深沢潮のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
個人的に、「このテーマだと手に取ってしまう」という作品の傾向があるのですが、「ママ友」って、怖いもの見たさが半端ないです。
特に幼稚園…いやだわ~
一日中子供べったりだったのがやっと解放される、昼間の4時間くらい自由になれる!その嬉しさといったら、特に初めての子供の場合は!
で、「ランチに行きましょう」ということになるのですが…
このセリフがくせ者で。
読んでみると分かるのですが、同じセリフでも含まれる意味が全然違う。
だいいち、子供が同じ幼稚園じゃなかったら、この人とランチなんて行きたくないよね、この人だけは除きたいよね、あの人行くなら私はパスしたいんだけど…
という自由な取捨選択ができ -
Posted by ブクログ
緑と赤、それは韓国と日本のパスポートの色。
パスポートの色の違いで、在日韓国人であることを意識せざるをえなくなった知英。
K-POPアイドルファンの日本人、梓。
友人に自分が在日だということを隠していた龍平。
新大久保のヘイトスピーチを見て反対運動に参加しはじめた韓流好きな良美。
日韓のデリケートな状態が、彼らの目を通して浮かび上がって来ます。
著者の本は、何冊か読んでいますが、
その時も感じた事は、在日という日本と韓国の間に存在する人々の、
日本人とも、韓国人ともいえない苦悩でした。
当時はそのことを、特に意識した記憶はないけれど、
中学時代、在日のクラスメイトがいました。
優しくて聡 -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦前に李王朝の皇太子•李垠(り ぎん)に嫁いだ梨本宮方子(まさこ)様。
日本統治下の朝鮮で日鮮融合の象徴としての政略結婚で
方子様の婚前の不安や覚悟などが丁寧に描かれる。
級友と比べて予想もしなかった李家との縁組も
最愛の息子の不審死も
何も声を上げることもできず
運命を受け入れるしかない。
個よりも公を重んじるお立場で
複雑な想いや苦しみを決して口に出したり態度に出したりしない。
庶民には到底わからない苦悩があった。
前半に比べて後半があまりにも駆け足で
あっという間に数年経っていたり
出来事を追うだけになってしまい
少し残念。
もう一つのマサという貧しい生い立ちの女性の物語が合間に挟 -
Posted by ブクログ
戦前、大正の時代のこと、皇族である梨本宮家に生まれた方子が、朝鮮王家の李王家の妃として政略結婚され、その一生をまっとうする物語。そして、同時に、朝鮮半島から来た革命家の男とともに韓国に渡り朝鮮人として生き抜くマサ、二人の物語が交互に語られ、最後にはともに生きることになる。方子は史実をもとにした展開で、マサの方はフィクションか?
どちらも、今の時代には考えられない壮絶な体験。ただ、どんな苦労があっても、信念を持って生きれば、悔いはない。朝鮮併合のための政略結婚として何人かの皇族が政略結婚させられ、戦後に離婚となった例もあるという。夫婦関係も心がけ次第、気の持ち方次第。自分の人生をどう生きるか、に