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Posted by ブクログ
李相周は家族に、特に妻には気持ちを
素直に伝えることがなかなかできず
妻に誤解や辛い思いをさせてしまったけれど
目まぐるしく変わる国の情勢や差別のなかで
愛する祖国と家族を最後まで愛し戦い抜き
オモニの教えの通りに
「雄鶏のように、賢く、耐え、
信頼される強い男」として生きた
強くて優しい人だった。
韓国にあるお墓に相周の骨と
ポクチュモニを埋め、手を合わせている時に
李相周の娘 梨愛の心の中で流れる
「故郷の春」の歌詞を
読みながら私も思わず胸が熱くなった。
愛する国で
自分らしく 誇りを持ち
愛する人たちと共に
幸せに生きられる世の中になるように
私たちが今 何ができるかを
考えることの重要性を強く感じた。
私は小さな存在にすぎないけれど
偏りのない心で世の中を見て
人と接しながら生きていきたいです。
Posted by ブクログ
前半から中盤までは一種の青春小説のようでテンポよく進み、ワクワクした。後半、韓国の民主化運動に熱心に参加する姿や在日韓国団体同士の対立など描写されるが、日本人だと感覚的に理解出来ない部分もある。
しかし在日の近現代史を知れ、難しい複雑な立場に置かれていることも知ることができ、学びが多い。日本で生活しながらも母国を思い続け、韓国人としての名前やアイデンティティを誇りにする姿は何ともいえず、韓国との複雑な歴史や関係についても考えさせられる。在日という主題だけでなく、ひとりの人生の歴史という視点からも面白かった。
父親の手記を辿り、家族さえ知らなかった本当の父親の姿を知るという構成はすごく良く、この小説に合っていた。
Posted by ブクログ
父の文山徳允は表立っては在日という事実を隠し、日本名で人生を送っていた。
小さい頃から父は長男の鐘明には優しく、何故か娘の梨愛(りえ)には理不尽ともいえる厳しい躾を果たしてきた。
長女の梨愛は、そんな父親に反感を抱き、お互いに理解し合える親子関係ではなかったと考えている。
兄は、母国に対する愛国精神に長けた父親の頑固なまでの考え方とは相反し、結婚と同時に日本国籍を取得する。
そんな兄とも梨愛は距離を置いた関係が続いていた。
その在日韓国人一世だった父が亡くなった。
傲慢とも云えた父の葬儀に、老いた白髪の老人が人の目も憚らず、棺に縋り泣き悲しんでいる。
その傍に美人の若き婦人が涙を流し、父の死を悼み悲しんでいる。
身内の誰もがその二人が何者なのか、全く知らなかった。
後日、兄と二人で父の一人住まいであったマンションで遺品整理を行なう。
数少ない遺品の中に、数冊の古いノートが遺されていた。
日帝支配の戦前、戦中、そして戦後と、混乱の真っ只中で苦境を強いられた朝鮮半島の人たちの生き様の物語だ。
在日の人々の戦後の歴史が、李相周(文山徳允)が残したノートに、文山の人生が綴られていた。
慟哭ともいえるノートから聞こえる声を通して、梨愛と鐘明は父親の真の姿を知ることになる。
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