深沢潮のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「時代が」とは言え、それでは済まされない事実がある。
「そう言う時代だった」かも知れないが、「日本だけじゃあ無い」かも知れないが、それでも赦せない事実が、許してはいけない事実がある。そして、忘れてはいけない事実でもある。
隣国の朝鮮人に、中国人に、他のアジア人に行った「差別、迫害、暴行、惨殺」。
それだけでなく、同じ日本人に対しても「社会主義者」や「共産主義者」そして「自由主義者」にさえも「アカ」と言うレッテルを張って行った「拷問」とそれに伴う「殺害」。
第2次世界大戦が終結して、もうすぐ80年となり、日本ではこれ等の事実が歴史の一部として近代史、現代史の中に埋もれている。
しかし、今でも世界 -
Posted by ブクログ
「人生で大切なことは、アグアを見つけ、アグアとともに自分の人生をしっかり生きること。自分が納得する道を行くこと。」
30歳にして失業し恋人にも去られた莉子は、全てをやり直すためにフラメンコを学びに単身でスペインに渡る。最初の渡航では自分の無力さを痛感し志半ばに帰国するが、自分と向き合いフラメンコに情熱を注ぐことに決める。それからは何度も渡西しフラメンコにのめり込む中で出会った、トミコからの言葉。
人の生き方はそれぞれで、どんな生き方をしようと誰に批判されるものではない。トミコのように自分に嘘をつくことなく、自分が求めるものを追求する生き方もある。
…私はどうだろう。自分と向き合い追求したとこ -
Posted by ブクログ
よくあるママ友のドロドロ話かと思ったら少し違った。(そういうシーンも満載ではある)(あるんかい)
救いはあるようでないようである(どっち)感じで
読後感も悪くなかった。
100%人の幸せを純粋に願える人っているんだろうか。
私はNOだと思う。
自分と同じように不幸になってほしい、みたいな感情ってママ友じゃなくても、同僚、普通の友だち、同性異性関わらずあるんじゃないんだろうか。
あとママ友は友だちなんだろうかというよくある問いだが、私はNO派、なんだけど、でも、ママ友から始まって普通の友だちになれる人もいる。
ただどっちがいいのかはわからない。
悪くない読後感でありながら、ここに出てくる「 -
Posted by ブクログ
タイトルの「緑と赤」は韓国と日本のパスポートの色にちなんでいるんだろうけど、WEBマガジンなどで連載されていたときは「ここではない」というタイトルだったらしい。「ここではない」も何がここではないのか、内容とのシンクロ感がいまいちという感じがしてしまうけど少なくとも葛藤や焦燥のにおいがある。それに比べると「緑と赤」はだいぶわけわかんない程度にマイルド化されたなあという印象。
いつのまにか表立ってはずいぶん下火になった感じがするけど、連載されていた時期は新大久保などでのヘイトスピーチが盛んだった頃だろう。それに触発されて書かれた作品なのではないかと思う。自分が在日韓国人であることに戸惑い、葛藤する -
Posted by ブクログ
主人公は東京郊外の実家に暮らす30代半ばのOL。大学時代からの友人のひとりは結婚して3人の子どもがおり夫の実家の田園調布の家で暮らしている。もうひとりは2度目の結婚をしたが別居中で表参道に住んでいるという。そんな彼女らと自分を比べ、買っているところを見つけては優越感を感じている。結婚を決意してくれない恋人の存在や失踪中の弟、不安神経症気味の母親、そんな彼らにも常に苛立ちを感じているが、大震災をきっかけに身の回りが変わり、そして自分自身も今まで凝り固まっていた考え方から抜け出せるような出来事を経験する。
人にとって伴侶とは何か、一緒に生涯を共にする相手とはどういうものかということを問いかけている