あらすじ
ぬるぬるするシャワーブース、髪の毛だらけの電気カーペット、押入れもひと部屋!? おしゃれとは程遠いシェアハウスに住む事情
明大前駅から徒歩18分のところにある「ティラミスハウス」。その名にまったく似合わない古い木造長屋のシェアハウスに住む女たちは、それぞれ事情を抱えていた。貧困、生活保護、シングルマザー、ネグレクト、外国人技能実習制度――。ひっそりと息を詰めながらも、懸命に生きる彼女たちの本音とは。持たざる者たちの生きづらい現状と、その先にある希望を描いた問題作。R‐18文学賞出身の気鋭が、現代社会のリアルに迫る。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ほのぼの系かと思って読んだらとんでもない。
留学先で出会った男性に貢ぎ、資金が底をついて帰国した樹。地元に帰れず東京の女性専用シェアハウス「ティラミスハウス」で共同生活を始めます。惚れた男に都合良く扱われボロボロになる樹に苛立ちを感じながら読み進めましたが、章が変わるごとにティラミスハウスの住人たちの背景を知ることになり、なんなら一番恵まれている樹の存在感は霞んでいきます。
特に外国人技能実習制度で来日したワンと、セクハラとDVから逃げてきた中国人女性の不法滞在での共同生活が壮絶で、旧時代のことのように思えた外国人差別が現代の日本でも行われていることにショックを受けました。そして日本人の中でも、ティラミスハウスという生活困窮者が暮らす空間で、弱い者同士が見下し合う現象を目の当たりにしました。
>「でもねえ。さくらちゃんが生活保護って、なんかね。その割には偉そうだし、感じ悪いし。生活保護を受けてるなら、もっと謙虚にするべきじゃない?」
人の闇の部分を煮詰めたような風香の発言です。
「生活保護」受給者というだけで相手を見る目がガラリと変わり、上下関係が一転してしまう。見た目が弱そう、貧乏そう、おどおどしていて怒らなさそう——相手の見た目から情報を受け取り、瞬時に自分の立ち位置を計算してしまう。私も含め、人間の本能の恐ろしさを感じずにはいられませんでした。
Posted by ブクログ
シェアハウスに住む、様々な事情を抱えた女性たちの物語。さらっと読める。今、私達が生きているこの社会。いつも見て見ぬ振りしている問題。登場人物たちは、フィクションではなく、何処かにいる誰かであるのだと、考えさせられる内容だった。