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鎌倉の海岸で、学生だった私は一人の男性と出会った。不思議な魅力を持つその人は、“先生”と呼んで慕う私になかなか心を開いてくれず、謎のような言葉で惑わせる。やがてある日、私のもとに分厚い手紙が届いたとき、先生はもはやこの世の人ではなかった。遺された手紙から明らかになる先生の人生の悲劇――それは親友とともに一人の女性に恋をしたときから始まったのだった。
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Posted by ブクログ
【Audibleにて】 本当に面白かった!!!今から100年以上前に書かれたとは思えない読みやすい作品で、初めはのんびりと作業しながらAudibleで聞いていたのですが、Kが出てきたあたりから作業中以外でも続きが気になって聞いていました。 教科書に載っている作品だとなかなかフランクに手を出しづら...続きを読むい作品かもしれませんが、ぜひ若い人でも、たくさんの人に手を取ってもらいたいなと思う不朽の名作です。
前半はゆるりとした感じで、何が面白いのかなかなか分からなかったが、後半で一気に動き出す。 描写が非常に丁寧。先生の過去についても、普遍的な恋愛ベタのあるあるで、共感できるところも多々あった。 本屋に今でも置かれて読まれ続けている意味がよく分かった。 自分が20代のときにこれを読んだらどう思ったかな。
高校生の頃、教科書に載っていたので読んだことがあったが、全編を通して読んだのは今回が初めて。 大人になった今読んだからなのか、全編通して読んだからなのか、当時とはまた違った印象を抱いた。 当時は行動の背景や意味がイマイチ理解できず入り込めなかったが、今回は自らを重ねて読むことができた。 さらに人生経...続きを読む験を重ねてから読むとまた違った感じ方をするかも。 是非とも20年後くらいに再読したい。
何度読んでも名作。 Kの「ただ苦しい」という心境も、先生の嫉妬や、進むべきか止まるべきか揺れ続ける姿も、若さゆえの「私」の未熟な考え方も、登場人物すべてに共感が持てる素晴らしい作品だと思う。 繊細で、物事を深く考えすぎてしまう先生。 初めて読んだ頃はあまり印象に残らなかったけれど、時代背景もあるし、...続きを読む先生自身の性質もあって、天皇の死に大きく影響を受けたのも本当に彼らしいと感じた。 先生の遺書には胸を抉られるほどの共感があり、ストイックなKと揺れ動く先生との空気が、とても鮮明に立ち上がってくる。 そして、Kの自殺の場面は何度読んでも圧巻。
夢中になって読んだ高校生のころ。授業中にこっそり読んで、どっかシーンでは保健室に行って大泣きした思い出。読書好きになるきっかけをくれた本。 また読み返したい!
教科書に載っていて、面白かったので本を買って読んでみました。 文章がとても読みやすくてネガティブな思考が自分と重なる部分がありました。 他の夏目漱石作品も読みたいです。
今更ながら、読んでみた。小学生の頃に国語の授業で読んだきりです。全てを読んだのは初めてでしたが、とてもよかった。語彙力が乏しくてもどかしいながらも、夏目の文体をマネしたくなるくらいには影響を受けました。自分の好きな文章鳥羽なんだろうと考えていたが、少し答えが出た気がします。形容詞の使い方や修飾の仕方...続きを読むが上手い文章が好きです。人間の暗い部分を覗いたような感覚であった。
高校生の頃の先生が、この先恋愛が出来なくなるからまだ君たちは読んでは駄目だと言っていた理由が、歳を重ねるにつれて徐々に分かってきたような気がする
高校生の時に授業で習って以来、 たまにふと読みたくなり何度か読み返している。 初めて読んだ時も心にズシンときた。 先生、K、御嬢さん誰の気持ちになってみても辛い。 Kが死んでしまうのが分かってるから、なんで早くKに言わないんだよ…!この段階でKとちゃんと話していればなにか違ったかも!とか思ってしま...続きを読むうよ。 焦ってお嬢さんを手に入れようとする様子やお嬢さんとの結婚が決まったことをKになかなか言わない気持ち、Kが自分宛に遺した手紙に奥さんや御嬢さんが軽蔑するような内容が書かれていないことに安心する様子などは、うわーずるい人…と思いつつもとても人間らしい。 時間が経つにつれてどんどん苦しくなっていく先生を感じるのがしんどい。死んだ積もりで生きるなんて人生なんて…。 手紙ではなく、『私』と直接会ってこの話をしたら私はどんな反応をしたのだろう。時間が経ったらまた読みたいと思う。
どす黒くてどうしようもないこの心は、 自分だけが持っているものじゃないんだってことを教えてくれた。 明るい内容じゃないのに、心が救われる。 人間みんな、そんなもの そう割り切って生きていこうって 諦めとはまた違う勇気を貰える物語。 この小説に出逢えて本当に良かった。
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