深沢潮のレビュー一覧

  • 海を抱いて月に眠る

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    在日の苦しみ、細かいリアルが描かれていた。 
    韓国から密入国せざるを得なかった背景、敗戦国なのに支配側の意識が抜けずにいる日本で暮らす苦しみ、韓国人からは認められず日本人にもなれない在日の孤独、祖国が分断され同民族で戦う悔しさ…
    自分を偽り、家族と会えず仲間とも離れて、生きることに精一杯だった人生。
    自分を諦めることを受け入れて、余生は穏やかに過ごせたのだろうか。もう少し知りたかった。
    諦めてからのもがき、どう生きてきたのか。
    1番近くで生きてきた妻への想いは?同志の妻や娘への支援が自身の懺悔になるのだろうが、自分の妻や息子、在日としての苦しみを1番共有するべき存在への距離感に、とても違和感と憤りが残る。
    自身で語る勇気はないけど、辛かった半生を日記に残したのも、自身の懺悔なんだろう。
    在日1世と2世、祖国を知らない在日との心理的な隔たりも、深いと感じた。

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    2025年12月29日
  • 足りないくらし

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    現実のシビアさを教えてくれる。
    女性専用シェアハウスに住んでいる住人たちの、それぞれの視点で生活を描いています。
    見方によって良いも悪いも変わる、人間そのものです。他人に嫉妬するのも、優越感を得て安心したいのも。誰かのせいにしたいのも。
    親切とか正義感とかを盾にして他人を踏み躙る人間にはなりたくないと思っていますが、この小説を読んで自分の親切も捉え方でそう思われる可能性があると改めて思いました。
    誰の視点でも救いがなかったので、ちょっとお腹いっぱいです。なので星3にしましたが、一気読みするぐらいには面白いです。

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    2025年12月18日
  • ランチに行きましょう

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    それぞれの子供が同じ幼稚園に通う5人のママ友のお話が5つの短編集。以前に読んだ角田光代さんの森に眠る魚よりは内容が随分ライトな作品なのでサクサク読めました。

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    2025年11月11日
  • ランチに行きましょう

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    ママ友の小説?新鮮!
    なんて軽い気持ちで読み始めたら、内容エグ〜。
    けどなんか結末気になる!で最後まで読んだ。
    学校のママ友と関わらざるを得ない私。本作の登場人物たちも相当個性的だけど、現実も本当にいろんな人がいるからね‥。

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    2025年10月23日
  • あいまい生活

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    ネタバレ

    ティラミスハウスに住む6人の女性達。
    貧困、生活保護、シングルマザー、ネグレクト、外国人技能実習制度など、様々な事情を抱えながら生きる女性達。

    自分と重ねて読んでいると、
    どんだけ恵まれているんだろうと思う。
    この本を読んで、「生きるだけで辛い」世の中は嫌だなと思った。

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    2025年09月27日
  • はざまのわたし(集英社インターナショナル)

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    食にまつわるエッセイとなっているが、本題としては、タイトルにあるように、日本と韓国とのはざまで苦悩する、一人の女性の自伝だ。
    日本で生まれ育ちながら、家庭では韓国の文化に強く影響された筆者が、経験してきたものを、食を手掛かりに回想してゆく。
    自己防衛というか、他者との間に見えない壁を作ってしまう著者の姿がどこか痛々しいです。

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    2025年09月03日
  • 李の花は散っても

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    ネタバレ

    戦前に李王朝の皇太子•李垠(り ぎん)に嫁いだ梨本宮方子(まさこ)様。
    日本統治下の朝鮮で日鮮融合の象徴としての政略結婚で
    方子様の婚前の不安や覚悟などが丁寧に描かれる。

    級友と比べて予想もしなかった李家との縁組も
    最愛の息子の不審死も
    何も声を上げることもできず
    運命を受け入れるしかない。
    個よりも公を重んじるお立場で
    複雑な想いや苦しみを決して口に出したり態度に出したりしない。
    庶民には到底わからない苦悩があった。

    前半に比べて後半があまりにも駆け足で
    あっという間に数年経っていたり
    出来事を追うだけになってしまい
    少し残念。

    もう一つのマサという貧しい生い立ちの女性の物語が合間に挟まれる。
    方子様の物語だけでは決して知り得ない、庶民の目線での戦前戦後の日本と朝鮮の状況がわかる。
    関東大震災下での朝鮮人狩りや
    日本統治下での朝鮮人の扱いは
    本当に恐ろしく、ひどいもので
    韓国、北朝鮮の方の日本人への憎悪がいまだになくならないのも致し方ないと思ってしまった。

    戦後皇族の特権がなくなり、没落していく中で
    方子様は必死に金策をし、夫を支えた。
    最後はようやく韓国に渡ることができ、障害者支援の学校などを作って社会貢献をしていたよう。
    女性は強いっ!

    そしてマサと方子様の縁がつながる。
    そこはフィクションだと思うが心温まるものがあった。

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    2025年03月09日
  • 伴侶の偏差値

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    女友達2人がすごく順調に見えていても、実はそれぞれに抱えている。現実もきっとそうだと思った。すごく素敵で羨ましい人にも抱えてる問題がある。みんなそんなに完璧じゃないと思った。

    主人公はいろいろな理不尽な状況に置かれてそんな中でも逃げずに大人として対応している所、すごいと思った。だけど、大人になりすぎて主人公にとっての幸せが遠のいていっていると思う。
    最後は変化の兆しがあって明るい未来が待っているような気がした。

    でもやっぱりヒロトとうまくいって幸せになって欲しかった〜

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    2025年02月21日
  • わたしのアグアをさがして

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    そんな簡単に劇的なことは起こらず、ドラマチックな日常もそうそう訪れない、自分の本心の全部が全部は口に出せない、といったリアルさがありました。
    小説の主人公らしからぬほど、何者でもない私たちのうちの1人のお話という印象で、等身大という点に親近感が湧きました。

    装丁がとっても素敵で手に取りました。
    特にあお色が。

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    2025年02月03日
  • 足りないくらし

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    それぞれ問題を抱えた人達が集まるシェアハウスの話。全体的に救いがない感じでふわっと終わる。バッサリバッドエンドが見たい人やハッピーエンドが見たい人には向いてないというか、この微妙な感じ、ハマる人は少なそう…と思ってしまった。

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    2025年01月06日
  • ランチに行きましょう

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    怖いママ友関係のお話かと思ったけど、そうでもなく、読後感は良かった!なんだかんだあるけど、割と全員素直な性格。
    自分はママ友いないので、こういう関係が育めたら良いなぁ、羨ましいなぁとは思う。(成城に住んでて、夫の給与で暮らしていけてるのも!笑)もちろんお互い面倒に感じたり、子どものためにしょうがなく付き合っている部分もあるけど、実際の友達もそういうところあるしね!

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    2024年04月17日
  • 海を抱いて月に眠る

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    不勉強なため、韓国の近現代史をほとんど知らずに読んだので前半は聞きなれない韓国名や言葉に悪戦苦闘したり、父の横暴な態度にイライラしながら読み進めていくがだんだん夢中になって読んでいた。自分の本当の名前も歳も偽り異国の地で家族を思い、国を思い生涯をおくった在日の人の気持ちなど今まで考えたこともなかった。
    読書は娯楽と思っていて、歴史や政治ものはあまり読んでこなかったけれど時々はこういう本も読んでみるものだと感じた。

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    2024年04月11日
  • わたしのアグアをさがして

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    自分に嘘をつかず、自分の人生をきちんと生きる。

    恋愛、結婚、出産。未だにそれを女の幸せととらわれがちなのは否めないし、間違いではないのかもしれないけど、自分が情熱を持って打ち込めるものを持つ女性はやっぱり魅力的。私にとってのアグアって、なんだろう。

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    2023年11月21日
  • 李の花は散っても

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    戦前、大正の時代のこと、皇族である梨本宮家に生まれた方子が、朝鮮王家の李王家の妃として政略結婚され、その一生をまっとうする物語。そして、同時に、朝鮮半島から来た革命家の男とともに韓国に渡り朝鮮人として生き抜くマサ、二人の物語が交互に語られ、最後にはともに生きることになる。方子は史実をもとにした展開で、マサの方はフィクションか?
    どちらも、今の時代には考えられない壮絶な体験。ただ、どんな苦労があっても、信念を持って生きれば、悔いはない。朝鮮併合のための政略結婚として何人かの皇族が政略結婚させられ、戦後に離婚となった例もあるという。夫婦関係も心がけ次第、気の持ち方次第。自分の人生をどう生きるか、に尽きる。
    林真理子さんの「李王家の縁談」は、方子の母、伊津子の視点で描かれたもの。伊津子さんの描かれ方は異なる。本書はマサが描かれたことで重層的ではあるけれど、李王家の縁談の方が圧倒的におもしろい。

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    2023年10月17日
  • あいまい生活

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     日本はいつからこんなに貧困大国になってしまったのでしょう。虐待、DV、生活保護、技能研修生など、様々な困難を抱える女性たちが暮らすドミトリーが舞台です。
     ただ、もう少し一人ひとりを掘り下げてほしかったかな。一応知っていることをなぞっただけという感は否めない。
     今も助けを求めている人たちはたくさんいるのだということだけは忘れないでいたいです。

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    2023年09月22日
  • 海を抱いて月に眠る

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    韓国の近代史を知らなかった。祖国を離れて、身を偽って暮らす葛藤も想像を超えていた。とはいえ梨愛の父が家族に向ける言動には共感も理解もできないなぁ。

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    2023年08月06日
  • 李の花は散っても

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    「時代が」とは言え、それでは済まされない事実がある。
    「そう言う時代だった」かも知れないが、「日本だけじゃあ無い」かも知れないが、それでも赦せない事実が、許してはいけない事実がある。そして、忘れてはいけない事実でもある。
    隣国の朝鮮人に、中国人に、他のアジア人に行った「差別、迫害、暴行、惨殺」。
    それだけでなく、同じ日本人に対しても「社会主義者」や「共産主義者」そして「自由主義者」にさえも「アカ」と言うレッテルを張って行った「拷問」とそれに伴う「殺害」。
    第2次世界大戦が終結して、もうすぐ80年となり、日本ではこれ等の事実が歴史の一部として近代史、現代史の中に埋もれている。
    しかし、今でも世界には先進国でさえ「人種差別」があり、紛争地域では「民族差別、迫害、暴行、そして惨殺」が日常的に行われている。
    この小説のように戦前、戦中の歴史が書かれている本を読む時、改めてそう言う事実があったことを思い返してみようと思う。今、多くの日本人の生まれる前の出来事とは言え、僅か120~130年くらい前から第2次世界大戦終戦までの、長い人間の歴史から見れば、比較的新しく短い間の出来事なのだから。

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    2023年06月14日
  • わたしのアグアをさがして

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    「人生で大切なことは、アグアを見つけ、アグアとともに自分の人生をしっかり生きること。自分が納得する道を行くこと。」
    30歳にして失業し恋人にも去られた莉子は、全てをやり直すためにフラメンコを学びに単身でスペインに渡る。最初の渡航では自分の無力さを痛感し志半ばに帰国するが、自分と向き合いフラメンコに情熱を注ぐことに決める。それからは何度も渡西しフラメンコにのめり込む中で出会った、トミコからの言葉。

    人の生き方はそれぞれで、どんな生き方をしようと誰に批判されるものではない。トミコのように自分に嘘をつくことなく、自分が求めるものを追求する生き方もある。
    …私はどうだろう。自分と向き合い追求したところでやはりそれは自己満でしかないし、自分がいることで周りの人が幸せになるような、そんな存在でいられるような生き方をしたいと、莉子との対比で見つめ直すことができた気がする。

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    2023年05月06日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    結婚をテーマに7人の作家が描いた作品の作品集。「黒い結婚」「白い結婚」と分かれていて、闇っぽい話の黒と、ポジティブな感じがしないでもない白。私は順番に黒から読んでいたが、もうずっとなんだか重たいもやがかかっているみたいな感覚だった。いわゆる理想形みたいな夢見る結婚、みたいなのが出てこなくて、結婚って碌なことないなと思いつつ、色々なことがありうるんだなぁとも思った。最後の「いつか、二人で。」でそれまでのどろっとしたもやもや感が救われた感じがする。

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    2023年03月26日
  • わたしのアグアをさがして

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    スペインの観光旅情に近い話だな。
    スペイン人の人物像、固定しそう。
    フラメンコの奥深い熱い思いが伝わって来た。

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    2023年03月19日