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鎌倉の海岸で、学生だった私は一人の男性と出会った。不思議な魅力を持つその人は、“先生”と呼んで慕う私になかなか心を開いてくれず、謎のような言葉で惑わせる。やがてある日、私のもとに分厚い手紙が届いたとき、先生はもはやこの世の人ではなかった。遺された手紙から明らかになる先生の人生の悲劇――それは親友とともに一人の女性に恋をしたときから始まったのだった。
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Posted by ブクログ
高校の時に全部読みはしたが、教科書に載っていた部分、Kが登場する場面しかまともに覚えていなかった。当時は、先生の人間らしさが印象的だった。再読した今も、考えすぎる性格によって苦しんだり、人間不信のまま人と関わったりする様子が特に共感できた。 ただ、上と中の「私」が語り手である部分では、私自身も先生...続きを読むが(人間らしさとは別の点で)魅力的な人物に見え、「私」のように惹かれていった。先生の人生に影を落とした過去や、そうした過去から厭世的であったり人間を信じられずにいたりする点、懊悩に苦しみつつも「私」や妻に過去や内面を見せない点が、彼のわからなさや矛盾がそう感じた理由だと思う。 Kが自殺した理由について、のちに先生は、恋愛と修行との葛藤や失恋だけではなく、「私のようにたった一人で淋しくって仕方がなくなった結果」ではないかと考える。人の内面はそもそも伝えようとしない限り伝わらず、それが他人に正確に理解されるかどうかも怪しいし、正しいかどうかは本人にしかわからないため証明しようがない。つまるところ人は他人と関わりつつも一人で生きていくしかないのではないか。自分自身の内面、心とはどのように向き合うべきなのか。 逆に言えば、一人じゃないと感じられるのは、自分の内面を晒してもいいと思える人がいて、相手にそれを受け入れてもらえる時なのかなと考えた。そう思える人や思ってくれる人がいたらいいなと思うし、そんな関係を大切にしたい。
一般的には語り手、先生、Kの関係性が注目されるのかと思うが、個人的にはそれ以上に、近代日本の社会構造とその問題点をこの時点で描ききっていることに驚かされた。地方の若者が進学で地元を離れ、郷里の人々とは意識の差が広がっていく。この延長線上に、現在の東京一極集中と地方の空洞化の問題はある。もう「こころ」...続きを読むの後に、小説が書くべき重要な問題は何も残されていないのではないか、「こころ」がすべて書き尽くしたのではないかと茫然とした。夏目漱石が近代日本文学を代表する存在である理由が、この一冊で納得できる。直球ど真ん中の名作。
学生時代、教科書や読解問題などで触れたことはあったが、読める自信がなくずっと手にしていなかった 夏目漱石。 さすがこれが日本の文豪の作品なのか。 人間のこころの動き、感情の表現がすごい。 読めて良かった。
漱石先生の代表作。高校の国語の教科書で〈下〉の一部を読み、凄みを感じて以来、しっかりと一冊を通して読んでみたいと思っていたが、今回純白に金文字の限定ブックカバーverに惹かれて遂に購入。 「先生」の人生を巡る壮絶な物語。日本人たるもの一度は読むべき傑作である。
さすがとしか言いようがない。 読みやすく、心理描写が深く、惹きつけられる。 特に「先生と遺書」のK登場からの後半は、ぐいぐい引っ張られ、先が気になってしかたなかった。 何十年も前に一度読んだことがあったから、読み進めていくうちに結末を思い出しはしたけど、その時よりもさらに素晴らしさが理解できた。 ...続きを読む これは再読の価値ありです。
タイトル通り人間のこころと向き合うような内容です。 展開としては単純なのに、なぜこうも名作と言われるのか。 恋愛沙汰で自殺するなんて。 と初めて読んだ学生のころはよく分かりませんでした。 歳を重ねて改めて読み返してみると心理描写がとても丁寧で、どんどん自分の中にも黒い影が渦巻いてくるようでした。...続きを読む 自分に正直であること、人に正直であることの難しさを感じました。 大正の頃の小説なので、今とは男女の価値観が違い、女性の立場からだと理不尽に思うところもありました。 現代では使われない漢字や表現も多いので、全てが理解出来たかと言われれば難しいのですが、再読を重ねるとまた新たな感想が出てきそうです。
久々に読んで読後にため息。 つらつらと読んでいるだけで、淡々と進む細かい描写で解像度上がりすぎ。追体験してるようで心が忙しい。 大まかなストーリーはそこまで意外ではないと思うのですが、そのせいか登場人物の心情により入っていきやすかったのかな。 「サラッとあらすじを教えて」と言われたら、私の説明ではき...続きを読むっと「どこが名作なの?」となると思います。 ここまで緻密にやってくれるからこそ、それぞれの言動の背景までキッチリ理解したうえで迎えるこの展開。特に先生の遺書の章は胃がキリキリしそうでした。 あーもーこれ以上は!と、ズッシリ重くなりきって「ハァー」と終わりました。
高校の教科書に抜粋で載っていました。当時、退屈な古典の授業中に、違うページに載っていた『こころ』の抜粋を、先生の話しを聴かずに読みました。その時に、これはとんでもないことが書かれている、人の内面に深く入り込んだ小説だと思いました。教科書には抜粋だけでしたので、その日のうちに書店で単行本を購入して一気...続きを読むに読みました。 当時の衝撃は忘れられません。傑作です。
知ってはいたけど内容までは詳しく知らなかった為、読んでみた。 人間模様、先生の罪悪感、Kの考え、複雑でとりあえず活字が難しかった…けれど読んでよかったと思っている。
説明の必要もない、夏目漱石の代表作。 「先生」が自殺した。先生の遺書には先生と友人Kとの過去のやり取りが書かれていた。 高校生の時教科書で読んで、一部だけだったから他の部分が気になって、本屋に買いに行って一気読みした。それを今回読み直した。 基本私は夏目漱石の明るい話が好きなんだけど、やっぱり「...続きを読むこころ」は名作だ。まず読ませられてしまうストーリー。そして美しい文体。最後には今も人の心に迫る、人類の普遍的悩みを描いたところ。 この話は疑問が次々湧き上がってくる。なぜKは自殺した?お嬢さんは誰が好きだった?先生とKが直接対決してたらどうなってた?先生やKの生い立ちとその後の人生もしっかりリンクしててもうため息しか出ない。すごすぎる。
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