘
    更にはその子らにも繋がる
    家族の物語

    父親の不器用な姿の奥にある真実が一つ一つ見えていく毎に涙が溢れた

    彼らの背負ってきた時代の苦労を、何も知らないでいる自分が
    恥ずかしい

    知ろうとする事、伝え残す事の大切さ

    友よ、ありがとう

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    2024年02月07日
  • 李の花は散っても

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     本作品は、時代背景として元号では大正時代、西暦では1910年に朝鮮併合を行ったあとの日本と朝鮮の歴史について世界史を俯瞰しつつ2人の女性の生涯を丁寧に描く。一人の女性は、朝鮮王朝に嫁いだ日本の皇族の方子。日朝融和の象徴としての政略結婚に五里霧中する気持ちの揺れ、何とか夫である李垠を支え、子孫繁栄と家族の安寧を願う生活を丁寧に描写する。一方、もう一人に生活困窮した日本人の少女マサは、基督教信者で朝鮮独立運動を続け、厳しい拷問にも耐えながらも祖国の独立運動に身を投じる男性に恋心を寄せ、夫婦になる。世情や日常生活を丁寧に描きつつ、忍び寄る軍靴、そして帝国日本の敗戦による占領政策により、日本国内で没

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    2023年10月28日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    やはり、何事も白い方がいい

    様々な結婚の形を色で表現した短編集。黒組は、あまり気分のいいものではなかった。結婚の意義って、そこにあるの?疑問に思ってしまった。白組も様々ではあるが、心癒されるモノばかりであった。

    #切ない #感動する #泣ける

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    2023年08月13日
  • 緑と赤

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    オムニバスで展開しつつ、それぞれの人物がつながり合っている、という構成。緑と赤はパスポートの表紙の色(大韓民国/日本)の違い。その違いが分かつもの、埋め切れない溝、壊せない壁・・・切ない小説です

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    2020年10月14日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    ネタバレ

    最悪な結婚について書かれた短編が4つと、最高な結婚について書かれた短編3つ。
    黒い結婚の方は、「かっぱーん」と「愛の結晶」はイマイチ。あとは黒も白もとても良かった。黒い結婚の「水際の金魚」と「家猫」は、わかりやすく結婚に向かない人を描いている。自分が一番可愛い、みたいな。
    白い結婚の方は、「シュークリーム」は婚約者の彼に不信感を抱き始めるけど、大どんでん返しで安心する素敵な話。こういう人いるよね、と思った。周りからは「要領のいい奴」とちょと誤解されるんだけど、実は見えないところでけっこう努力している。けな気というか。「あいつは要領がいい、ずるい」などと妬む人は、そういうことに想像が及ばず、自分

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    2020年08月16日
  • 黒い結婚 白い結婚

    購入済み

    楽しく読めました

    いろいろな 結婚、夫婦のストーリーが面白いです。

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    2020年08月08日