あらすじ
鎌倉の海岸で、学生だった私は一人の男性と出会った。不思議な魅力を持つその人は、“先生”と呼んで慕う私になかなか心を開いてくれず、謎のような言葉で惑わせる。やがてある日、私のもとに分厚い手紙が届いたとき、先生はもはやこの世の人ではなかった。遺された手紙から明らかになる先生の人生の悲劇――それは親友とともに一人の女性に恋をしたときから始まったのだった。
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ウン十年振りの再読。当時は先生と遺書が好みだったが、何十年とたった今は圧倒的に先生と私が好みだった。私が考察する先生のこころに潜むものの描き方がとてもよかった。
先生と遺書のラストが、先生が死んだ後でも妻が生きている以上は、すべてをあなた(=私)腹の中にしまっておいてくださいの一文で終わる。これを読んだ瞬間に「私よ、直ちにその約束を破れ、律儀に先生との約束など果たさず、直ぐに誰かに告げてしまえ。そうでなくては次はきみが死ぬぞ」と思った。私には生きてほしい。
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高校の教科書に抜粋で載っていました。当時、退屈な古典の授業中に、違うページに載っていた『こころ』の抜粋を、先生の話しを聴かずに読みました。その時に、これはとんでもないことが書かれている、人の内面に深く入り込んだ小説だと思いました。教科書には抜粋だけでしたので、その日のうちに書店で単行本を購入して一気に読みました。
当時の衝撃は忘れられません。傑作です。
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知ってはいたけど内容までは詳しく知らなかった為、読んでみた。
人間模様、先生の罪悪感、Kの考え、複雑でとりあえず活字が難しかった…けれど読んでよかったと思っている。
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先生はいったい何を考えていたのか
Kはどうして死んだのか
私はどうすればよかったのか
そんなことを考えさせられる小説だった。
先生と私の会話はいつみても距離があったように感じる、その距離は近づくこともあるけれど、近づいた分だけ遠ざかる。
先生が過去を少し吐露したあの日が最も近づいた日だろうが、それ以降先生は彼にやはり必要以上に近づこうとはしていなかった。
しかし、これは私だけでなく奥さんにもそうであった。奥さんがお嬢さんになったその日から、先生はきっと今のように過ごしてきたに違いない。そんなことを考えると奥さんには気の毒でしょうがない。
しかし、それ以上に先生が気の毒で哀れでしょうがない。Kが死んだのが先生のせいなのかは定かではないし、Kも先生をここまで苦しめるつもりが当たったのだろうかと思う。
自分なりの意見だが、先生はKの死についてここまで苦しむ必要はなかったように思う。それは彼自身のためにも、奥さんのためにも。
最後、先生は私に手紙を送っている。先生は死ぬ覚悟ができたらしい。しかし、なぜこの時期なのか。死の間際にしっかりと約束を守る先生であるが、私の父が死の間際にいる中で、どうしてさらに追い打ちをかけることができるのだろうか。
もしかすると、この小説で最も哀れで狂気的なのは先生なのかもしれない。
先生はどうしてこうなっていったのだろうか
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説明の必要もない、夏目漱石の代表作。
「先生」が自殺した。先生の遺書には先生と友人Kとの過去のやり取りが書かれていた。
高校生の時教科書で読んで、一部だけだったから他の部分が気になって、本屋に買いに行って一気読みした。それを今回読み直した。
基本私は夏目漱石の明るい話が好きなんだけど、やっぱり「こころ」は名作だ。まず読ませられてしまうストーリー。そして美しい文体。最後には今も人の心に迫る、人類の普遍的悩みを描いたところ。
この話は疑問が次々湧き上がってくる。なぜKは自殺した?お嬢さんは誰が好きだった?先生とKが直接対決してたらどうなってた?先生やKの生い立ちとその後の人生もしっかりリンクしててもうため息しか出ない。すごすぎる。
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傑作。間違いなく自分の人生観に影響を与えている作品の1つ。漱石の明治の皮相上滑りである急進的な改革への批判が作品に如実に描かれている点が面白い。いろいろな解釈の仕方があるようで、いろいろな楽しみ方をもたらしてくれる。
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夏目漱石の代表作にして、個人的にも、高校生の頃くらいより大人になってからも、最も繰り返し読んだ小説。
小説を読む楽しさを本当の意味で知ったといっても過言ではない作品。記憶に残しておきたい多くのフレーズがある。
作者は、明治から大正初期を代表する作家であるが、いまもなお、非常に読みやすい。
全体は、
私から見た先生→私と両親→先生の遺書
の3部構成であり、最後が中心。
前半は、後半に向けていくつもの伏線が見事にはりめぐらされている。
前期三部作の雰囲気とはガラッと変わる。
内容は、友人であるKの自殺により、それを抱え、人生が変わってしまった先生の孤独、淋しさ、ある種の人間への不信が見事に描かれている。
「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」のフレーズは何度読んでも印象的。
「襖に迸っている血潮を始めてみたのです。」という、Kの亡くなった後の描写も忘れられない。
まさに、先生の「こころ」は、英国から帰国した作者の「こころ」をあらわしているのであろう。
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まず思ったのは、こんなに長い手紙ある?でした。
なんとも言えない後味の悪さは、先生の犯した罪を妻に言わないのは、一貫して妻に翳りを宿したくないから、でした。
でも、真実を伝える勇気がないのを、妻を汚したくないから、にすり替えてるように思えました。
Kはどこまで考えて死に至ったのか。
死ぬ直前までは、友人の裏切りによって、どんな人間も信じることはできないという絶望からで、だけど絶命の瞬間には、友人に一生の呪いをかけることができる、と思ったのではと感じました。
主人公の私は、父の大変な時にそれを上回る告白を受けて大丈夫か?と思いますが、私は若さゆえのしなやかさを感じるので大きく乗り越えていける予感はします。
また、私が夏目漱石の文章の中でも特に好きなのは、たった数行で心情や情景がガラリと変えることができるところです。
この本でいうと、
・植木屋で日が暮れ始めるところ
・卒業に対する病身の父の思いを聞いた後の主人公の心変わり
・下宿先で一見して床に飾ってある花や琴が、そこの娘の存在を感じたところで厭ではなくなった心境
とりあえず軍鶏鍋食べたい。
あとは小石川散歩したい。
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遺書まではめっちゃ面白かった。
自己肯定感や覚悟がない人の文章読むのはしんどくなる。自分もそっち側の人間だと思ってるから。
Kの潔さや生き様がカッコ良すぎる。日本男児感じた。多分Kは長男。
2人とも違う世界で仲良くしてて欲しい。
語り継がれる作品だなぁ。と思った。
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読み終わったあとはしばらくの間、虚無感、脱力感、それに似たものを感じました。
「死」というものはまだ身近で感じたことがない私だけれど、この作品読んで、身近な人が死んだあとの虚無感はかなり心に重くのしかかるんだろうなと考えさせられました。
夏目漱石の皮肉混じりの文章、鋭い洞察を伴った人間を描く文章が、思ったよりも面白くて「坊ちゃん」を昔に読んで気にはなっていた作品だけれど、ユーモアまじりのどこか軽快に進んでいく「坊ちゃん」とは全く違う、曇天の中をずっと重い時が流れていくような小説でした。
小説の中から何かを学べるのだとしたら、この本からは「自分の行動に自分自身で責任が持てるか」と常に考えて生きなければならない、とじぶんの「こころ」に釘を刺すような痛みを学べました。
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本書を初めて読んだのは、高校生のとき。先生の心の奥底に沈んでいるものが、あまりにも辛く苦しく、そのことばかりが頭の中を占めていました。
一方、“自分には三角関係なんてあり得ないだろう。正直こんな状況に自分はなりたくない。”と思っていました。
ところが忘れもしない社会人になって1年目、絶対にありえないと思っていたのに、自分自身がはまっていた。本書のように泥沼にならなかったのが幸いですが、恋愛の恐ろしい一面を知りました。先生の言葉“恋は罪悪しかし神聖”グサリときます。
今回再読して、先生の苦しさだけでなく、先生を慕っていた“私”という人物にも思いを馳せました。“私”は実父の死が迫り来る中で、先生からの長い手紙を読みます。“私”は父よりも先生を尊敬していた。しかし、最終的に2人の人物の生き様から、どんなことを感じとったのだろう。
何より不憫なのは三角関係の中にいた女性、静さん。何も知らないことが本当に幸せだったのか。自死を選んだ2人の男性。残された1人の女性。男性の身勝手さを感じてしまいます。
後期三部作、最後の作品『こころ』(大正4年、朝日新聞掲載)は、様々に読みを深められます。まずは明治という時代背景からの読み解きがあります。そして“私”と先生の関係性1つとっても“私”が先生を尊敬する以上の気持ちも感じとれますし、先生の友人K、静さんの気持ちにまで及ぶと沼にはまりそう。人生経験の深さ多様さにより、本書から得るものは違ってくるのでは。
『戦争平和』(トルストイ)、『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』(ドストエフスキー)のように、人間の本質、内面が深く描かれている『こころ』も、後世まで読み継がれる作品であると、あらためて思いました。人間の心は洋の東西、時代を超えて普遍なのだなあと。
タイトルの『こころ』について。なぜ、漢字でなく平仮名なのかを考えたとき、“人の心は良く言えば柔軟、悪く言えば移ろいやすく、容易に変化してしまう”そんな意味を投影させるために硬くなく、柔らかい印象の平仮名にしたのではないかと、ふと脳裏をよぎりました。
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数年ぶりに改めて読み返して胸がじーんとした。
人は自分に失望したときが一番辛い。
人生の希望が無くなるから。
だから自分を追い詰めすぎず、
また客観的に話が出来る相談相手が何人かいるのが良いと思った。
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前半はゆるりとした感じで、何が面白いのかなかなか分からなかったが、後半で一気に動き出す。
描写が非常に丁寧。先生の過去についても、普遍的な恋愛ベタのあるあるで、共感できるところも多々あった。
本屋に今でも置かれて読まれ続けている意味がよく分かった。
自分が20代のときにこれを読んだらどう思ったかな。
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読んでよかった。
難しい言葉も出てくるけれど、勉強になった。
恋愛か友情かは、とても難しい問題。
矛盾するような感情で成り立ってるこころや気持ちはたくさんあるんだなと思った。
詳細を詳しく書きすぎず、読者に想像の余白を残しているのは、意図的か分からないけれど、作品に奥行きを持たせていると感じる。
小説内で共感できる部分を見つけると、時代を超えて気持ちを共有出来ている感じがして嬉しくなった。
また時間が経ったら読み返したい作品。
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美しい代表的な日本文学 今まで古典はどうも読む気が起きなかったが、好きなアーティストが好きな本でこれを紹介していて、初めて読んでみた。深い。深い。人間の闇と悪、それに向き合う苦しみを美しい日本語の表記で、とても質の良い日本文学であることに納得。何度も読み返すことで、作者の意図・思いにやっと近づけるのかな、と思う。まずは作品の表層部分で衝撃を受け、二度三度読むことで作品をより深く堪能することができるだろう。ただそれには、こちらの人間としての深みが必要なんだろうけれど。
日本近代文学の傑作
誰しもが読んだことのある傑作。
三章仕立てのこの小説は、前半で先生との出会い、中盤で父との関係、終盤で先生の過去を描いている。読者にとって最も謎なのは、先生の自殺の原因だろう。彼は何に悩み、なぜ「僕」にだけ過去を明かして自殺したのか。
どうやらこの謎に、多くの批評家や小説家が挑んだらしい(この記事を参考にした:https://naruhoudou.com/kokoroisun/)。名だたる批評家が挑んだこの謎を一般読者が解くのは難しいと言わざるを得ないが、だからこそ挑む価値があるとも言える。何故なら、結局誰にもわからないのだから。
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倫理と愛、そして手段としての死の関係について深く考えさせられた。作中の愛が想像以上のパワーを持っていることが興味深かった。
会えるかどうかも分からない先生を案じて、父の死を看取る前に家を即座に飛び出した私は考えものだった、自分なら血縁関係を優先すると思う。
先生の遺書を読んで私の心がどのように変わったのか、父の最期に立ち会わなかっただけの価値があったのか、遺産問題はことなきを得たのかなどの遺書後の物語も気になった。
最初に私が先生に対して、どこかであったような気がするという感じていたが、ただの気のせいだったのだろうか。精神的な繋がりがあったってこと?
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・
こころ
著者| 夏目漱石
出版| 新潮社
発売日| 1952年 3月4日
「あの冷やかしのうちには、君が恋を求めながら得られないという深いの声がまじっていましょう」
ーーーー
夏目漱石は、自己否定感とエゴイズムの権化を作り出した。
自殺するを殉死とする。
殉死が自責の念からの解放手段として使えてしまった。
解説にあった、漱石の自己の葛藤に対しての自己制裁がえげつないと思った。
先生の死は殉死として書かれる。
主君主体ではない、近代日本の人に向けての批判に〈殉死〉が使われるのは、もう効力を示さない時代遅れな手法だと漱石はわかっていた。それでも、漱石は明治天皇の死に続いた乃木大将の殉死に感動した。ゆえに、殉死を書き、それを世間に否定させることで、漱石の殉死に感動してしまう自分を殺した。
自分に厳しいひとの、自分自身の手による自分への制裁は、その人を大切に思う人からしたら、とんでもないエゴイズムだ。
自殺だってエゴイズムの一つとも言われているように感じた。
エゴイズムになってる人の心境は、ほとんどその人本人にしかわからない。ひたすらにループする、自己否定、過去の映像、自己呵責、懺悔…
その他者には、わからない心境を事細かに描いた作品だとおもった。
もうひとつ心に残った言葉が以下。
「あの冷やかしのうちには、君が恋を求めながら得られないという深いの声がまじっていましょう
恋の満足を味わってる人はもっと暖かい声を出すものです。然し君。恋は罪悪ですよ。」
ドキッとする。
本当は欲しいと思ってるのに、自分が得られないから、得られないのではなく、得ないことにしてると思い込ませるための他者を下げる冷やかしによる、逃避。恋に限らず、この逃避を自覚して、素直に欲しがれようになったとき、前に進めるのだろう。
そして、恋は罪悪。
これを、友人を死においやった先生の口から出てくるのは相当な重みがある。
だれかを傷つけないでいられる、何も失わないでいられる恋は難しい。恋にはどうしてもエゴイズムが入ってくる。愛とのバランスが大切だと感じた。
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『人間が嫌い』というよりは、雁字搦めになった自分自身を先生は嫌いになってしまったように思いました。
恋愛に友情に家族に仕事に…明治から令和へと時代は確かに変わりましたが、人の悩みの根源は変わらないですね。
学生時代には気付けなかった、人間の業を勝手に覗いた気分です。
先生の遺書は本当に文章が綺麗ですが、手紙で書かれているため都合良く語られているようにも見て取れました。
もし「私」が「先生」の所へいち早く駆けつけ、口頭でこのお話を聞けていれば、先生はどのように語られたのだろうと考えずにはいられません。
一概に先生が悪い、Kが悪いとは思えませんが…最初から最後までエゴに付き合わされたお嬢さんが1番気の毒です。
でも、人間ってそう簡単に言い切れる程単純なものじゃない…いろいろありますよね…。
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漱石の作品の中でもこの作品が1番好き。高校時代に1年かけて授業で読んで思い入れがあるためもあるかもしれないけれど。
漱石はどんなきっかけでこの作品を着想したのだろう。
この時代は不思議ではないことだったのかもしれないが、先祖の財産に頼って生きる「書生」という立場に興味が湧いた。自分で稼いだわけではないのに、その多い少ないで不満を言うのはどうかと思うが。
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友情か恋心か。現代でもよく題材とされるが、自分の心の弱さが故に引き起こされた友の死、恋を果たしても黒い影が常に付きまとう。私がその歳の先生だとしたら違う決断が出来ただろうか考えさせられる物語ただった。
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主人公である私と、先生や私の家族との交流が描かれる前半パート、そして先生の過去が告白される後半パートに分かれる物語。
先生が世間と関わりを持とうとしない姿を前半で読んだ際は、これは過去に何かトラウマを抱えているんだろうと思ったが、後半に明かされるその内容は想定以上のものだった。先生は、金によって人が善人から悪人になること叔父から知り、愛でもまた人が大きく変わることを自身から知った。つまり、先生の世間及び人間全体に対する失望感は、他人からの被害的経験だけでなく、己の加害的経験にも起因するものであった。私は前者の要因ばかり予想していたため、後半の物語展開に対してはやはり驚きを感じた。
「私は金に対して人類を疑ぐったけれども、愛に対しては、まだ人類を疑わなかったのです。」(pp.200-1)
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10年ぶりに読んだら面白くて一気に読み進めた。最後の内容はわかっていても先生のミステリアスな過去について惹き込まれるような文章表現から飽きずに読み進められた。
高校時代に読んだ時は恋で人はそんなに狂うのか?と懐疑的な感想だったが、今読むとKや先生の自殺する理由も一定の理解はできる。
・先生は自殺してしまった。Kを騙してまで手に入れたお嬢さんとの幸せな結婚生活かと思えば、その奥さんをみればKへの罪悪感から自分自身を追いつめてしまい、自殺することが自分にとって一番救われると感じてしまったのかもしれない。それは仕方のないことかもしれない。
・Kの「覚悟」とは何だったのか。学問に進む覚悟であれば自殺することとはリンクしない。やはりお嬢さんとの恋だったのか。そうであればなぜすぐに告白しなかったのか。Kはお嬢さんが先生を好いていることを知っていた?それとも知らないが、先生がお嬢さんを好いていることは分かっていたが、先生への恩や友情から何度か先生の本音を聞き出してから先生が告白しダメなら自分がアタックしようとしたのか?
・Kが自殺してしまったのは、道に外れお嬢さんへ恋をしてしまったこと、お嬢さんが手に入らないと分かったことも1つの理由であるがそれだけの単純な話とも思えない。お嬢さんが手に入らない悔しさの他にも、先生が友人として自分に本音を打ち明けてくれずに騙すようにしてお嬢さんを手に入れたことへの友情が失われた悲しみの方が実は大きかったのではないだろうか。
・先生がKにお嬢さんへの恋心を打ち明けられなかったのは自尊心から?先生はKが自分より先にお嬢さんへの恋心を薄情されたときに負けたと感じ悔しさ、ずる賢さからKを「精神的に向上心のないやつは馬鹿だ」と非難。そして婚約した後も自分からは打ち明けられず、また奥さんやお嬢さんを通して打ち明けることも、自分がずる賢い人間であることが周囲にばれてしまうことへの自尊心からできなかった。そしてKが自殺した直後もまずは遺書を確認して先生への非難などはないか確認する程人間が小さい。プライドが高いことへの注意となる。
・お嬢さんはKと先生、どちらに関心があったのだろうか。私は女心が分からないたちであるため、お嬢さんの態度は先生への嫉妬心をくすぶらせるために映り、こういう態度は先生同様に好ましくなくないように感じた。でも嫉妬心で狂わせられるような恋の気持ちがないと愛着心が沸くことは難しいのだろうか・・・。
・先生が私にだけ告白したのは、私が過去の経験から学びを得たいと懐深くに入ってきたから、最初は信用できなかったが私の真っ直ぐな姿勢から信用した。奥さんに打ち明けられなかったのは、奥さんを美しい穢れのないものとして大事にしており、それを汚すことだけはできなかった。Kの自殺のときも奥さんに見せなくてよかったと安心している。
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恥ずかしながら、初めての漱石。現代においても読み続けられているのは、普遍的な人間の心理からか?この読み易さからか?淡々と進む感じは時代特有の書き方か。
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この年になり、ようやくはじめて読みました。夏目漱石さんの「こころ」
年内に読み終えれてまずはよかったです。
3部から構成され、
明治という時代に、「先生」を慕う「私」と先生が出会うところから始まり、交流を深めていく中で〝なぜ先生は毎月雑司が谷のお墓にお墓参りしているのだろう〟と、〝それは誰のお墓なのだろう〟と、私が疑問に思うところから物語が始まっていきます。
親と子、喪失、裏切られ、故郷、孤独、立身、男とは、女とは、といった要素もありつつ、最大のヤマ場はやはり3部目の先生の語りであり、若かりし頃何があったのか、先生と友人Kとの間に何があったのか、という感じの本です。
明治という時代性
こうでなくてはならない、こう生きねばならない、そういうものが色濃く残っていて、Kに対しては特にそういうものを感じたけれど、先生に対しては、途中からうじうじウジウジ何考えとんねん
と、私は思ってしまった。
でも、読んで読者がイライラさせられるくらい、夏目漱石さんの文章や表現がうまかったのかもしれない。だから、名作なのか…
しかし当時の時代とはこんな感じなのかな
心の裡を語り合いましょうとはならなかったのだろうとも思う。
夏目漱石さんが重い神経症であったことからか、先生もKもなかなか神経症器質な感じで、なんだかなあと。いやいや、自分で言うたんやんと、思いながらの読み終えでした。
先生は、お金に困っていないから、こううだうだウダウダ考えていられるんではないかとか…
お金に困ったら困ったでまた、良くない結果しか呼び寄せないのか…
まあ、エゴイズムを書いたという意味で名作なのか、これがずっと何十年も読みつがれていると思うとやはり何か引っかかるものを読者それぞれに呼び起こさせるのか、なんとも考えがまとまらないですが、どうも読み終えてこの世界をしばらく考えてしまうあたりがやはり名作なのかもしれない。
感想も長くなっちゃうし、まとまらないし。
1回は読めてみてよかったです。
令和においても男性と女性で感想は変わってくるのか、変わってこないのか、そういうことではないのか…
ここからは、本当にネタバレありです。
自分の見たくないところも、おぞましい欲望をもってしまったことも、相手にぶつけてしまったことも、なんもかんもが自分で、なんもかんもひっくるめて自分なんだと「覚悟」を決めて
「生きる」を選んでほしかったなあと思う
それが、「殉死」という言葉で美化されてしまう、オッケーにされてしまうのがこの「明治という時代」で、「明治という時代が終わる、終わった」ということなのか。
まあ、百年経っても読み継がれ、令和において高3の息子とも感想を話し合えるというのが、やっぱりすごい本だなと。
考察含め面白かったです。
Posted by ブクログ
激重すぎて2回途中で断念したけど3度目の正直でようやく完読。やっぱり激重。いつになったらこの鉛を飲んだような重い感覚とサヨナラできるのかと焦ったく思いながらページをめくっていたけれど、いざ読み終わると今まで読んだ本の中で1番鳥肌が立った。と言うか快感というか変な感情になった。
夏目漱石「こころ」に触れ
朝日新聞で100年ぶりに連載されたことをかなりたってから知った。
明治時代の大学生、勿論家庭もそれなりに裕福であろう。しかし、どうしてもその時代の大学生は、自分の生きざま、思想に陶酔しているように感じてしまう。
文学者であれ、芸術家であれ自分は特別な存在として身を置いているようだ。
それが、現代の若者と似ても似つくさない、ある意味とても魅力的に写る時代背景、ロマンを感じることができる。
明治、大正の堅物であるが故の純粋な恋心が伝わる。
Posted by ブクログ
男の嫉妬ほど醜いものはない。嫉妬からはじまり、命まで取られるのだから救われないお話である。内容の暗さからは想像できないほどに文章は読みやすい。書かれた時代を考えると、さらさらと読めるのには驚く。夏目漱石全集とまではいかなくても、メジャーな本はおさえよう。長い時代の洗礼を受けて尚、読み続けられる理由が確かにある。