道草

道草

660円 (税込)

3pt

『道草』は漱石唯一の自伝小説だとする見方はほぼ定説だといってよい。すなわち、『猫』執筆前後の漱石自身の実体験を「直接に、赤裸々に表現」したものだというのである。だが実体験がどういう過程で作品化されているかを追究してゆくと、この作品が私小説系統の文学とは全く質を異にしていることが分る。 (解説・注 相原和邦)

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道草 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    夏目漱石の表の傑作が『こころ』なら、裏の傑作は『道草』と言ったところでしょうか。
    裏と言うだけあり、誰にもおすすめしませんが、自分は読んで良かったと思いました。

    自伝的要素を持つ本作は、幼少期の不遇な境遇を混じえつつも、何か特別大きなイベントがあるわけでも無く、多少の起伏がある程度の話が淡々と進ん

    0
    2024年12月01日

    Posted by ブクログ

    これは初めて読んだ。作者の自伝的な作品。
    せっかくロンドンに留学したのに、帰国したら貧乏になっていた彼の家。
    親戚縁者から借金や小遣いをせびりに来られてストレスを感じている。
    奥さんともしっくりこないし、けんかをする。
    何が面白いか、と言ったら人物描写だ。なかでも元養母が丸い年寄りになって座布団に座

    0
    2011年09月22日

    Posted by ブクログ

    自分としては漱石の中で一番わかりやすくて大好き。
    そこまで人間関係も複雑ではなく、多分小学生でも読める。

    漱石読んだことない人へ第一番に勧める本ではないと思うけど、
    読みやすさでは坊っちゃんやこころをはるかに凌ぐ。個人的には。

    0
    2011年04月30日

    Posted by ブクログ

    夏目漱石の自伝的作品。

    実際に読んだのは、高校生か大学生のころ。

    大学教師の健三とその妻お住、かつての養父母島田夫妻などとのやり取り。
    個人的にも金やプライベートには何かと苦労した学生時代。
    そのためか、記憶に残るのは、稼ぎの少ない健三の苦心、冷めた夫婦仲、親族とのしがらみ、などなど・・・。

    0
    2010年12月03日

    Posted by ブクログ

     すごい迫力を持った作品です。そうだよなあと感心することしきりです。
     最後の一文がこの物語の主題を的確に表していると思います。
     「世の中に片付くなんてものは殆(ほと)んどありゃしない。一遍起った事は何時までも続くのさ。ただ色々な形に変るから他(ひと)にも自分にも解らなくなるだけの事さ」

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    かなり後味の悪い終わり方でした。私が女性であるからかもしれませんが、主人公の態度や発言に少しイライラして、その後の細君の正論に共感してしまいました。子どもが出る場面がこの本では唯一の癒やしかもしれません。

    0
    2024年07月04日

    Posted by ブクログ

    ずいぶんとお金の話が出てくる。
    はっきりと断れない主人公の健三である。
    今後もこのままの状態が続いていくのだろう。
    「片付いたのは上部だけじゃないか・・」
    「世の中に片付くなんてものは殆どありゃしない。・・」
    健三は、このまま苦悩しながら今までの生活を続けていくことになるのだろう。
    悩んで悩んで、な

    0
    2012年07月04日

    Posted by ブクログ

    起承転結の起伏が無いと感じるのに、面白いところがスゴイと思う。
    状況が同じ輪の上を回る様に、人間関係も回って何とかならんかなーと感じるのは何時でも同じなんだなぁ。
    細君が随分と恰好良い。男尊女卑の時代に、尊敬して欲しいなら尊敬される人格でないと、てのは強くて好き。細君がちょいちょい良い味だしてる。

    0
    2011年05月23日

    Posted by ブクログ

    養父・島田をはじめとして金をせびりにくる人たちに、決して裕福ではないのに金を渡してしまう主人公とそれを嫌がる妻。
    心では分かっていても、やっぱりどうしようもないときはある。因縁とか、人情とか。そういう闇をしっかりと書きだしていると思う。
    夫婦の行き違いや細君のいかにも女らしい物言いは凄くリアルで、現

    0
    2010年11月22日

    Posted by ブクログ

    入院中に自宅の本棚から供給してもらった。何年か購入してあった著書だ。
    本著は純文学にカテゴライズされるだろうか、このジャンルを読むのは久しぶりだ。
    本著は私小説としての議論があるようだが、今回は小説として十分に愉しめたとおもう。主人公とその細君の世の中の見方の違いが主人公の独白を通じて語られるところ

    0
    2024年03月04日

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