深沢潮のレビュー一覧

  • 緑と赤

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    ネタバレ

    ありのままの自分を認めてほしい。理解してほしい。けれども中途半端な理解や同情はしてほしくない。それくらいならば、何もないふりをして暮らしていく方がマシだ。と主人公たちの気持ちは揺れ動きます。

    私には、一見するだけではわかりにくい障害がありますが、重なる部分があるのではないかと思いました。

    重く根の深いテーマですが、文体はソフトでわかりやすく、抵抗なく読み進めることができました。

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    2020年05月09日
  • 緑と赤

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    「正義」をふりかざしてはいけない。でも、無関心でもいけない。どう向き合えばいいのかをひたひた考えたい。

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    2020年02月13日
  • 緑と赤

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    グアム旅行を前にパスポートを申請した知英の手元にあるのは緑色のハングル文字の書かれたパスポートだった。…

    在日韓国人の知英、韓流アイドル好きの梓、新大久保のカフェで働くジュンミン、ヘイトスピーチに嫌悪する良美、帰化し日本国籍を取得したものの韓国へ留学した龍平。
    それぞれの立場から見た日韓問題が描かれます。

    日本国籍を持ち日本で暮らし、韓国にあまり興味を持っていなかった自分には、今回この作品に出会うまで、身近な話ではなかったです。
    今まさに複雑になっている日韓関係を思うと、当事者達には更に思うことは多々あるのでしょう。

    フラットにものを見ることの出来る龍平の友達佐藤のような人達ばかりだった

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    2019年11月18日
  • 緑と赤

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    ものすごく読みやすくて、新たな気付きをたくさんもらった。
    読んでよかった。
    私は純粋な日本人。生まれてこのかた特に親しく付き合う外国人または在日はいない。
    若い頃主に英語圏の国々に憧れはいっぱしにあったけど、やはり身近にいないせいか朝鮮、中国には顔も近いが文化的に遅れていそうというイメージだけで下にみていたか?
    特に韓流が流行り出した頃も無関心だけど、スポーツにおいて、または反日、反韓がニュースになるにつけ、段々と自分の中の日本愛が目覚めていったと思う。
    自分のアイデンティティーは確立してあることの安心感をこの本でもって確認できた。
    でも!やはり個人なのだ。その個人が集まって国ができるのだから

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    2016年01月07日
  • ママたちの下剋上

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    小学校受験と働く女性の話,
    首都圏に住み、小さい子の受験を考えるような立場だったら私も冷静ではいられないだろうなと思う

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    2025年11月29日
  • 海を抱いて月に眠る

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    サンジュ、日本名「文山徳允」の壮絶な人生を描いた大河小説だ。
    サンジュは自分の素直な気持ちを表せない不器用な男だ。家族に対する彼の本当の思いやりは、死後残されたノートによって明らかにされる。その思いが最愛の妻「容淑」に伝えられなかったのが残念だ。

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    2025年11月18日
  • 緑と赤

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    ネタバレ

    どうして伝わらないのだろう、こんなに近くにいるのに……

    パスポートを取得してみたら、韓国人だったでござる。
    「はぁっ?」ってなるくらい、韓国人であることを意識しないよう育てられてきたヒロイン、知英(ちえ・ジヨン)。

    自分がいわゆる在日韓国人であることを知ってしまってからの知英の葛藤を軸に、日本の中での韓国の扱われ方、というか嫌われ具合を嘆く内容です。以下、ネタバレを含みます。

    韓国人も日本人も単なるイメージで互いに嫌いあっている。実際の韓国人あるいは日本人に触れることなく。
    その狭間で板ばさみになってる在日韓国人の苦悩と再生を描いているのですが、全編に日本での嫌韓ブームに対する非難を強く

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    2025年08月05日
  • 緑と赤

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    自分がまったく無知な部分の話でした。
    当時韓流にも興味がなく、周りにそういう人もいないし、そういう運動のデモも映像として見た記憶もあまりなく、、、
    でもこの本を読んだことで知識として私に吸収されたことはいつか役に立つことがあるかもしれないなぁー、と思います。
    私が当たり前に日本人だと思ってる人の中にもいるかもしれないんですよね、在日朝鮮人や在日韓国人の方が。周りに言えずに苦しい思いをしてる人がたくさんいるかと思うと胸が痛いです。

    本としてはとても読みやすかった。
    事実を知らずに生きてきた主人公だから、感情移入しやすかった。

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    2025年06月17日
  • はざまのわたし(集英社インターナショナル)

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    全編が自己紹介のような本。環境や立場は違うけれど、わが家の食事風景や時代の記憶まで呼び起こされ‥懐かしさ誇らしさに恥ずかしさと申し訳なさ‥わたし自身にも身に覚えがあり過ぎて胸の奥がチクリと痛い。
    以前、経歴もなにもまったく予備知識のないまま『乳房のくにで』を読んだ時の、物語全体から受けたどんよりとした閉塞感がどこから来るのか謎だったのだが‥ようやくその理由が少しわかったような気がした。web連載だったそうで文章はとても読みやすいが、なかなかハードな人生。書くことで自分を保ち生き延びてきた人なのかも。本書で紹介されたほかの作品も読まなくては。

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    2025年04月11日
  • はざまのわたし(集英社インターナショナル)

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    「食」にまつわるエッセイだが、在日コリアンの家庭で育った著者の来し方を綴ったものである。
    要所要所に著者の小説が出てくるのも興味深い。
    アイディンティティを拗らせた中高時代の頃の韓国への複雑な思いも感じながら上手く食に繋がっているのも読みやすい。
    家父長制度が強いのが国がらなのか、時代なのかそのどちらなのかもしれないが、似たような時代に育った自分にもよくわかると感じることがあり、いろんなところで懐かしくなった。

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    2025年04月08日
  • 海を抱いて月に眠る

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    離婚して働きながら一人娘を育てる梨愛(りえ)。
    横暴で厳格だった在日一世の父は、親戚にも家族にも疎まれながら死んでいった。
    しかし、通夜では、人目もはばからず棺にすがりつく老人、目を泣きはらした美しい女性など、見知らぬ人たちが父の死を悼み、涙を流していた。
    父はいったい何者だったのか。
    父の遺品の中から出てきた古びたノーには、想像を絶する半生が記されていた。
    新しい在日文学の傑作!

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    2025年02月05日
  • 李の花は散っても

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    読みやすいので、物語だけでなく戦前・戦中・戦後の日本と朝鮮半島を知りたい人にはおすすめの1冊だと思います。読んで良かったです。

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    2025年01月25日
  • 翡翠色の海へうたう

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    悲しくて辛い話。
    苦しさが長く続いて最後の数行でどうにか希望を見出す事が出来る。
    女性として生まれたことの意味と男性として生まれることの責任とかを考えさせられる。
    時代背景によって男女の性の扱い方がこんなにも違ってしまうのかと、わかっていたようで本当の苦しみは全く理解していなかったんだとこの作品を読んで痛感。それぐらい具体的な描写に目を背けたくなるような表現も多いですが、反日、反韓とか関係なく、1人の女性の強く行きた生き様を多くの人に読んでみて欲しいと思いました。

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    2024年11月13日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    ネタバレ

    木原音瀬先生のお話を目当てに購入したので、お目当ての話だけ読んでもいいかと思って最初から順番に読み始めましたが、全部読んでしまいました。
    全部読んだあとに思ったことは、やっぱり木原音瀬先生は癖が強い。笑 男性が妊娠できる世界という設定はおもしろかったし、男性も苦しんでほしいと思ってしまいます。

    お気に入りは白い結婚の「ダーリンは女装家」、「いつか、二人で。」
    今年は黒い結婚寄りの、暗めのお話を読むことが多かったので、白い結婚で心が洗われました。ハッピーエンドもいいですね。

    ダーリン〜
    15歳の時に大好きだった人と結婚するなんて素敵。男であり女でもある旦那さん、いいですね。認知症になったお母

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    2024年11月13日
  • 翡翠色の海へうたう

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    読み進めやすいが、ずっと苦しい。
    沖縄戦が取り沙汰されるなか、あまり話題にのぼらない慰安婦について書かれている貴重な本だと思う。

    穴にされる、ないことにされる苦しみが身にせまる。

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    2024年09月18日
  • 緑と赤

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    ある日母親から自分が在日韓国人だと聞かされた知英

    日本では韓国への反感が高まっているときで悩みどうすれば良いかと思う

    友達の梓はK-POP好き

    そして2人で海外旅行に行くことになっていた知英は悩んだ末に梓に在日だと打ち明けることにする

    他の2人に関わる周りの人の話

    いろんな想い差別 イメージ

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    2024年06月12日
  • 緑と赤

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    赤と緑。
    タイトルとあらすじを見て、それがパスポートの色だとすぐに分かった。

    出自とアイデンティティ。
    実に複雑で難しいテーマだけど深沢さんの文章はそれらを分かりやすく噛み砕いて盛り込み、何人かの登場人物の視点から語られるそれは、一方的な見方をするのではなくもっと多角度から見ることの大事さ。を伝えているようにも感じられた。

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    2024年06月03日
  • 李の花は散っても

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    フィクションだとしても史実を元に描かれているのだから、こんな人がいたのだととても立体的に心に刻まれた。

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    2024年04月13日
  • ランチに行きましょう

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    幼稚園のママ友の話は今までいくつか読んできたけれど自分が当事者だった時と今とでは捉え方が違ってきている。今どきのママ友事情はこんな感じなのかという思いと懐かしい思いで一気に読み終えた。登場する5人の中では自分は誰に近いかとかこの人とは仲良くなれそうにないな、など勝手に考えたりもしていた。スピリチュアルな千鶴にはどうしても自分だったら敬遠してしまう。当たり前だけれどそれぞれに色んな事情を抱えていて誰が一番幸せがは分からない。そして子供の成長に伴ってママ友の関係も終わったり、友情が芽生えて生涯の友となることもあるかもしれない。女性にとってはとても貴重な体験ができる時間であるように今は思える。

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    2023年12月03日
  • 李の花は散っても

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    戦前・戦中・戦後の日本と朝鮮半島を舞台に、皇族から李王家に政略で嫁いだ「王朝最後の皇太子妃」李方子と朝鮮半島から来た独立運動家と恋に落ちた「根なし草」の女・マサの2人の女性の生涯を描く長編小説。
    まさに大河小説という感じで、主人公2人の愛を貫いた壮絶な人生に思いをいたし、読み終えた後の余韻がすごかった。
    これはあくまで小説であり、史実そのものではないが、戦前・戦中・戦後の日本と朝鮮半島を巡る歴史のリアルをかなり忠実に映し出しているように感じた。

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    2023年11月04日