深沢潮のレビュー一覧

  • 黒い結婚 白い結婚

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    ネタバレ

    様々な作家による「結婚」についてのお話。
    白い結婚側は素敵な結婚で、黒い結婚は不幸な結婚だった。
    特に黒い結婚の方で、似た話があってゾッとした。入り口は気づかないところにあるもんだ。
    白い結婚の方の初恋のバンドマンの話はこんなカップルもありだよなと思わせてくれる、幸せなお話だった、

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    2023年10月24日
  • 李の花は散っても

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    二人の人物を描いたことで、面白みが増した。庶民の暮らし、辛い…

    最後、韓国で夫婦二人で幸せになってたかと思ってたけど、ほぼ意識のないまま帰国したんだね。方子さまは、自分で幸せの道をひらいた人なんだ。

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    2023年10月22日
  • 李の花は散っても

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     韓国併合の証として李王朝の后となった日本人女性、方子。日本では「朝鮮人に嫁ぐなんて」と陰口を言われ、朝鮮では息子を殺されてしまう。戦争が終わっても祖国に帰ることを許されない夫を常に支え続けた実在の人物の物語。市井の女性「マサ」との代わる代わるの章によって、当時の生活が生き生きと描かれる。

     関東大震災の混乱に乗じて朝鮮人殺しが横行していた事実を未だに「嘘だ」と言っている人たちに読んでもらいたいよ。

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    2023年09月17日
  • 李の花は散っても

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    梨本宮方子(まさこ)は新聞に載った李王朝の世子である李垠(이은)との婚約の記事を見てその場に座り込んでしまった。何も知らせられずに報道で自分の婚約のことを知るとは。政府は日朝融和のために方子に白羽の矢を立てたのだった。周りから決められ、父母でさえもうそれを拒絶することもできないような立場に立たされてしまっていた。李朝の世子である李垠は十歳から日本に連れてこられ、学習院に入学し、その後陸軍幼年学校、士官学校と職業軍人の道を歩んだ。李垠の父の高宗が亡くなって、二人の結婚式は延期となった。朝鮮側は伝統の三年の喪を要求したが、政府は一年の喪しか認めなかった。そして李垠と結婚した方子は、名実ともに李朝王

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    2023年08月01日
  • わたしのアグアをさがして

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    1人で海外に行って暮らしてみるって、本当にすごいと思う。
    辛かったこと、悲しかったこと、人にしてしまった反省、、、一つ一つの出来事を、嫌な思い出として心に留めておくのではなく、それも全部自分の力にする。してやる。
    自分の道を、強く生きていく。
    道は誰かに用意されるものではなく、自分でつくっていく。

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    2023年07月29日
  • 李の花は散っても

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    梨本宮方子(なしのもとのみやまさこ)は後の昭和天皇のお妃候補と言われながら、朝鮮李王朝最後の後継者、李垠(イ・ウン)のもとに政略で嫁ぐことになった。
    折しも時代は、戦前、戦中、戦後と大激動の中、日朝関係、皇室や朝鮮王朝の在り方の変化の中、自身も跡継ぎの男子を亡くしたり、時代が時代であり、日本と朝鮮と国籍の違いからくる微妙な関係の皇太子を側で支えるという苦悩の毎日である。
    最後には、王位もはく奪され何もかも無くしても、力強く、逞しく生きていく。
    この話どこかで読んだような・・・?
    林真理子の「李王家の縁談」でした。
    史実に基づいているので同じ話になるのですが、本編の方は「まさ」というもう一人の女

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    2023年06月18日
  • ひとかどの父へ

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    ネタバレ

    「乳房のくにで」が面白かったので、この著者の作品を調べて、本作は在日コリアンが題材になっているようだったので興味がわいて読みました。物語は父親不在で母子家庭で育った朋美の子供時代から、壮年に至るまでまでを描いている。素直になれない性格や、友達、いとことの関係、母との確執などは、父親のルーツがどこであっても関係なく、思春期の物語として読める。孤独で知的だが素直ではない朋美と、勉強はできないけど素直で明るい幸子との関係も読みごたえがあった。
    屈折した子供時代を経て、それなりに魅力的な女性になったらしい朋美の姿を思い浮かべながら読むと楽しい。あくまで「それなり」で、劇的に美しくなった、とかじゃないと

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    2023年03月04日
  • 海を抱いて月に眠る

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    父の文山徳允は表立っては在日という事実を隠し、日本名で人生を送っていた。
    小さい頃から父は長男の鐘明には優しく、何故か娘の梨愛(りえ)には理不尽ともいえる厳しい躾を果たしてきた。
    長女の梨愛は、そんな父親に反感を抱き、お互いに理解し合える親子関係ではなかったと考えている。
    兄は、母国に対する愛国精神に長けた父親の頑固なまでの考え方とは相反し、結婚と同時に日本国籍を取得する。
    そんな兄とも梨愛は距離を置いた関係が続いていた。
    その在日韓国人一世だった父が亡くなった。
    傲慢とも云えた父の葬儀に、老いた白髪の老人が人の目も憚らず、棺に縋り泣き悲しんでいる。
    その傍に美人の若き婦人が涙を流し、父の死を

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    2023年01月14日
  • 海を抱いて月に眠る

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    以前、姜尚中さんのオモニの一生を綴った”母”という作品を読んだ時、実に壮絶な人生だ。という感想を抱いたのだが、この作品のアボジも実に壮絶な人生だ。
    時代と運命に翻弄され時にはあがらい、流され、それでも必死に生きたアボジ。仲間、家族、故郷。。。
    奇しくもコロナで久しく韓国には行けていないが、それでも自由にどこでも行ける今の時代は、本当に恵まれている。

    日本はよく単一民族と言われているが、よく考えてみてほしい。果たして、そう言い切れるだろうか。

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    2022年09月14日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    若い頃は恋愛の先のゴールが結婚で
    とても幸せなことだと思っていた

    時間をかけながら夫婦や家族の形が変わっていく
    夫婦の数だけ形もあって
    結婚の意味がある
    それはまさにこの短編集の最後の
    「いつか、二人で。」の一節にあったように
    夫婦の最後にならないと結婚の意味は分からない

    この本は黒い結婚と白い結婚に分かれている
    黒はダークで少し現実離れをした設定
    白は現実的な設定
    バラエティーの富んでいてどの話も面白かった
    窪美澄さん
    滝羽麻子さん
    中島京子さん
    の作品は読んだことがあるけれど
    殆どの作家さんの作品を初めて読んだ

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    2022年07月15日
  • 緑と赤

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    在日韓国人であることをKポップ大好きな親友に話すことが出来ずにいる知英、大好きなKポップアイドルグループのメンバーにそっくりな恋人を追いかけて韓国へ行ったら思いもかけない日本人差別にあった梓、新大久保で見かけた大規模な嫌韓デモをきっかけに差別と戦うことを誓う中年女の良美などを取り巻く今の日本人と韓国人、そして在日韓国人の関係性や苦悩を描いたお話。

    先日読んだ「海を抱いて月に眠る」よりも心の動きが理解しやすいかな。日本人からも韓国人からも中途半端と疎まれるなんて、そこに悪意をぶつけられるなんて、いたたまれない気持ちになる。何故そこに悪意や嫌悪感が生まれるのか、国籍の少しの違いで人の優劣が決めら

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    2022年02月04日
  • 緑と赤

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    在日のお話。全6章、様々な立場の人から物語が紡がれている。
    繊細な話をわかりやすく、でも繊細に描いていて人にも薦めたくなる一冊。

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    2022年01月30日
  • ママたちの下剋上

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    小学校、中学校のお受験のお話。タイトルの下克上はあまり感じなかった。お受験を経験させることないまま子育ても終えた身としては、他人事ではあったけど、興味深く読みました。 近所にずっと塾三昧だったお子さんのママが、受験直前に塾をやめ、お受験もやめたんだと言っていたのを、舞花と逸美のストーリーで思い出しました。その家族にとって、何が最適かということだなと思います。子供は親の作品という怖い勘違い。 お受験がその家族に合う物であればいいと思いますが、間違った考え方だけは避けなければいけないと思います。

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    2021年11月02日
  • 足りないくらし

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    シェアハウスに住む、様々な事情を抱えた女性たちの物語。さらっと読める。今、私達が生きているこの社会。いつも見て見ぬ振りしている問題。登場人物たちは、フィクションではなく、何処かにいる誰かであるのだと、考えさせられる内容だった。

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    2021年02月16日
  • 緑と赤

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    「『嫌い』に巻き込まないで」ってその通り。

    在日の友だちはいないけど韓国人の友だちはいい子だし、韓国料理好き。
    でもいまの韓国の慰安婦訴にはうーんって思っちゃう。
    国同士の付き合いなんてそんなもんか。

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    2021年01月16日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    結婚生活は甘いのか、辛いのか。

    私は黒の話の方が好きだったな。
    窪美澄さんの『水際の金魚』が特に。
    『かっぱーん』も、実際にありそうだなと。
    『愛の結晶』は少し不気味に思えたけど、面白い。
    一人目を妻が出産したら二人目は夫の番!
    いいじゃない!
    男性は妊娠出産育児を自分のこととして体験したほうがいい!つわりはものすごく辛いんだ!体調不良で仕事を休むのも、まわりに配慮しながらやってるんだー!

    白の方の『シュークリーム』は、白でいいのか?!
    私は黒じゃないかと思ってしまったよ。

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    2021年01月05日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    色々な作家の結婚にまつわる短編集。
    黒い結婚は怖すぎるし、中でも『かっぱーん』は主人公があまりに気の毒だし、そもそもかっぱーんて何なんだw
    逆に白い結婚は甘いお話ばかり。『いつか、二人で。』がとても良かった。

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    2020年09月14日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    黒も白も前途多難でハッピー結婚したい!と思う話はひとつもない。
    黒に関しては完全にホラー。かっぱーんと愛の結晶なんて恐る恐る読んだ。

    白は、シュークリームが好き。いるよねこういう人。一回相手の嫌なところを見るとそれに執着しちゃうけど、自分にぴったり合った人なんていない人と人生を共にするのが結婚であり夫婦なんだとしみじみ思う。最後は希望が持てるエンドでよかった。

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    2020年08月09日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    結婚にまつわるアンソロジーですが、黒と白でわけたのは面白いです。
    黒の方が他人事と割り切って楽しむには良いかもしれません。
    まあ、結婚がゴールではないので白でも黒でもお好きな話を楽しめば良いのではと思います。
    木原さんの「愛の結晶」はぜひ読むことをお勧めします。これが黒なのかは私にはわからないです。

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    2020年07月21日
  • 緑と赤

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    タイトルの意味は序盤にわかる、
    けどそのタイトルの言葉の持つほんとの意味は
    物語の終盤に分かった。
    その重みを私は理解しきれていないし
    向き合えるのかも分からない。
    自分のアイデンティティ、
    様々な方面からの声、
    しばらくして再読したい本。

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    2019年10月29日