【感想・ネタバレ】こころのレビュー

あらすじ

鎌倉の海岸で、学生だった私は一人の男性と出会った。不思議な魅力を持つその人は、“先生”と呼んで慕う私になかなか心を開いてくれず、謎のような言葉で惑わせる。やがてある日、私のもとに分厚い手紙が届いたとき、先生はもはやこの世の人ではなかった。遺された手紙から明らかになる先生の人生の悲劇――それは親友とともに一人の女性に恋をしたときから始まったのだった。

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Posted by ブクログ

何度読んでも名作。
Kの「ただ苦しい」という心境も、先生の嫉妬や、進むべきか止まるべきか揺れ続ける姿も、若さゆえの「私」の未熟な考え方も、登場人物すべてに共感が持てる素晴らしい作品だと思う。
繊細で、物事を深く考えすぎてしまう先生。
初めて読んだ頃はあまり印象に残らなかったけれど、時代背景もあるし、先生自身の性質もあって、天皇の死に大きく影響を受けたのも本当に彼らしいと感じた。

先生の遺書には胸を抉られるほどの共感があり、ストイックなKと揺れ動く先生との空気が、とても鮮明に立ち上がってくる。
そして、Kの自殺の場面は何度読んでも圧巻。

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2025年11月29日

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夢中になって読んだ高校生のころ。授業中にこっそり読んで、どっかシーンでは保健室に行って大泣きした思い出。読書好きになるきっかけをくれた本。
また読み返したい!

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2025年10月31日

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教科書に載っていて、面白かったので本を買って読んでみました。
文章がとても読みやすくてネガティブな思考が自分と重なる部分がありました。
他の夏目漱石作品も読みたいです。

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2025年10月23日

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ネタバレ

読んだのは高校の授業以来で、全文通して読んだのは初めてだった。Kが最終的にどうなるかを知りながら読んでいたので、前半のKの死と先生の罪を匂わせるような文章は「あーKのことねなるほどね」と理解しながら読めて新しいおもしろさがあった。漱石の思想が言葉として深く反映されていて、ずっしりとこころに残る文章が多かった。個人的には「馴れれば馴れる程、親しみが増すだけで、恋の神経はだんだん麻痺してくるだけです。」という言葉が1番響いた。

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2025年10月20日

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今更ながら、読んでみた。小学生の頃に国語の授業で読んだきりです。全てを読んだのは初めてでしたが、とてもよかった。語彙力が乏しくてもどかしいながらも、夏目の文体をマネしたくなるくらいには影響を受けました。自分の好きな文章鳥羽なんだろうと考えていたが、少し答えが出た気がします。形容詞の使い方や修飾の仕方が上手い文章が好きです。人間の暗い部分を覗いたような感覚であった。

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2025年09月13日

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高校生の頃の先生が、この先恋愛が出来なくなるからまだ君たちは読んでは駄目だと言っていた理由が、歳を重ねるにつれて徐々に分かってきたような気がする

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2025年11月30日

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ネタバレ

この本を初めて読んだのは確か14〜15歳のころ。あまりの衝撃で寝ている父を起こし(今思えば迷惑そのものだけど)、朝までこの本について語り合ったのを覚えている。
多分あの時受けた衝撃を超える作品に出会うために、今でも本を読み続けているのだと思う。

当時私が抱いた疑問は「なぜKは死を選ぶ必要があったのか?恋とはそんなに恐ろしいものなのか?」だった。そして10数年前に読み返したときは、「そうだよね、恋情は人の命を奪う可能性を秘めたものだよね。」と思った。

そしてある程度歳を重ねた今、失恋だけがそうさせたのではなく、自分と同じく真面目に生きてきたはずの【私】がさも当然かのように裏切り、捌け口もない果てしない悲しみが引き金になったように思える。

【私】がした行為は誰のためにもならず、エゴでしかない。
でも人間ってそんなもの。自分の中で矛盾していることに気づいても、自分がいいように捉えて楽な方を選択してしまう。だから【私】を責めることなんてできない。【私】はいつぞやの私かも知れないんだから。

また10年ほど経ったら読み返すはずだけど、その頃どんな気持ちでこの本を読むだろう?何度読んでも美しいこの本と共に人生を歩める幸せを噛みしめる。

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2025年07月20日

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『舟を編む』で、高校の教科書に載っていた、遺書が超長いと話に出てきて、そういえば自分も教科書に載っていた分は読んだが、内容を全然覚えてなかったのでこれを機に読んだ。

始まりは私と先生の交流。先生と私が時間を共にしていく中で、先生の闇や謎を理解したいと感じてくる。
大学を卒業した私は、また東京に戻ってくると先生夫妻に言い、一旦国へ帰る。そこから働き口を紹介してもらおうと、先生へ手紙を書く。しばらくして戻ってきた手紙には先生のこころの内が綴られていた…。

10代の頃は全然理解できなかったけど、今読んだらとんでもなく名作だと思った。先生も友人のKも落ち着いていたり、しっかりしているように見えてやっぱり普通の人間で、不意にポキっと折れた様子を読むと、震えるほどの虚無感を感じた。

人間を信じるって難しいことだなあ。それができるのはとても高尚なことだと思った。

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2025年07月14日

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初めて読んだのは確か、高校の教科書にて。それも前半部分だけだったと覚えています。不思議と続きが気になっていたのですが、漱石の新潮文庫セットを古本屋でまとめ買いした覚えが(その後角川版も手元に)。

若き日の恋愛の行き違いといってしまえばそれまでですが、この時代は「恋で死ぬ」こともできたのかと、高校生の当時に感じたのを覚えています。青春ってのは、無様でもあるし、その分取り繕わない素直さもある、とも。

息子(大2)が高校の時の課題図書にもなっていたようで探しに来ましたが、新潮版はなんか古びてるねといいながら、角川版を持っていった覚えがあります。感想は特段に聞いてはいないのですが、未だに帰ってこないのは、忘れているのか、感じ入るものがあったのか、、まぁ、前者でしょう。

結局のところ、お嬢さんが一番ワリ喰った感じではありますが、その後、幸せになれたのだろうかなんて余韻を考えるのもまた、「物語」の楽しみ方の一つでもありかな、とも。

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2025年07月01日

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ネタバレ

「恋は罪悪ですよ、よござんすか。そうして神聖なものですよ」

「自由と独立と己れとに充ちた現代に生れた我々は、その犠牲としてみんなにこの淋しみを味わわなくてはならないでしょう」



自由と独立の明治の時代、その裏で人々は孤独でもあった。私も先生もKも奥さんもお嬢さんも家族を失い孤独な身であった。
Kの自殺は、単なる失恋でもなく、といって現実と理想の衝突というだけでもなく、人間の孤独を感じたからではないだろうか。先生が叔父に謀られていたと気づいた時と同じように。
傷ついた本人が最もその寂しさを理解しているはずなのに、それでも先生はKを裏切ってしまった。そこで先生は「自分もあの叔父と同じ人間である」ということを悟った。利己心に任せると、人間は人間を簡単に裏切る。その人間の"こころ"こそが、個人を超えて、人間という生き物が持つ「罪」であると気づいた。そのことに先生は絶望したのだと思う。

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2025年09月28日

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高校生の時に授業で習って以来、
たまにふと読みたくなり何度か読み返している。
初めて読んだ時も心にズシンときた。
先生、K、御嬢さん誰の気持ちになってみても辛い。

Kが死んでしまうのが分かってるから、なんで早くKに言わないんだよ…!この段階でKとちゃんと話していればなにか違ったかも!とか思ってしまうよ。
焦ってお嬢さんを手に入れようとする様子やお嬢さんとの結婚が決まったことをKになかなか言わない気持ち、Kが自分宛に遺した手紙に奥さんや御嬢さんが軽蔑するような内容が書かれていないことに安心する様子などは、うわーずるい人…と思いつつもとても人間らしい。
時間が経つにつれてどんどん苦しくなっていく先生を感じるのがしんどい。死んだ積もりで生きるなんて人生なんて…。
手紙ではなく、『私』と直接会ってこの話をしたら私はどんな反応をしたのだろう。時間が経ったらまた読みたいと思う。

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2025年10月12日

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どす黒くてどうしようもないこの心は、
自分だけが持っているものじゃないんだってことを教えてくれた。
明るい内容じゃないのに、心が救われる。

人間みんな、そんなもの
そう割り切って生きていこうって
諦めとはまた違う勇気を貰える物語。

この小説に出逢えて本当に良かった。


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2025年09月08日

日本近代文学の傑作

誰しもが読んだことのある傑作。
三章仕立てのこの小説は、前半で先生との出会い、中盤で父との関係、終盤で先生の過去を描いている。読者にとって最も謎なのは、先生の自殺の原因だろう。彼は何に悩み、なぜ「僕」にだけ過去を明かして自殺したのか。
どうやらこの謎に、多くの批評家や小説家が挑んだらしい(この記事を参考にした:https://naruhoudou.com/kokoroisun/)。名だたる批評家が挑んだこの謎を一般読者が解くのは難しいと言わざるを得ないが、だからこそ挑む価値があるとも言える。何故なら、結局誰にもわからないのだから。

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2023年03月30日

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ネタバレ

美しい小説。圧巻である。
昔、教科書で読んだ時、その面白さに衝撃を覚えた。しかしなぜか全文は未だ読んだことがなかった。
兄が、最初の方はつまらないと言っていた。
たしかに、最初の方は長い。
しかし、最初の方の先生に対する俯瞰が、後半の内省と合わせて、先生という人物像を、あらわにしている。
エンタメ的にも面白い。
文章も美しい。
自意識も、繊細に書き上げられており、自分と重ね合わせながら読んだ。

264 つまり私は極めて高尚な愛の理論家だったのです。同時に尤も迂遠な愛の実際家だったのです。

281 精神的に向上心のないものは馬鹿だ

302 もう取り返しが付かないという黒い光が、私の未来を貫ぬいて、一瞬間に私の前に横わる全生涯を物凄く照らしました。

303 それでも私は私を忘れる事が出来ませんでした。

317然し腹の底では、世の中で自分が最も信愛しているたった一人の人間すら、自分を理解していないのかと思うと、悲しかったのです。理解させる手段があるのに、理解させる勇気が出せないのだと思うと益悲しかったのです。

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2025年10月18日

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久しぶりの夏目漱石、やっぱりとても良かったです。
美しいなぁと感じました。

特に読んでいて、襖を一枚隔ててそこにいる先生とKを思うと、心がヒリヒリして胸が痛い…

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2025年10月05日

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心の中を打ち明けてしまいたいけれど、打ち明けられない葛藤。大切な人が側にいるにも関わらず、自分は周囲の人が思うような人間ではないという、自己否定に先生は苦しむ。
先生やKのように、高潔であること、ありたいと望むことは人生をどこまでもハードにしてしまう。人間誰しも常に正しくいることは不可能に近い。思い上がるし、愚行もする。しかし、高潔な人にとっては、周囲には「そんなこと」と思われることでも、本人にとっては存在を揺るがす大問題になることがある。私も自己否定に押しつぶされんばかりの夜があるが、この作品のように、突っ走ってしまうと、周りを不幸にするぞと思い出したい。

Kにしても、先生にしても、上から人を見るような様子があるが、それに気付いているか気付いていないか、表に出すか出さないかの違いだけで、実際は人間皆そうなのではないだろうか。男が女を侮り、女が男を侮る。親が子を、子が親を、日本人が外国人を、外国人が日本人を、、、、。そうやって自分だってあらゆる人を侮るし、侮られるということが分かっていたら、変に他人の目線を恐れたり、目くじらを立てる必要がないことが分かる。
また、あたかも表向きは仏のように装う人でも、胸の内は葛藤や嫉妬、自惚れや不信に苦しむことがあるのだと思うと、救われたような心持ちになる。また、そのことを責め立てることは、自分を省みる冷静さがなく、愚かなことであるように思う。が、それもまた人間、、、
自分を含め人間ってそんなもんだよね、と、どこか完璧でない部分を面白がるくらいが丁度いいのかもしれない。だだ、みんなそうだからという言い逃れの道や開き直りを与えるのではなく、ものの道理や美徳を知りつつも、時にやらかしてしまう自分や他者をしょうがないなぁの目線で見つめていきたい。

夏目漱石のこころは、先生の告白までの道程が焦ったく、すらすらと読める作品ではないのかもしれない。しかし、何度も読むたびに、人生の訓戒や人間に対する深い洞察が得られる作品のように思う。

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2025年10月04日

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ネタバレ

はじめて夏目漱石の作品を読みました(教科書で読んだことはある気がするが記憶がない…)
自分自身、卑怯者だなと思うことも多く生きてきたので、先生と遺書編はグサグサ刺さりました。
どうすればこの罪を償うことができたんだろうと考えたり、償えると思うこと自体がまた卑怯であるという地獄の無限ループに陥り、めちゃくちゃ暗い気持ちになった。
遺書を書いて私に打ち明けることで、少しでも楽になりたかったのかな。
罪を告白しても、誰かに謝っても、心の陰は消えないんだろうなー、と共感したり、辛くなったり、どうにもできない気持ちでしんどかった!

あと遺書ながっ!

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2025年09月24日

Posted by ブクログ

この小説は繊細な心を持った人間の心の葛藤を描いた小説。

上と下の2つの章に分かれていて上では私が先生と出会ってからの日々が私目線で描かれる。
下では先生が自身が抱えていた暗い過去について曝け出す手紙の構成になっている。

この小説を読む前は三角関係が描かれる作品であるというざっくりとした内容しか知らなかった。
お金と恋愛を通して自分を含めた人間についての哀しい結論を出した暗い内容の話だったように感じる。

厭世的な価値観を持った先生が形成された過去が明るみになる展開は読み応えがあった。
この小説を読んで特に印象に残った場面は、最初に家族から慕われており絶大な信頼を抱いていた叔父が金目当てで親切にされたことを知り人を信頼することができなくなった。
その後、自分自身も損得勘定なしで親切にしていた親友Kを裏切ってしまったことで自分を含めて人間を信用することができなくなってしまった場面です。
犯罪者が子供の頃から犯罪者になると思っていないように、自分が嫌悪していた対象に何かの拍子で自分自身が当事者になってしまう危険を孕んでいるという怖さを感じた作品でした。

また、「人間として負けたのだ」というセリフがすごく印象的だった。
僕自身も余裕のないときは自分のことしか考えられずに相手のことを慮ることが難しく感じる瞬間がある。
相手を打ちまかそうとしているときは、相手のことを考えているようで自分がよく見られたいや打ち負かすことで自分が優位になった気持ちになりたい悦に浸りたいという傲慢さがあると思う。
相手のことを気にして相手に勝つことをずっと考えていたけれど相手は全く気にしていなかった時などに感じる自分と相手の心の広さの差を痛感する感じ。

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

高校時代に現代国語の授業で読んで以来、そして、全編を初めて読んだ。

結局、Kが自殺した理由は誰にも分からなかった。
きっとどれだけ考えても、正解は分からない。

私と先生との出会い、そして関係性が変化していく様子もそれなりに面白かったけど、先生とK、先生と娘、先生と娘の関係性を読んでいた方が面白い

ただ、手紙であの莫大な内容を書いていたのは現実的にありえねぇだろ、とツッコミだけはしたい。

そして、切ない。とにかく、恋が切ない。
まさに三角関係。
今も昔も、人間関係において恋愛が障壁となることは多いんだなぁ、と感じた。
三角関係を経験したことがあるからこそ共感できる先生の心情や言動がたくさんあった。

恋って切ない!先生と娘は幸せになれるんだろうか。

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2025年09月13日

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なんかもうやるせない。やるせないわ〜!というのが最後の最後まで読んでまず出た感想。
全部先生が書いた、先生から見えた記憶の話だけど(前半は「私」が書いた、「私」から見た世界)、先生はなんか、自分のせいだと思う方がずっと楽ではあったんだろうな。もう関係ないと思えるほど、図太くも潔くもなく。
いやーやるせないわ…じわじわ泣けるわ…

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2025年08月12日

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高校生の時に読んで、何十年ぶりかで再読。人間に必ずある心の闇、その裏にあるストーリーと心情の描写が凄い

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2025年08月10日

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人間は本来悪人ではないという理念を前提においた先生が金で人間が変わってしまう事を経験しておきながら自ら忌み嫌っていた人間の信頼を先生自身が金と、今度は人間の愛において全く同じ事象で先生自身の利己のために人を欺いてしまうことが印象的だった。
自身の善のでkを同居させておきながらお嬢様への愛がために欺いて善と利己が葛藤する様を見るのが辛かった。
そもそもkを同居させるなよ!って思った。純愛関係が複雑になるって絶対思った。

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2025年08月07日

Posted by ブクログ

高校生の娘が読まないといけないのに読み進められない、というのでどんなだっけ?と読み始めた。自分も高校の時に読んだはずと思っていたけどそれは最後の章だけだったと初めてわかった。先生と私、両親と私、を経ての最期にこの長い遺書、一人称の変化で訴えてくる構成がすごい。全編を通して何が起こるの?と怖いもの見たさで読み進めさせられる。タイトルそのもの、人間のこころのうち、エゴ、孤独、罪など考えさせられる。

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2025年07月15日

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一時の判断で人生が自分の心から狂ってしまう。解決策が分かっていても、護るべきものがあるから実行できない。それはとても苦しい生き方だろうが、本心を明かすことよりも死の方が容易な程であれば仕方ない。

心は高校の授業で扱ったときに初めて読んだ。
本心を隠して生きることは人生に暗い影がさすことを当時も理解はしているが、悲しいかな今の方が過去の体験をもってその状況をより理解してしまう。

最後の先生の手紙の描写は読んでいるだけで胸が苦しい。最後まで真面目で頑なで自分を責めて、残される妻のことも考えずに亡くなっていく。もう少し早く、「私」にだけにでも打ち明けていれば状況は違ったかもしれない。
自死以外の結末になるには、幾つかのターニングポイントがあった。でもそれは手紙で過去を振り返ったときに気付くもので、現在進行形では判断がつき難い。救いがない物語だが、小賢しいことせずに真っ直ぐ生きようというのが教訓なんだろうな。

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2025年07月11日

Posted by ブクログ

自分の大切にしている思想、観念、価値観といったものに一貫性を持たせて生きることで自分を高尚なものを捉えることができて、それに縋って生きていける。その反面で、自己矛盾が生じた時には、今まで積み重ねてきたものが脆く崩れ去ってしまう。信念を持って生きている人間は一見強いように見えるが、それは大きな弱点になりうる。

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2025年06月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こころー人間とは罪深い生き物である。

「私」が「先生」と出会うところから物語は始まり、父の容体の急変、先生から届いた手紙が遺書だと知る私、Kの自殺と先生の自殺の関係。。とても深い作品なんだと途中で気が付きました。
Kは失恋や先生の裏切り、喪失による寂しさなんかで自殺したのではなく、自らの「道」を極める上で「恋」が妨げであった。
「道」の為には全てを犠牲にしなければならなかったのに、たった1人の女性に狂わされてしまった。Kは「断罪」の為に自殺したのだと思います。人間の意思では変えようのない本性と罪深さがこの作品には集約されていると思いました。

印象に残った文
「私はその新しい墓と、新しい私の妻と、それから地面の下に埋められたKの新しい白骨とを思い比べて、運命の冷罵を感ぜずにはいられなかったのです。」

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2025年07月19日

購入済み

夏目漱石「こころ」に触れ

朝日新聞で100年ぶりに連載されたことをかなりたってから知った。
明治時代の大学生、勿論家庭もそれなりに裕福であろう。しかし、どうしてもその時代の大学生は、自分の生きざま、思想に陶酔しているように感じてしまう。
文学者であれ、芸術家であれ自分は特別な存在として身を置いているようだ。
それが、現代の若者と似ても似つくさない、ある意味とても魅力的に写る時代背景、ロマンを感じることができる。
明治、大正の堅物であるが故の純粋な恋心が伝わる。

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2014年07月14日

Posted by ブクログ

3章かけて先生の過去である、先生と遺書、まで至るが、その割に物語が収束せず結論も出ない。主人公が新たな人生を歩むでもなく、先生のその後が描かれるでもなく、突然に物語が終わる。
恋愛と金銭に悩まされながら、鬱陶しさを感じるくらい自分の心情を語るこの本から、何を読み取れば良いのか、読書感想文の題材によく取り上げられる割にかなり難しい文章です。

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1ヶ月ほど読むのにかかった。昔の小説は読むのに時間がかかる。表現の仕方、古語を理解するのに時間がかかるし、一つ表現するのに十かかるくらい丁寧に書かれているからだろうか。こころは特に先生の手紙に重点を置いていた。夏目漱石自身、その先生に心を通わせたのだろうと思う。愛情と友情、金銭欲、人間の心の部分に深く迫る作品だった。金の為に自分を利用しようとした経験を持つ先生が愛情の為に友を自殺にまで追い込んでしまう。心優しい先生は、自分のせいだと自分を戒めた。その罪悪感を誰にも伝えられず、私という新たな人物との繋がりから先生を見せる事により、読者に想像を膨らませる書き方は素晴らしい。芥川もそうだが、昔の偉大な小説家は感受性が豊かで優しい。そして自分を限りなく客観的に見ることができる人たちだと感じた。その為、自分のフィクションの世界のキャラにも自分を重ね、深く入り込んでしまう。優しい人ほど辛い。そんな彼らが書いてきたものこそが人生そのものだと消化して今に繋げ自分を支える一部になっているのだから美しい。私は先生の弱い部分も強い部分の気持ちもよく分かるし、人間の善と悪の頭と体の矛盾は誰しもが経験しているから想像に容易い。しかし、重すぎた。友人の死により、手に入れた妻だからこそ打ち明けられずに1人抱え込んで生きながらえる辛さは計り知れない。死は償いでもあり逃げでもあるし、妻にとっての苦しみでもある。逃げ場のない先生の葛藤を手紙で知った私はどうするのだろう。そこまでで書くのを辞めた夏目漱石の意図はなんだったのだろう。私には生きていて欲しいと願う。妻には伝わらないで欲しいとも。

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

男性は女性よりも傷つきやすく、繊細なのかもしれません。

下宿先の奥さんの強さには、頭が下がります。あの事件直後でも冷静に対処した姿は素晴らしいのですが、全てを察していたのではないか(男性2人の心境)と思います。

お金で、恋愛で翻弄される先生の人生が切ない‥。
お嬢さんとKが一緒にいる嫉妬心など、細やかな文章形成で先生の心境が手にとるようです。

「男の嫉妬心は女の比ではない」の一文を思い出しました。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

親友を欺いて自分の都合を最優先したことを悔やみいつまでもその呪縛の念に絡め取られていた。誰かに自分のした事を打ち明けたかったのだろう。相当な苦しみを味わっできたことがよくわかった。どんな落とし所になるのかとページを進めたが、なんと言うのか、文学というのは内面を追及して読者にそれを訴えるものなのかなあ。親友の自死の理由はこれだけではなく他にもあると思う。この事が実行の背中を押してしまったのでは無いか?それはもう一回読めばわかるのか?あるいは文章中には無いのか?あれば著者の凄さが際立つかも。必竟、死ぬほど愛してしまった事が大きな要因なのか?これはミステリーとは違うので後味もかなり違う。別のタイトルももっと読んで行きたい。

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2025年08月07日

Posted by ブクログ

友を出し抜いた男の苦悩を鮮明に読み取れる、なんと赤裸々にあけすけに人の心を表現したんだ



ただ少し読んですぐ、漱石??え???ってなる
いやあ、完全に男色ストーカーじゃん……ええ…

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2025年07月24日

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