深沢潮のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
グアム旅行を前にパスポートを申請した知英の手元にあるのは緑色のハングル文字の書かれたパスポートだった。…
在日韓国人の知英、韓流アイドル好きの梓、新大久保のカフェで働くジュンミン、ヘイトスピーチに嫌悪する良美、帰化し日本国籍を取得したものの韓国へ留学した龍平。
それぞれの立場から見た日韓問題が描かれます。
日本国籍を持ち日本で暮らし、韓国にあまり興味を持っていなかった自分には、今回この作品に出会うまで、身近な話ではなかったです。
今まさに複雑になっている日韓関係を思うと、当事者達には更に思うことは多々あるのでしょう。
フラットにものを見ることの出来る龍平の友達佐藤のような人達ばかりだった -
Posted by ブクログ
ものすごく読みやすくて、新たな気付きをたくさんもらった。
読んでよかった。
私は純粋な日本人。生まれてこのかた特に親しく付き合う外国人または在日はいない。
若い頃主に英語圏の国々に憧れはいっぱしにあったけど、やはり身近にいないせいか朝鮮、中国には顔も近いが文化的に遅れていそうというイメージだけで下にみていたか?
特に韓流が流行り出した頃も無関心だけど、スポーツにおいて、または反日、反韓がニュースになるにつけ、段々と自分の中の日本愛が目覚めていったと思う。
自分のアイデンティティーは確立してあることの安心感をこの本でもって確認できた。
でも!やはり個人なのだ。その個人が集まって国ができるのだから -
Posted by ブクログ
ネタバレどうして伝わらないのだろう、こんなに近くにいるのに……
パスポートを取得してみたら、韓国人だったでござる。
「はぁっ?」ってなるくらい、韓国人であることを意識しないよう育てられてきたヒロイン、知英(ちえ・ジヨン)。
自分がいわゆる在日韓国人であることを知ってしまってからの知英の葛藤を軸に、日本の中での韓国の扱われ方、というか嫌われ具合を嘆く内容です。以下、ネタバレを含みます。
韓国人も日本人も単なるイメージで互いに嫌いあっている。実際の韓国人あるいは日本人に触れることなく。
その狭間で板ばさみになってる在日韓国人の苦悩と再生を描いているのですが、全編に日本での嫌韓ブームに対する非難を強く -
Posted by ブクログ
全編が自己紹介のような本。環境や立場は違うけれど、わが家の食事風景や時代の記憶まで呼び起こされ‥懐かしさ誇らしさに恥ずかしさと申し訳なさ‥わたし自身にも身に覚えがあり過ぎて胸の奥がチクリと痛い。
以前、経歴もなにもまったく予備知識のないまま『乳房のくにで』を読んだ時の、物語全体から受けたどんよりとした閉塞感がどこから来るのか謎だったのだが‥ようやくその理由が少しわかったような気がした。web連載だったそうで文章はとても読みやすいが、なかなかハードな人生。書くことで自分を保ち生き延びてきた人なのかも。本書で紹介されたほかの作品も読まなくては。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ木原音瀬先生のお話を目当てに購入したので、お目当ての話だけ読んでもいいかと思って最初から順番に読み始めましたが、全部読んでしまいました。
全部読んだあとに思ったことは、やっぱり木原音瀬先生は癖が強い。笑 男性が妊娠できる世界という設定はおもしろかったし、男性も苦しんでほしいと思ってしまいます。
お気に入りは白い結婚の「ダーリンは女装家」、「いつか、二人で。」
今年は黒い結婚寄りの、暗めのお話を読むことが多かったので、白い結婚で心が洗われました。ハッピーエンドもいいですね。
ダーリン〜
15歳の時に大好きだった人と結婚するなんて素敵。男であり女でもある旦那さん、いいですね。認知症になったお母 -
Posted by ブクログ
幼稚園のママ友の話は今までいくつか読んできたけれど自分が当事者だった時と今とでは捉え方が違ってきている。今どきのママ友事情はこんな感じなのかという思いと懐かしい思いで一気に読み終えた。登場する5人の中では自分は誰に近いかとかこの人とは仲良くなれそうにないな、など勝手に考えたりもしていた。スピリチュアルな千鶴にはどうしても自分だったら敬遠してしまう。当たり前だけれどそれぞれに色んな事情を抱えていて誰が一番幸せがは分からない。そして子供の成長に伴ってママ友の関係も終わったり、友情が芽生えて生涯の友となることもあるかもしれない。女性にとってはとても貴重な体験ができる時間であるように今は思える。