【感想・ネタバレ】緑と赤のレビュー

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Posted by ブクログ

グアム旅行を前にパスポートを申請した知英の手元にあるのは緑色のハングル文字の書かれたパスポートだった。…

在日韓国人の知英、韓流アイドル好きの梓、新大久保のカフェで働くジュンミン、ヘイトスピーチに嫌悪する良美、帰化し日本国籍を取得したものの韓国へ留学した龍平。
それぞれの立場から見た日韓問題が描かれます。

日本国籍を持ち日本で暮らし、韓国にあまり興味を持っていなかった自分には、今回この作品に出会うまで、身近な話ではなかったです。
今まさに複雑になっている日韓関係を思うと、当事者達には更に思うことは多々あるのでしょう。

フラットにものを見ることの出来る龍平の友達佐藤のような人達ばかりだったら問題になることは少ないのかもしれません。
とは言っても、それぞれの国の歴史もあり、仕方のない部分もあるのかもとも思います。

これを機に、アイデンティティをテーマにした作品を、もっと手にしてみたいと思いました。
良い出会いでした。

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2019年11月18日

Posted by ブクログ

ものすごく読みやすくて、新たな気付きをたくさんもらった。
読んでよかった。
私は純粋な日本人。生まれてこのかた特に親しく付き合う外国人または在日はいない。
若い頃主に英語圏の国々に憧れはいっぱしにあったけど、やはり身近にいないせいか朝鮮、中国には顔も近いが文化的に遅れていそうというイメージだけで下にみていたか?
特に韓流が流行り出した頃も無関心だけど、スポーツにおいて、または反日、反韓がニュースになるにつけ、段々と自分の中の日本愛が目覚めていったと思う。
自分のアイデンティティーは確立してあることの安心感をこの本でもって確認できた。
でも!やはり個人なのだ。その個人が集まって国ができるのだから。
私にできることはカウンターになることではない。一人一人の人間を尊重すること。それしかできないけど、それも難しいことだけど、自分自身が幸せに暮らせることがその国の価値になる。
自国が満足していれば、他国をこき下ろすこともしないでいられるのに。
政治や経済、文化、宗教と限りなく違うことがある。みんなちがってみんないい。
登場人物の在日韓国人の思いはそれぞれ読み取った。みんな幸せになればいい。

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2016年01月07日

Posted by ブクログ

ある日母親から自分が在日韓国人だと聞かされた知英

日本では韓国への反感が高まっているときで悩みどうすれば良いかと思う

友達の梓はK-POP好き

そして2人で海外旅行に行くことになっていた知英は悩んだ末に梓に在日だと打ち明けることにする

他の2人に関わる周りの人の話

いろんな想い差別 イメー

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2024年06月12日

Posted by ブクログ

在日韓国人であることをKポップ大好きな親友に話すことが出来ずにいる知英、大好きなKポップアイドルグループのメンバーにそっくりな恋人を追いかけて韓国へ行ったら思いもかけない日本人差別にあった梓、新大久保で見かけた大規模な嫌韓デモをきっかけに差別と戦うことを誓う中年女の良美などを取り巻く今の日本人と韓国人、そして在日韓国人の関係性や苦悩を描いたお話。

先日読んだ「海を抱いて月に眠る」よりも心の動きが理解しやすいかな。日本人からも韓国人からも中途半端と疎まれるなんて、そこに悪意をぶつけられるなんて、いたたまれない気持ちになる。何故そこに悪意や嫌悪感が生まれるのか、国籍の少しの違いで人の優劣が決められるわけなんてないのに。

かなり考えさせられる、今まで在日韓国人がそんな苦悩を抱えているなんて考えたこともなかった。私のなかでは差別のない人でありたい、佐藤のような人でありたい。

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2022年02月04日

Posted by ブクログ

在日のお話。全6章、様々な立場の人から物語が紡がれている。
繊細な話をわかりやすく、でも繊細に描いていて人にも薦めたくなる一冊。

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2022年01月30日

Posted by ブクログ

緑と赤、それは韓国と日本のパスポートの色。

パスポートの色の違いで、在日韓国人であることを意識せざるをえなくなった知英。
K-POPアイドルファンの日本人、梓。
友人に自分が在日だということを隠していた龍平。
新大久保のヘイトスピーチを見て反対運動に参加しはじめた韓流好きな良美。
日韓のデリケートな状態が、彼らの目を通して浮かび上がって来ます。

著者の本は、何冊か読んでいますが、
その時も感じた事は、在日という日本と韓国の間に存在する人々の、
日本人とも、韓国人ともいえない苦悩でした。

当時はそのことを、特に意識した記憶はないけれど、
中学時代、在日のクラスメイトがいました。
優しくて聡明で、同級生の誰より大人っぽくて…
私はそんな彼女のことが大好きでした。

両国の歴史に根強く残る負の感情。
そう簡単には解決できない難しい問題なのだと思います。
もちろん、過去を知ることは大切。
でもそれを知らない世代だから、できることはあるはず。
国と国の問題によって、友人関係が壊れてしまうのは哀しい。
本書を読んで、そう感じました。

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2016年10月07日

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パスポートの色
緑と赤
同じ日本で育っても、日本人と韓国人
だだ、それだけの違いなのにね
2016.03

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2016年03月22日

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ネタバレ

中学三年生のとき私が運転して、そのとき一番仲の良かった友達が後ろ自転車の二人乗りー新長田のサンリオショップに行く途中『私な在日韓国人やねん』と告白してきた友達
あの時私何て答えたんだろ?
それからもずーと仲良くて
一緒に飲みに行ったり恋話もたくさんしたし

私が北海道に来ても、新婚旅行で北海道まで来てくれた
『うちら在日やねん』て、とてもキラキラしてたよ
その頃の匂いとか二人乗りの風景とか思い出したら胸がギュとなる

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2016年01月19日

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傑作。題材は在日だが、描かれているのは日常で感じていることばかりだ。極端な人間の言動、一方的な仲間意識。そういうのに疲れている、あの虚無感。こういう本こそ、広く読まれてほしいんだが。

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2016年01月17日

Posted by ブクログ

タイトルの「緑と赤」は韓国と日本のパスポートの色にちなんでいるんだろうけど、WEBマガジンなどで連載されていたときは「ここではない」というタイトルだったらしい。「ここではない」も何がここではないのか、内容とのシンクロ感がいまいちという感じがしてしまうけど少なくとも葛藤や焦燥のにおいがある。それに比べると「緑と赤」はだいぶわけわかんない程度にマイルド化されたなあという印象。
いつのまにか表立ってはずいぶん下火になった感じがするけど、連載されていた時期は新大久保などでのヘイトスピーチが盛んだった頃だろう。それに触発されて書かれた作品なのではないかと思う。自分が在日韓国人であることに戸惑い、葛藤する知英(ちえ、ジヨン)を中心に、その友人や母親、カウンターとして活動する中年女性、知英といい仲になる韓国留学中の在日青年、日本に留学していたイケメン韓国人らを各編の主人公に据えてそれぞれのおかれた状況やそのなかでの葛藤が物語になっている。
小説としてはちょっと典型に過ぎる感じがし、読み応えもサラッとしすぎな感じがするが、これは一方でヘイトスピーチへの問題提起や在日韓国・朝鮮人の人たちのおかれた立場・状況・思いを紹介するために小説という体裁をとっているだけのものと思えば、回りくどくなくその本題に触れられるともいえる。
北関東の地方都市で離婚して出戻り肩身の狭い暮らしをしていた良美が、韓流スターにハマって訪れた新大久保でヘイトスピーチのデモに出会い、カウンターとして活動しはじめ東京に出てきて、左翼くずれの叔父に諭されながらもいつのまにか活動家としてそれなりの立場になっている(らしき)エピソードが一番心に留まった。

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2022年05月08日

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日韓をまたぐいろいろな立場の人たちの人間模様。

こじれている。

作者はそれぞれの心情をうまく描写するが、日本での舞台が新大久保にほぼ限定されるなど偏っていて、展開もそれにつられるように偏っていく。

作者の意図なのだろうが。

日韓の国際結婚で幸せに暮らしている人たちもたくさんいるだろうに。

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2016年03月24日

Posted by ブクログ

例えば、誰かや何かを嫌いだからと
ネットの掲示板に書き込まれる読むに堪えない様々な罵詈雑言。
面と向かったら言えないような言葉でも、PCの画面が相手ならいくらでも垂れ流しできてしまうのでしょう。
誰かを傷つけるために発せられるナイフの様な言葉は
たまたまそれを目にしたり耳にしたりした不特定多数の人たちの心まで簡単に傷つけてしまうのです。
『赤と緑』それはパスポートの色。赤は日本そして緑は韓国のもの。
日本人を『嫌いだ』という韓国人。
韓国人というだけで、酷い言葉を浴びせる日本人。
こじれてしまった両国の問題は根深いし、
差別やいじめはきっとなくならない。
でも『『嫌い』という言葉に巻き込まれないで』という作者の思いは、ひしひしと伝わってきました。
在日・韓流ブーム・ヘイトスピーチ、両国をめぐる今の姿が在日韓国人少女の目を通してわかりやすく描かれています。秀作。

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2016年03月16日

Posted by ブクログ

巻末の参考文献を見て、あぁと思った。思うところもあったけど、それで誰かに非難されたりやり合うつもりは全くないので、この欄は「読んだ」という記録のつもり。

知人の在日さんはいい人だったんだけど、日韓で私と認識が違うところもあって、あちらはそれで引かないし、私は自分の国を大事に思ってる。そういうところでいざこざになるのもイヤなので、今はなんとなく距離を置いている。

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2016年01月19日

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