翡翠色の海へうたう

翡翠色の海へうたう

小説・文芸
858円 (税込)

4pt

4.4

派遣社員、彼氏なし、家族とは不仲。冴えない日々を送る葉奈は作家になる夢を叶えるべく、戦時中の沖縄を舞台に勝負作を書くこと決意。しかし取材先で問題の当事者ではない人間が書くことの覚悟を問われ…。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    KADOKAWA
  • 掲載誌・レーベル
    :
    角川文庫
  • タイトル
    :
    翡翠色の海へうたう
  • タイトルID
    :
    20093277
  • 電子版発売日
    :
    2024年07月25日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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翡翠色の海へうたう のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「知らなければならないことだ」と思う自分が、そのまま主人公の葉奈に重なる。
    小説家としてデビューするためのテーマを求め、慰安婦問題に出会って「これを知らなければ、書いて伝えなければ」と思う主人公の、自分自身としては必然でこれしかない!と思う心の動きと、客観的に見れば浅薄、浅慮に過ぎず、立場や視点が当事者性を欠き「どこの目線からそれを言ってるの」と言いたくなるようなあり方。私たち読者は、主人公の旅程を辿りながら、その主観と、「そんな甘いわけがない、そんな覚悟で書いていいものではない」という外側からの目線を同時に体験する。我々は主人公を客観的に見られる立場でありながら、そこに内在する危うさや甘さはそのまま自分自身にあるものだと否応なく自覚させられる。主人公に向ける咎めたい気持ちが、矛盾せず自分自身に向かう、すごい構造だと思う。
    まずはきちんと知ることから始めなければならないと気づいていく主人公、その思考をなぞりながら、自分もせめてそうであらなければならない、と思う。

    0
    2026年07月20日

    Posted by ブクログ

     読み進めるのにとてつもない痛みを伴う作品でした。繊細で重い「慰安婦」と「沖縄」をテーマとし、過酷で悲惨な内容は衝撃的ですが、目を背けずに読み切る覚悟も必要と思いました。それでも、久々に強く心揺さぶられる一冊との出会いでした。

     物語は、現在パートで作家を目指してもがく契約社員の「私」と、戦時中パートで朝鮮半島から連れて来られ、沖縄本島や離島で"慰安婦"として軍に搾取された「わたし」の2人が語り手です。交互に視点が変わり、時代を越えて交差します。

     深沢さんの、2人の女性に込めた想いがひしひしと伝わります。とりわけ、慰安婦について表面的にしか理解していなかった作家志望の「私」を通して、読み手にも有無を言わせずその無自覚さを強烈に突き付けます。
     尊厳が奪われ心が壊れるような描写が多いのですが、民族や当時の立場を超えた人の温もりや優しさも垣間見られ、救いもありました。

     深沢潮さんは、在日韓国人の両親をもち、後に日本国籍を取得している女性作家です。もがきながら取材する作家志望の「私」は、自ずと深沢さんと重なります。
     直接の当事者ではないにせよ、巻末の膨大な量の参考文献・映像の一覧を見ると、記述の精度へのこだわりと入念な考証がうかがえます。

     読後、当時確かにいた彼女たちに向けて、美しい海の光景、韓国の望郷の歌・アリランを想いながら、せめてその魂の安寧を祈りたい気持ちでいっぱいでした。深く胸に刻み込まれるような感銘を受けました。もう少し深沢潮作品を読んでみたいと思いました。



    ※ 以下は最近の気になった報道です。世の中の風潮への不安と危惧が拭えません。スルーしていただいて構いません。 

     つい先日、週刊新潮のコラムで、深沢潮さんが名指しで「日本名を使うな」などと差別的論調の被害を受けたようです。深沢さんは会見で、謝罪と誌上批判・反論する場を要求するも、コラムは打ち切りになり、根本的な解決に至っていないと…。

     先の参議院選挙でも大きな社会問題となった「日本社会の外国人への排外的空気」…。悲しいし、人権感覚を疑います。とても居心地悪いです。
     セクハラやパワハラなどの暴力、差別や搾取は現在も無くならず、普遍的な問題ですね。

    0
    2025年08月26日

    Posted by ブクログ

    プロの小説家デビューを目指す女性と朝鮮慰安婦の二つの物語が同時進行する。自分の存在価値を認めさせたい小説家の卵と一方は死ぬことも出来ずにただ「あな」として生かされる女性。場所が移動するたびに日本名が与えられて、決して本名は誰にも言わない。小説家の卵が内面的に成長していく中で、やがて二つの物語は…。慰安所の表現はかなりキツく心を抉られそうだった。深沢潮さんの本はこれで4冊目だが、読むたびにハマっていく。

    0
    2024年08月10日

    Posted by ブクログ

    深沢潮。
    私は鷺沢萌と空目してしまう。
    なので彼女が韓国ルーツにあることを知ってびっくり。

    楽天電子でセールしてたのでたまたま手に取った。
    寝る前に読もうと思って。
    一気に読んでしまい、寝たのが4時w
    あらすじで重い話であることは覚悟していたけど、やはり辛い。
    一番の衝撃は子どもが被害に遭ったところ。
    人って、男ってなんでこうなるのか。
    人間にクズが一定数いるように、軍人にクズが一定数いるのは理論上はしょうがないというのは頭ではわかるけど、平時ではそれなりにある壁が、戦争になると途端にクズとの接点の堺があやふやになるのが恐怖。

    それからこちらの作家さんについてはもう一つあって、新潮社との問題。
    ニュースでは知っていたけど、読み終わった後にその作家さんだと知った。
    ネトウヨに絡まれると人生本当に疲弊すると思う。
    どの集団にも一定数いるクズとそうじゃない人を一緒くたにしないで欲しいし、自分もステレオタイプの罠にハマらないように注意したいし、そうならないための読書であるとも思う。

    巻末の参考文献が圧倒的。
    いくつか読んでみたい。

    0
    2026年09月22日

    Posted by ブクログ

    悲しくて辛い話。
    苦しさが長く続いて最後の数行でどうにか希望を見出す事が出来る。
    女性として生まれたことの意味と男性として生まれることの責任とかを考えさせられる。
    時代背景によって男女の性の扱い方がこんなにも違ってしまうのかと、わかっていたようで本当の苦しみは全く理解していなかったんだとこの作品を読んで痛感。それぐらい具体的な描写に目を背けたくなるような表現も多いですが、反日、反韓とか関係なく、1人の女性の強く行きた生き様を多くの人に読んでみて欲しいと思いました。

    0
    2024年11月13日

    Posted by ブクログ

    読み進めやすいが、ずっと苦しい。
    沖縄戦が取り沙汰されるなか、あまり話題にのぼらない慰安婦について書かれている貴重な本だと思う。

    穴にされる、ないことにされる苦しみが身にせまる。

    0
    2024年09月18日

    Posted by ブクログ

    冒頭が現代の女性の目線なので、もう少しソフトに描かれるのかと思ったら、重いテーマが容赦なく重く、赤裸々に描かれていました。騙されて半島から連れてこられて慰安婦にされた女性のリアルなノンフィクションのよう。
    知らなきゃいけないテーマだと思う。けど今は読むのがちょっときつかった。

    0
    2026年09月08日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    とても読みやすい文章で、綺麗な終わり方だった。でも読んでいてずっと苦しくて、途中で何度か読むのをやめようかと思うほど残酷で覚悟のいる作品だった。悪い意味ではなく、それほどテーマが重く、真剣に受け止めなければいけないものだから。
    知ること、向き合うことは軽い気持ちで出来ることではないけど、それでもなかったことにしてはいけない。
    彼女の心が段々とすり減っていく姿や、死を願い、死を拒む気持ちが胸に突き刺さった。
    彼女の最期に、少しでも良い思い出が巡ることを願う。
    ずっと、アリランの歌声が響いている。

    0
    2025年05月05日

翡翠色の海へうたう の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    KADOKAWA
  • 掲載誌・レーベル
    :
    角川文庫
  • タイトル
    :
    翡翠色の海へうたう
  • タイトルID
    :
    20093277
  • 電子版発売日
    :
    2024年07月25日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
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